市民捜査官ドッキのレビュー・感想・評価
全36件中、1~20件目を表示
「密輸 1970」に続く、女性チームが強大な犯罪組織に立ち向かう痛快ドラマ
韓国映画界における女性の地位向上の取り組みが関係しているのか、男のボスが仕切る強大な犯罪組織に普通の女性たちのチームが立ち向かう映画が、今年7月に日本公開の「密輸 1970」に続き作られた。新作の「市民捜査官ドッキ」では、監督・脚本を務めたパク・ヨンジュも商業映画2作目となる30代後半の若手女性。
シングルマザーの主人公ドッキが振り込め詐欺の被害に遭い、その後監禁されている掛け子の青年から助けを求められる。通報した警察にはまともに取り合ってもらえず、それならばと仲間たちに助けられながら中国・青島にあるらしい詐欺組織の拠点を自ら探しに行くストーリー。
韓国が得意とする犯罪映画の基準からすると、主人公側の主要キャラクターが庶民的なおばちゃんたちなので暴力と活劇は少なめ。そのぶんドッキと仲間たちの野暮ったさや会話のおかしさで笑いも添えつつ、子供との暮らしを取り戻すため勇気を振り絞り組織とラスボスの正体に迫っていく過程をスリリングに描く。
2016年に韓国で実際に起きた事件がベースになっている。映画ではモデルになった女性に報奨金が支払われていないと記されていたが、ネット検索した韓国メディアの記事によると、2024年8月にその女性キム・ソンヒに5000万ウォン(現在のレートで約540万円)が支払われることが決まったそう。それに先立つ同年1月の本作の自国公開が世論や行政に影響したのだろうか。ともあれ、きちんと報われたようで何より。おばちゃんたちの勇気と絆に喝采を送りたい。
さすが韓国映画!
出だしがうまいの。
「怪しげな電話をうけてんなあ」と思ったら、次のシーンでは赤信号を無視して銀行へ突き進む主人公なんだよね。省略がすごい。
赤信号無視で『目的達成のために困難を厭わない』っていう主人公の性格も分かるの。
銀行のシーンで『あの人、詐欺にあったんだ』っていう周囲の冷たい視線が描写されるのもいい。
それで警察へ行って『そんなに金が必要ですか』に『火事にあったことがありますか』とようやく事情説明。さりげない。
保育園に迎えに行くと『他の方たちの手前、育児費が払えないとお預かりできません』に『今まで待ってくれてありがとう』と返す主人公。立派だ。
ここから突き進んでいくのが良いよね。
警察は全然協力してくれないの。これはでも、しょうがないところがある。特殊詐欺を逮捕すんの難しいんだよ。だから予防を必死にやってんだけど。
韓国警察がダメダメなの。
住むところないから工場に住んでると『子どもを虐待してる』って連れてっちゃうのね。
だから、そんなところだけキッチリしないで、特殊詐欺犯の捜査しろよって。
権力を全く信じない韓国映画らしさが全開だね。
並行してかけ子の事情も描いてくのね。日本のブラックバイトよりえぐいよ。
それでついに、かけ子が情報提供を始める。
事件が解決に向かうのは、このかけ子の情報提供が大きいんだよね。
そこからはシスターフッドな感じになって、ついにかけ子が監禁されている場所近くに乗り込む。
そしてハラハラドキドキでつないで、ついに逮捕かってところで逃げられるんだよ。
追いかけるのか、刑事を待つのか……この葛藤状況の描き方もうまい。主人公特性でもちろん追いかける決断なんだけど、さすがにそれは危険すぎるので、うまくストーリー展開にげるの。
遅れてやってきた刑事も男気を見せるね。中国警察との心の交流で、元請け逮捕に向かう。
主人公、最後は、空港で元請けと主人公で直接のやり取り。
被害額の3倍強の金をやるからつきまとうなという元請けを追いかける主人公。
ボコボコにされながらも『わたしたちは悪くない!』という主張がいい。
そう、騙されたほうが悪いなんてことは絶対にない。何があろうと騙したほうが悪い。そこ間違えんなよ!
遅れてきた刑事も乗り込み、ここでボコボコにされた主人公の顔を見た刑事が、元請けを殴るんだよね。ここで声が出ちゃった。
刑事は仕事しないし、情けない奴ではあったんだけど、いい奴なんだよ。主人公のことを心配してたっていうのが、ここで一気に出た感じだったの。
示談をもちかける元請けの誘いをキッパリ断ってエンディング。
この作品はキャラ起ちがいいね。全キャラクターがきっちり起ってる。
それで実話の映画化でもエンタメとして成立してんの。
加えてコメディータッチで描くのがいいね。
社会派ドラマやるならね、喜劇要素は必須だよと、日本の脚本家にも伝えたい。
まあ、そんな声は届かないけどね。
面白い
娯楽映画
今年度、劇場初鑑賞映画を何にしようかイロイロ思案した結果、やはり安定の韓国映画でしょ、と
先月、見逃していた作品なので、シネマート新宿の小さい方のスクリーン、観客数名(皆さんソロで)
こういう実話ベース映画だと、日本では有名美◯女優を眼鏡なんか掛けさせて一般の主婦役なんかにするのだろうが、決してビジュアル重視の配役にしないところが、感情移入しやすいな、と
韓国映画は喜怒哀楽の激しい演技(国民性もある)がよく見られるが、これも外国の話だと割り切れば、わかりやすくて、気にはならない不思議(日本映画でコレやられると、わざとらしくて鼻白む)
笑いあり、涙あり、勧善懲悪の正月に観るには、ピッタリの娯楽映画(韓国映画らしく容赦ない暴力もあるが…)
唯一のイケメン俳優が大谷翔平似(元締め役は元ベイスターズ、ドラゴンズの谷繁似)だった…オワリ!
単館なのはもったいない(途中からネタバレ)
年納めは韓国映画(年の初めも「宝くじ」だった)。たまたま予告編で見て主題がおもしろそうと思い鑑賞。
何よりも普通のおばさんたちのやりとりがいい。自宅を焼け出され、再建資金の融資で巨額詐欺にあった上、虐待疑いで子から引き離された主人公のシングルマザー、面倒見のいい同僚(チンタオに妹がいる)、若いドルオタ(カメ子)。それぞれキャラが立っていて、言葉はぶっきらぼうでわちゃわちゃしつつもお互いへの温かさが感じられる。
一方、詐欺グループの方は若者を国外に連れ出して監禁、容赦ない暴力で服従させて掛け子とし、逃げようとすれば簡単に殺すのが恐ろしい。(韓国映画で最近よく見るモチーフだが、日本でも「殺された」という話が聞こえないだけでフィリピンやカンボジアで起きているか)
以下ネタバレ
警察は、被害者が他にも多くいることは認知するが、犯人グループまでたどれないとして捜査を進めない。
そこに最初に主人公を騙した掛け子が、グループから逃げたいために彼女に連絡してくる。彼女は断片的な情報からチンタオで彼が監禁されている可能性のある建物をピックアップし、現地で拠点を見つけようと計画する。
こんな犯罪集団相手に乗り込もうとまでするのは、カネを得て住む場所と育児環境を取り戻さない限り子を返してもらえないという絶望と切迫感から。犯人側からカネを取り戻せなくても、振り込め詐欺犯の情報提供で国から報奨金1億ウォンが出るという公報も背中を押す。
そして実際に現地に入るが、ここで「おばさんチーム無双」とならないところがよい。彼女たちのやることはあくまで一般市民として(営業を装って)一軒一軒探して回ることであり、住所が特定できれば韓国警察が中国側に捜査共助を要請して逮捕できるという見積もりである。そこから先の展開は偶然の産物ではあるが、おばさんたちについては蛮勇とは感じても「いやそれはないだろ」とまでは思わせない匙加減が絶妙。(その分、掛け子氏や韓国の捜査官の行動にやり過ぎ感・ご都合主義感は若干あるが)
2016年の実際の事件を元にしているという。(組織犯罪とは描かれていなかったが)報復されないか心配に感じた。あと、報奨金は今も支払われていないというのが切ない。
都内で1館のみなのが信じられないほど、とてもおもしろいのでハコが増えてほしい。
彼女の意地と度胸と根性に拍手喝采
韓国映画って実際に起こった犯罪をベースにした映画が多い印象がある。特異な事件が多いのか、映画にするスピードが早いのかはわからないが、その手の映画が結構面白かったりすることは確かだ。
本作は、詐欺にお金をだまし取られた女性が、自分で詐欺集団の元締めを探し出すというもの。この設定がパワフルでとても韓国っぽい。しかもそれが事実を元にしていることに驚く。もちろん一般市民が1人で詐欺集団の元締めにたどり着くことは難しく、警察や詐欺集団側からの情報提供者、中国語のできる同僚なんかの助けを借りる必要がある。彼女を応援しサポートする人たちの働きがチームものとして面白くなる要素。
おばちゃんたちがワーキャー騒ぎながら問題を解決していく姿は楽しい。ああいう韓国映画の笑いはとても好きだ。序盤は意外と退屈な展開だったが、中盤以降は笑いとスリルの配分が絶妙で飽きることなく最後まで楽しく鑑賞することができた。最後に見せるドッキの意地と度胸と根性に心の中で拍手喝采。彼女の泥臭いのにカッコいい姿はとても印象に残る。海外に拠点を置いた犯罪集団が起こす事件は日本でも多発しているだけに、気持ちのいいスッキリした終わり方だった。やはり実話をベースにした韓国映画にハズレは少ない。
スカッと爽快、拾い物的良作
宣伝もなく、上映館も少ない。何かというと美男美女が出てくるのが韓国映画なのに、主役はおばちゃんたちで、スター俳優も出ていない。(こちらが知らないだけかもですが)
・・・てな感じで、さほど期待してませんでしたが、これが思わぬ拾い物。最初から最後まで、食い入るように画面に集中してました。
詐欺集団とその被害者というのが、昨今日本でもあるあるなので、すごく身近なテーマとして、まずぐいっと引き込まれる。次に詐欺集団に軟禁されている若者からのSOSで被害者のおばちゃんが捜査まがいの行動に出る。そんなことあるわけないやん、じゃなくて、そうせざるを得ない状況が描かれていて説得力がある。まあ、事実に基づいているとのことなので、そこは当然ですけど。舞台が青島に移ってからのスリリングな展開も、無駄なく、やり過ぎ感もなく、実に上手く描かれていると感じました。しかも適度にユーモアを盛り込んでいるのが、おばちゃんたちを主役にしているせいか、ワザとらしく感じない。自然に笑ってしまう感じ。かつ、どうなるのか結末までハラドキ感が止まらなかった。
あえて難点を指摘すると、空港のトイレなんて人の目につく場所で、元締めがあんな風に自分で直接殴る蹴る、というのはあり得ないと思いました。もっと目立たないようにやらないと。あれじゃあ、捕まえてくれと言ってるようなもの。でも映画的には、それによって被害者の怒りとワルの非道さ加減がよく伝わるシーンにもなっているので、シラケたわけではないです。後で思い起こして気がついたのであって、観ている間はこちらも熱くなっていました。
とにかく、今年の締めくくりにふさわしい、スカッとする映画でしたが、単に爽快なだけでなく、今般の闇バイトのように、被害者も加害者を酷い目にあっている現実を考えさせられる。この映画のように本当のワルが捕まることを祈るばかりです。
それ以上
疾走感と人情
振り込め詐欺の親玉を、市井のシングルマザーが
追い詰めていく~サスペンスコメディ
あまり長い 映画は苦手。
これは2時間弱、見に行くのに
二の足を踏んでいたが、
これは飽きることなくテンポ良く
ラストまで疾走できた。
これを日本で作ると
ぜったいキレイな女優を主役に据えそうなところ
子供2人の年齢から考えると
『若めのおばあちゃんじゃね?』くらいの
老け感たっぷりの中年女性が主役。
それだけでもリアリティたっぷり
また、美術も素晴らしく
青島のコールセンターは
九龍城を撮った写真集や
「スワロウテイル」を思い出す。
『悪いことをしたら謝る』
と言うのは、お国柄なのか。
一つ一つ決着を付けていく
主人公に 見ごたえスッキリ。
自分的には 主人公の同僚!
まだ新人時代のmonsta Xのオタク設定で
CD何十枚と積んで 望遠レンズで
ミスをしつつも詐欺グループを
文字通り援護射撃するのが良かった。
でも、何故monsta Xだったの?
ジリジリ・イライラからのハラハラ・ドキドキ
さて、2024年も大詰め。(恐らく?)本年最後の劇場鑑賞作品は「みんな大好き、ラ・ミラン」が主演のこちら。公開2週目の会員サービスデイ、シネマート新宿の9時40分の回はそれなりの客入りです。
韓国で実際にあった事件をモチーフに作られたフィクション、と言うことですが、今回も前情報なく観始めた私。それでも、すぐに状況を理解できる序盤の展開はとっつきやすくて期待が膨らみます。そこからしばらくはジリジリ・イライラが続くために観ていてしんどくはありますが、中盤にある「劇的な事柄」をきっかけに舞台を移す後半戦は一転してハラハラ・ドキドキで、前半の我慢からの反動もあって最後の最後まで熱く、そして夢中になります。
内容、構成、演出どこをとってもレベルの高さを感じる本作の監督、脚本を務めるパク・ヨンジュ(Park Yong-ju /박영주)の巧さが光ります。女性監督のようですが、バイオレントシーンは「レイティングG」の範囲で十分に怖さや痛さを感じられ、そこは流石の韓国映画。ちなみに、日本で観られるパク監督の長編作品は恐らく本作が初で、またあまり日本語の資料も見つからず、日本語表記もFilmarksでは「パク・ユンジュ」とサイトごとにユレありますのでご注意を。
そして、今作でも裏切らないラ・ミラン。今回は主演と言うこともあり、終始大きな声で縦横無尽に駆け回るドッキにクラクラしますが、そんな彼女をフォローしながらコメディリリーフの役割も担う相棒ボンリム(ヨム・ヘラン)、スクジャ(チャン・ユンジェ)、エリム(アン・ウンジン)がチームとなることでアゲ要素が高まって最高。パク刑事(パク・ビョンウン)との電話越しの掛合いは思わず声を出して笑いそうになります。
日本でも毎日のように話題となる組織犯罪と闇バイト。テレビのワイドショーでなど観るより具体的で生々しく、犯罪に巻き込まれないための注意喚起としてはより効果的。「世の中、上手い話なんてない」なんて達観したふりしている場合じゃありません。エンタメとしてもとても優れていますので、興味があれば是非。
『密輸1970』が大好きだったのでこれも好きそうだな~と思って鑑賞...
一般女性が特殊詐欺グループのアジトを見つけ出し、主犯格の男の海外逃亡を食い止める韓国映画。 本年度ベスト!!
実話ベースのフィクション映画。
詐欺で奪われたお金を取り戻す為、身の危険を感じながら勇気ある行動をするドッキに心を打たれた!
自分のクリーニング店が火事になりクリーニング工場で働き2人の子供と工場で寝泊まりするドッキ。
そんな中、特殊詐欺で日本円で340万円位のお金を取られる展開。
警察では相手にされず詐欺グループの居所が解らなければ捜査が出来ない状態。
特殊詐欺グループの銀行員のソン代理と名乗る青年にお金を奪われたけど、その青年から再び電話が。
特殊詐欺グループは若い人間を誘いアジトに軟禁させ無理やり詐欺をやらされている感じ。
仕事をしなければバットで殴られ、逃げ出そうとすれば殺される劣悪な環境。
ネタバレになるので詳しい事は書けないけど、そんなストーリー。
終始緊張感のある展開に加え笑いもありバランスよ良い脚本。
ドッキがクリーニング工場の仲間と中国に乗り込み詐欺グループのアジトを探すんだけど70店舗以上あるお店の看板を頼りに探すシーンが笑えるも緊張する。
詐欺グループのソン代理と名乗る青年の勇気ある行動も素晴らしかった!
ラストの空港でのドッキの勇気ある行動も素晴らしい。
あそこで詐欺グループの主犯格の誘惑に負けない決断が素晴らしい。
最初は警察の刑事と仲が悪かったのに最後でバディーの様になった関係も良かった。
韓国映画では珍しく登場人物に美しい女性は登場しなかったけと大満足の作品でした( ´∀`)
韓国の闇バイトの実態と勇敢なシングルマザー
可もなく不可もなく
母は強し
諦めないこと 回収の基本
注意喚起映画となるか、対岸の火事となるかは、観る人のマインド次第かもしれません
2024.12.19 字幕 アップリンク京都
2024年の韓国映画(114分、G)
2016年に実際に起きた出来事をベースにした特殊詐欺グループとの奮闘を描いたクライム映画
監督&脚本はパク・ヨンジュ
原題は『시민덕희』、英題は『Citizen of a Kind』で、ともに「稀有な存在の市民」という意味
物語は、韓国の京畿道に住むシングルマザーのドッキ(ラ・ミラン)が、一向に振り込まれないお金に苛立ちを見せるところから描かれる
ドッキは経営していたクリーニング店が火事になって、幼い息子フン(クォン・ウンソン)と娘ミンジ(イン・ハビ)を託児所に預けて、クリーニング工場で働いていた
同僚には中国から移住してきたボンリム(ヨム・ヘラン)と、アイドルの追っかけをしているスクジャ(チャン・ユンジュ)がいて、彼女たちはドッキの行く末を心配していた
ドッキは華城銀行のソン代理(コンミョン)から多額の融資を受ける約束を取り付けたが、手数料を先に支払うという条件を鵜呑みにして、合計8回、総額3200万ウォンもの大金を支払っていた
だが、ソン代理との連絡は途絶え、やむを得ずに銀行へと殴り込みに向かった
ソン代理を見つけるものの、そこに居たのは別人の銀行員・ソン・ジョヨン(キム・ヨンギュ)で、ようやく騙されたことに気づく
ドッキは警察に被害届を出すものの、「詐欺だと気づかなかったのですか?」とバカにされ、担当のパク刑事(パク・ピョンウン)はまともに捜査を始めようとしない
彼は「相手の居場所がわからないと動けない」と言い、「拠点を海外に移していたりすると、さらに捜査は難航する」と告げた
そして、「高い授業料だと思って」と嗜められてしまうのである
そんな折、再びソン代理から電話が入った
それは「情報提供をするから警察に通報して」というもので、作業場の向かいにあるレストランの名前と、倉庫内の物品の特徴を伝えた
ドッキはその情報を持ってパク刑事に掛け合うものの、それだけでは足りないという
そこでドッキは、単身で中国・青島に乗り込んで、居場所を突き止めようと考える
通訳のためにボンリムに協力をお願いすると、彼女の妹エリム(アン・ウンジン)もその話に乗ることになった
そして、来なくても良いのに、スクジャまで付いてきてしまうのである
映画は、実話ベースのフィクションになっていて、モデルのキム・ソンジャは「情報提供を行なっただけ」となっている
彼女は青島に行ったこともなく、無論元締めと対決したということはない
さらに映画公開時点では、情報提供に対する報奨金は支払われていなかった
最近のニュースでは、ようやく半額の5000万ウォンが支払われたというものがあったが、それ以上にこの事件に関する情報はなかなか出てこない
結局のところ、闇バイトのように集められたソン代理ことクォン・ジェミンは、脱走しようとした仲間が殺されたことで何とかしたいと考えていた
そこで、現場管理の人間を抱き込んで、多くの情報を提供することになった
そして、それがきっかけで韓国警察が動くことになったのだが、実際には中国の公安は動いていないという
なので、かなり脚色の入った内容になっていて、エンタメに全振りしているのである
いずれにせよ、クライムミステリーとしても面白く、闇バイトの囲いこみ、特殊詐欺の手口などが詳細に描かれていく
実際に提供された情報や、それ以外で入手できた情報を元に構成されているので、かなりリアリティのある作品になっていた
映画は、かなりエンタメに振っていて、勧善懲悪的なものになっているので、それを含めて楽しむ作品になっていたと思う
コメディシーンもあって、そこまでダークに統一されていないので、構えて観る必要はない
残念なのは、パンフレットが作られていないことで、補完する情報がほとんどない
なので、気になる人は韓国語版映画のWikiから色々とリンクを辿ってみるしか方法はないと思います
全36件中、1~20件目を表示