サラリーマン金太郎【魁】編のレビュー・感想・評価
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男も惚れる金太郎!
公開週は他の作品を優先してしまって時間が取れず、このまま配信待ちにしようかとも思ったのですが、今週は時間が取れたので、やっぱり観るなら劇場でと足を運んできました。公開2週目だというのに1日1回上映で観客もわずか4人で、早くも上映終了となりそうな感じですが、作品はとてもおもしろくて大満足です。
ストーリーは、大間のマグロ漁師だった矢島金太郎がひょんなことからヤマト建設に入社して、会社を私物化する大島社長の解任までを描いた前作に続き、九州の地熱発電所のプロジェクトを任された金太郎が、下請け会社のボイコットや地元住民の反対運動に直面する中で、その背後にある問題に気づき、持ち前の正義感と腕っぷしでさまざまな問題に体当たりでぶつかっていく姿を描くというもの。
前作に引き続き、男気あふれる金太郎の姿がとにかく熱いです。前半は工事をボイコットする下請け会社の説得、後半は反対運動を展開する住民との和解、そしてその裏で糸を引く黒幕への殴り込みと、どれもなかなか見応えがあります。
金太郎一人の活躍で全てがうまく運びすぎている気はしますが、それは金太郎に冴えわたる策があってのことではありません。むしろ己の信念に従い、無策で相手の懐に飛び込む、彼の真っ直ぐで誠実な思いに人は皆ほだされるのです。そういう目で見ると、全てがご都合主義なのではなく、全ての人が金太郎に惚れ込んだ結果なのだと思えてきます。
ラストは、それが熱く描かれたシーンで、金太郎の男気に魅せられた男たちの熱い姿が心を揺さぶります。ベタな展開のベタな演出かもしれませんが、こういうわかりやすく真っ直ぐな思いや生き方こそ、今の時代に必要なのではないかと思わされます。
SNS全盛でコスパだタイパだと、見栄えや損得ばかりを優先させる現代において、金太郎の生きざまはまさに真逆。でも、人の心を動かすものは、やはり人の心です。そこに古いも新しいもありません。古き良き昭和のノスタルジーと揶揄することなく、金太郎から真摯に学びたいものです。
感化されやすい自分は、さっそく明日から職場で熱く振る舞いたいと思うのですが、きっと勇気がなくてできないでしょう。それゆえによけいに憧れてしまいます。でも、できる時にできることから始めて、うちも同僚や部下を家族と言い切れるような職場にしたいものです。
主演は鈴木伸之さんで、武骨さがちょっと足りない気がしますが、今後もこの役が続けばますますピタリとハマってくるのではないでしょうか。脇を固めるのは、城田優さん、石田ニコルさん、草川拓弥さん、水谷果穂さん、勝矢さん、本田博太郎さん、尾美としのりさん、浅野温子さん、榎木孝明さんら。中でも、尾美さん、榎木さんは、金太郎に負けず劣らずの揺るぎない信念と男気を感じさせる演技がさすがです。
今の日本に必要な人材
やっぱりスゲー金太郎
まるで炭酸。
東京の飲み屋で知り合った周りからの嫌われ者だった謎の婆さんこと中村加代が実力者、その加代から地熱発電所プロジェクトを任されることになる矢島金太郎の話。
九州建設現場に入る金太郎だったが、下請け会社の“作業放棄”、地元住民からの“建設反対”と困難にぶつかる金太郎だが…。
観始めて早々イラっとくる下請け会社のボイコット、仕事せずに酒と、その光景を見てキレる金太郎に…、殺っちまえ!と思う前に動いてくれる金太郎!(笑)
とりあえずふんぞり返ってる下請けの社長!…と殺り合うけれどアッサリ負けって…どういうこと!?(笑)
下請け、地元住民との難が解決と思えば、建設中止と…、話が進めば表と裏社会に顔が効く三田が現れ、その三田のせいで建設中止と知り、その三田家に殴り込みへと行くけど気持ちいい!色々作品観てるけど、ここまで爽快、気持ちいい、面白い!と思える作品は中々ないかも。
またこのキャスト、鈴木伸之の金太郎で新作映画、TVドラマシリーズとやってほしい!必ず観る!
サラリーマン金太郎魁
んー!!いい!!伸之くんカッコいい!会長と社長、ばあちゃんが金太郎を守るとこ、泣けました…。ホント、いい映画なのに、暁同様、公開したばかりなのに何で1日1回の上映しかないのー?もっとたくさんの人に観てほしいです!!
意地
続編作ってくれぇ
金太郎、初の大仕事が、前作にも増してアツい!
風車も太陽光も海外資本で、環境も風光も破壊し裏から日本を乗っ取る流れにある実際の日本の現状を背景に、火山国・日本独自の地熱で挽回を図ろう、というまさしく熱い展開。
ところが経済的および政治的な圧力がかかり、下請けのサボタージュと地元の無理解が立ちはだかる。まさかの退任した元社長・大島源造(橋本じゅん)の置き土産。
遂に登場したフィクサー三田善吉(本田博太郎)と、中村加代(浅野温子)の理念バトル。
やっと役者がそろった感じだ。
一本気と腕力だけが頼りの金太郎( 鈴木伸之)は、どう立ち向かう?
今回は、前にも増して人情と覚悟がポイントとなっていた。ともあれ、やはり退かないアホは何よりも強いということを改めて悟らされた。自分自身を省みさせられ、襟を正される。
地熱発電編は今回で完結だが、金太郎の人生はまだまだ続く。
ライバル鷹司(城田優)の暗躍と流転、そしてその先。
ヒロインたる銀座のママ末永美鈴(石田ニコル)および本社の同僚・前田一美(影山優佳)との、今後の関係も気になる。
ちなみに話としてはこれだけで完結しているので、前作を未見でも大丈夫なのが凄い。
まあ、寅さんとかの一話完結を見習っている感じ。
老若男女すべてを受け容れる懐の深さもよいのである。
「命なくてもいい」
【”男の器”地熱発電所建設を任された金太郎が、色々と奮闘するお話。政財界のフィクサーを演じた本田博太郎さんが、良い味を出しています。金太郎は今作でも男女に関係なくモテモテです!】
<Caution!内容に触れています。>
■第一作目は、ヤマト建設を牛耳ろうとする極悪社長を演じた橋本じゅんさんが、大変すばらしい悪役振りで、その企みをぶち破った金太郎とその仲間達の姿に、カタルシスを覚えたモノである。
今作では、極悪男だと思った政財界のフィクサー、三田善吉を演じた本田博太郎さん(「京都人の密かな愉しみ」でファンになった。あの、ねっとりとした話し方が好きである。序に言うとお若い時の写真を見ると、物凄いイケメンである。)が、実は日本の先行きも考えて、敢えて地熱発電所建設を反対させて、日本国民に”原発と火力発電だけでは駄目だ!というメッセージを出そうとしていた”という流れが、少々強引であるが、説得力はあるなあ。
金太郎は、今作でも工事に反対していた人たちや三田を、その真っ直ぐで信念を貫く姿で魅了していく。この作品は金太郎のキャラクターで成り立っている事が良く分かるのである。
尚、まだ、ベトナムに出向させられた鷹司(城田優)が、じゃじゃーんと控えている。あの全て木で作る壮大なプロジェクトの話はどうなったのかな?第三作はあるのかな?
それにしても、今作は大手ゼネコンが協力しているが、ゼネコンって今でもちょっとミスすると、一時的に海外の子会社に出向させて、ほとぼりが冷めたら本社に戻すなんてことをやっているのかなあ。
<次作では、今作でも描かれた下請け法違反(下請け業者に工事代金を払っていなかったって、その事が明らかになった時点で社長、会長は馘でしょう!コンプライアンス緩いなあ。)などを含め、是非とも、金太郎に大手ゼネコンの闇をぶち壊し、働き方改革を進めるアツい話をお願いしたいところである。以上!>
日本の現状を示した大変共感できる内容だ
前編を観賞済みなので、観てきました。今回は地熱発電所の工事現場が舞台になりますが、温泉旅館も出てきて、入浴シーンもあり旅行気分になれます。
大和会長の下請けは家族であり、社員は子どものようなものだと語る2つの場面に大変共感しました。現在、某テレビ局で社員を性接待や捨て駒にしている疑惑が報じられているため、なおさらです。本当に今、日本は起承転結の結の部分にさしかかっていると思います。
鷹司(城田優)の全て木を使ったプロジェクトだけ謎のままで終わったので、少し気になるところです。
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