劇場公開日 2024年11月8日

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「この季節の新定番!クリスマス&アクション」レッド・ワン しゅわとろんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5この季節の新定番!クリスマス&アクション

2024年11月24日
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鑑賞方法:映画館

攫われたサンタクロースを救え!という、何ともエンタメ性の高そうな予告編に惹かれて鑑賞。待っていたのは極上のクリスマス・エンターテイメントムービーであった。

クリスマスを目前に控えたコードネーム「レッド・ワン」ことサンタクロースが、突然何者かによって拉致される。彼を支える妖精のリーダー・カルは、図らずも拉致の片棒を担いでしまった追跡屋のジャック、そして協力者たちと共に、サンタを救うべく世界を股にかけた大冒険に出発する。サンタを狙う敵の目的とは何か?そしてカル達はサンタクロースとクリスマスを取り戻す事が出来るのか?……というのが粗筋だ。

まず世界観からして興味を惹かれる。まるでマーベル映画のような超技術やカッコいいガジェット達と、ドワーフをはじめ妖精やモンスター達のいるファンタジックな世界が共存する、奇妙だが心躍る画面。
他にもおもちゃを本物に変えるガントレットや、世界中のおもちゃ屋と繋がるワープゲートなど、非常に夢のある世界観だ。

ストーリーは単純明快だが、それ故に小難しくなく中だるみもない。冒険でサンタの手がかりを見つけ、そこからまた新たな場所へと赴く。CGを惜しげもなく使ったアクションもさることながら、ピンチを切り抜けるギミック、サンタの「良い子・悪い子リスト」を上手く使った「人は変われる」というテーマ、そして次第に良きバディとなっていくカルとジャック。テンポもよく、非常に見やすく纏まっている。一部に少々のご都合主義は感じるが、ライブ感に任せていれば気になるほどの事はない。
そして何より私が気に入ったのはサンタがプレゼントを配るシーンだ。ネタバレの為詳細は伏せるが、サンタクロースの話をする際にありがちな「一晩で配れるの?」「世界中のプレゼントをソリに積めるの?」といった突っ込み所に、現代のCG技術とロマン溢れる描写を以て全力で応えている。あれほどまでにカッコいいサンタクロースの映像は見たことがない。

豪華なキャストに王道で楽しいストーリー、迫力のアクション。「エンタメとはかくあるべし」を渾身で叩き付けてくるような映画である。個人的には「ホーム・アローン」等に続く、クリスマスの新たな定番映画として加えても良いレベルで気に入っている。クリスマスの時期を感じられる映画としては、これ以上ない良作エンタメだろう。

しゅわとろん