「社会を変えていける映画だ」どうすればよかったか? 白茄子さんの映画レビュー(感想・評価)
社会を変えていける映画だ
※駄文ですみません。
どうすればよかったかを鑑賞した。
この映画は統合失調症がテーマだが、もう一つのテーマがある。それは『プライド』だ。
姉に統合失調症の症状が出た日に両親はすぐに知り合いの精神科へ連れて行く。が、何も問題はないと姉を連れて帰ってくる。明らかに様子がおかしい状態が続くが、その数年後もっと状況は悪化する。しまいには玄関のドアに出られないよう鎖をつけ始める。
主人公は一貫として姉を医療に繋げようとするが、両親がそれを長年にわたってガードする。
私はその様を見て、両親は姉を護ってるのではなく、自分たちの『プライド』を護っているように見えた。
母の死、父の病気をきっかけに姉はようやく入院することになるがなんと3ヶ月で退院し快調に向かった。
自分は統合失調症の方の治療前後を見たことがないのでこんなにも良くなるのかと正直衝撃を受けたのと同時に、『もっと早くこうすればよかったのに』と思わざるをえなかった。
今でこそ、心の病気や発達障害をカミングアウトされる方が増え、昔よりも精神的な病気への認識がフラットになったような気はするが、まだ『恥ずかしい』という認識は根付いている。
心の病気になった時、本人と身内が真っ先に思う感情が、『痛い』でも、『苦しい』でも、『辛い』、でもなく『恥ずかしい』だと思う。
私はこの『恥ずかしい』という感情が出てしまうことが一番の問題だと思った。
感情をコントロールするのは難しい。恥ずかしいものを恥ずかしくなるな、なんて言ったところで簡単にできるわけがない。
この映画にでてくる両親には、自分たちのプライドで姉の人生の時間を無駄にさせてしまったんだぞ、と強く怒りの気持ちを持ったと同時に同情の気持ちも持った。
統合失調症を認めないというプライドを捨てることが1番の近道だと感じたが、プライドを捨てるのは難しい。この映画の両親の経歴であれば尚更そう感じた。
そしてきっとどんなバックグラウンドの人間だってそうだと思う。
私たちが統合失調症の方やその身内の方を救えるのだとしたらそれは、この病気を『恥ずかしい』と思わせない、この病気はガンだったりインフルエンザと一緒で、当たり前のように病院に行って治す病気なんだ。そんな認識の社会を作って行くことだと感じた。