「クリスマス・シーズンにピッタリな、ウェルメイドなファミリー・ムービー」レッド・ワン tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
クリスマス・シーズンにピッタリな、ウェルメイドなファミリー・ムービー
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これまで、サンタクロースを描いた映画は数多くあったが、その警護隊長を主人公にしているところが斬新で、その「着想の妙」に唸らされた。
謹厳実直な警護隊長と、荒んだ生活を送っていたハッカーが、協力してサンタの行方を捜すという、バテ・ムービーとしても見応えがある。
手掛かりを頼りに世界中を駆け回る追跡劇には、スパイ映画のような面白さがあるし、ドゥエイン・ジョンソンならではの派手なアクションも楽しめる。
敵の魔女にしても、単純な「悪の化身」ではなく、「悪い子を懲らしめる」ために正義を暴走させているという役どころで、むしろ共感や同情の余地さえ感じられる。
ダメ人間だったハッカーが、警護隊長を見捨てずにその場にとどまり、一緒に戦うという「選択」を通じて、真っ当な人間に生まれ変わり、疎遠だった息子との絆を取り戻していくという過程や、サンタとその弟が、魔女との戦いを通じて関係を修復する様子には、予定調和とは言え、やはり胸が熱くなった。
さらに、人間不信から職を辞そうとしていた警護隊長が、ハッカーの中に子供の頃の純真な心を見い出し、人間に対する信頼を取り戻すことによって、警護隊長を続けて行こうと思い直すくだりには、そうなるとは分かっていても、思わず感動してしまった。
大人も子供も楽しめて、観た後に、少し優しい気持ちになれる、クリスマス・シーズンにピッタリのファミリー・ムービーとして、とてもよくできていると思った。
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