秒速5センチメートルのレビュー・感想・評価
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胸の奥がキュッとなったまま余韻に浸れる名作です。
思い出す瞬間がある。景色だったり匂いだったり音楽だったり・・・
自分はラジオから流れてくる、その時聴いていた音楽で記憶が蘇ってくる事が多いかな。
でもその記憶って良かったことばかり・・・脳が都合よく美化してくれているのかな・・・
家に帰ってもなんだか胸の奥がキュッとなったままで、あの頃が浮かんでくる、そんな映画でした。
実写化らしいが、アニメは観てません。
上映中、何度も心が解放されそうな瞬間がくるのですが、叶わず。これが思い出と言うものなんだろうなっと自分に納得させ、映画館を後にしました。
松村北斗って良い役者ですよね。映画に選ばれているのか、この人が出るから良い映画になるのか・・・
蘇る淡い記憶、そして未来へ…
カブに乗ったりサーフィンをする澄田花苗にアニメ版では思い入れはありませんでしたが、今作で森七菜さんが新しく命を吹き込んでくれました。
美女が勢揃いで、顔のアップが多めの映画でした。
ヒロインを演じた高畑充希さんと森七菜さんは『国宝』で吉沢亮さんとラヴシーンを撮った二人。今作でも主人公とそうなる可能性はありましたが、遠野貴樹(松村北斗)はそういう男ではないのでした。水野理紗さんが扮する木竜麻生とも何もせず、澄田花苗の姉(宮﨑あおい)と二人で酒を飲むというシチュエーションがありながら何も発展はせず、それが遠野貴樹という男なのであります。
恋に破れ続けた『男はつらいよ』の車寅次郎の足取りを追っていく満男(吉岡秀隆)のように、小川館長(吉岡秀隆)の足跡をたどりそうな遠野貴樹でした。
近くにいるのに、会えそうで会えないすれ違いが面白かったです。
遠野貴樹の未来に期待することにします。
プラネタリウムのシーンは、映画館とリンクしていて臨場感がありました。
2009年が舞台で、さらに過去のシーンが大半を占めてる思い出を見るような、ノスタルジックな雰囲氣があります。
パンフレット中の「天文手帳'92」が良いです。
鑑賞後、思い出して心がギュッとなって涙が出る作品です。
美しさに酔って、核心を見失った映画
久しぶりにスクリーンで宮﨑あおいを見た。
年齢を重ねていた。当たり前だが、宮﨑あおいも歳をとるのだと実感した。
そして、同じ時間を生きてきた僕らもまた、あの「秒速5センチメートル」という映画の登場人物と同じように歳をとった。だからこそ、この実写版には期待してしまった。アニメ版が描いた“時間に置いていかれる痛み”を、いまの時代でどう再構築するのか。その答えを見たかった。
結果的に、私はこの実写版に期待しすぎたのだと思う。
アニメ版が放ったあの「痛みの静寂」、時間と記憶がすれ違っていく切実な美しさ――それを現代的な映像技術で再解釈する、という触れ込みを聞いた時、誰だって胸が高鳴るだろう。だが、結果的にこの映画は、美学を再現することに成功したが、情緒の再構築には失敗した。新海誠の作品世界を“表層的な映像詩”として理解したまま、構造的な悲しみの仕組みを見落としてしまった印象だ。
まず、時代感の扱いが中途半端だ。アニメ版が2000年代前半の通信文化――手紙、PHS、ガラケー、そしてドコモタワー(ドコモ代々木ビル)の風景――を象徴的に配置し、「つながらない時代の痛み」を描いたのに対し、実写版はスマホ時代との折り合いをつけきれない。
登場人物の持つ端末がauのezwebだったり、背景にドコモタワーがそびえていたりと、時代をまたぐ“過渡期”のリアリティは確かに正確だ。だが、観客にそれを意識させる導線がない。つまり、作り手の中では「通信の変遷」が物語の重要な背骨であるはずなのに、それが映画のリズムとして立ち上がってこない。結果、「懐かしさ」と「古臭さ」のあいだで宙吊りになった。
そして、もっと致命的なのは、「言葉の間」に宿る情緒が抜け落ちていること。
アニメ版で新海監督が描いた“間”――数秒の沈黙、メールを打ちかけて消す指の動き、降りしきる雪の音――には、観る者が自分の過去を投影できる余白があった。ところが実写版では、説明的なセリフと演技がその余白を埋めてしまう。監督は誠実に物語を再現しているのだが、観客が想像で埋める余地を失った瞬間に、この作品は単なる失恋映画に後退した。
映像は、確かに美しい。光の粒子の描き方、風の質感、夕暮れに沈む街の空気――どれも一級品だ。だが、その美しさがどこか“義務的”。これは、Instagram以後の映像感覚の罠でもある。すべてが美しいが、どこにも焦点がない。美しさを重ねれば重ねるほど、物語の輪郭がぼやけていく。新海監督作品の本質は「風景の美」ではなく、「風景の中に取り残された人間の孤独」である。そこを履き違えている限り、どれだけカメラが精密でも、観客の心をえぐることはできない。
もちろん、実写化そのものを否定する気はない。
むしろ、新しい世代に“秒速”の世界観を伝えるという意味では、意義はある。俳優たちの演技も悪くない。ただ、どこか「誰もがわかる感動」に寄せようとした結果、原作が持つ繊細な温度差が失われた。
秒速5センチメートルというタイトルは、「桜の花びらが落ちる速度=人が別れを受け入れる速度」の隠喩だ。だが実写版の貴樹と明里は、あまりに説明的に“別れを受け入れて”しまう。観客に「この二人はもう戻らない」と悟らせる構成があまりに直線的で、詩ではなく報告書のようになっている。
結局のところ、この映画は「思い出を再現する映画」にはなっても、「思い出を更新する映画」にはならなかった。つまり、過去の名作に敬意を払いながらも、その“痛み”を現代の文脈に翻訳しきれなかったということ。映像の美と音楽の感傷に酔いしれたまま、肝心の“秒速”――人の心が変わる速度――を見失ってしまった。
静かに、琴線に触れ続けている
原作のアニメ映画は未見です。
なので元々の作品ファンの方にとっては気になる箇所もあるのだと思いますが(自分が原作ファンの作品はそうなりがちなので)、少なくとも初見の私には無理な改変や要素は感じられず自然に物語を追うことが出来ました。
まず俳優陣の演技が良かった。
とても自然で、喋り慣れていない人が言葉を選びながら話す時の話し方、繊細な仕草や表情。言葉で多くを語りすぎない、静かな心の動きが伝わってきました。
小学生の頃の淡い恋の思い出、
遊びながら帰る住宅街の通学路、
他愛無い話題で溢れた手紙のやり取り、
親には秘密の待ち合わせ、
意味もなく寄り道したコンビニ、
心に折り合いをつけるためにただ泣きじゃくるしか方法を知らなかったこと
映画を見ながらふと自分のことを思い出してしまう、考えてしまう。そんな心の琴線に触れる瞬間が幾度もありました。映画を観た人の誰しも、どこかに共感できる箇所があるのではないでしょうか。今となっては愛しい学生時代。そうして少し、子どもの頃の自分にちゃんと向き合える大人になっているのかと、幼い遠野くんの言葉に不安になります。
何度も何度もすれ違い、出逢いそうになってはまた離れる二人。転勤族の孤独な小学生たちの出会いは0.0003%の奇跡で、二度目の奇跡はなかったけれど、どれほどかけがえのないものだったか。彼らの日常に、あるいは約束の場所へ駆け出す衝動に、見出すことができました。
お互いに忘れることなく、ただ果たされなかった約束。ロマンチックでドラマチックな恋愛ドラマのように、約束の桜の下で再会することも、踏切の前で待ってることもなかったけれど、だからこそとてもいろいろな感情を引き出され、観終わった後の余韻からなかなか抜け出せない作品と感じました。
さくらの落ちるスピードは秒速5cm
小説とかは読んでないので映画で初めてです。
最後大きな木で出会いラブな感じで終わるかと予想してたのですが全然違いました。
でも、、それもそれで儚い感じがあってとても良い !
見たかった映画なので楽しめました🥴
後年たまさか目にした人の琴線に静かに触れて忘れ得ぬ余韻となるような映画
完成披露試写会で拝見。公開初日に再見。帰り道に見た空を美しく感じるような、まっすぐ帰宅してしまうのが、日常に戻るのが惜しくなった。それ程に美しくて残酷で素敵な作品だった。
奥山監督が口にされた「誠実で切実」がまさに正鵠を射ていた。
物語としての起伏やあっといわされる瞬間はほぼない。ヒトの人生を誠実に描けば普通そうである。カタルシスを求める人の需要には見合わないかもしれない。
映像は終始、記憶の中のように少し靄がかかっていて、物語を追うよりも折々の遠野貴樹と篠原明里、それを取り巻く人達の感情を追体験する、あるいは関連した自分の感情を想起させられる。そして、目の前にいずとも”同じ物を飲んで、その感想を聞きたい”相手の存在が「思い出ではなく日常として生き続けている」ことや、幼い2人の切実さに胸が痛くなる。この作品は、例えば後年たまさか目にした人の琴線に静かに触れて忘れ得ぬ余韻となるような映画だと思う。
PCにばかり向かっている人ならではの肩甲骨が開いて上背部が丸くなり左肩の落ちた背中。目、鼻、口…顔を構成する要素が全て縮まってしまってたかのような世に飽いた顔貌。身も世もなく泣く姿…全身でその人間のおかれた状況、内心、特に諦念、焦燥、鬱屈、屈託を顕在化せしめる松村北斗の身体表現能力は相変わらず素晴らしい。が、全編伏し目がちで光を失った目が、あるきっかけで生気を宿していく「たこ焼き」シーンがとにかく凄まじかった。しおれた花が水を得て生気を取り戻していく様を撮影して高速で流しているので例えるのは正解かはわからないけれど。ほぼ動きも台詞もない中、固定したアップの表情がほんの少しずつ溶けて光を得ていく様の素晴らしさ。松村北斗の来し方を知るからこそそこが透けてみえているのか、うけた印象はファンの贔屓目なのか、そういうことを今まで考えてしまったけれど、もうそんなことどうでもよくて、ただ、ただ「人が回復する様」を見て感動していた。
だが、実はこの作品で最も印象深かったのは上田悠斗さんであった。前述の背中の丸さが松村・遠野貴樹と同じ。鼻筋も、少し甘く舌足らず気味になる声(最近松村北斗の滑舌を気にしたことはないから、この作品で冒頭のモノローグから少しその感をうけるのは敢えてなのだろうか)までも酷似している。似せていることだけが素晴しいわけではなく、幼少期の貴樹と明里の綴る、相手への思いに満ちた言葉。電車の音がひどく雄弁に聞こえたのも彼らの綴る言葉の切実さを彼が体現していたからだと思う。さらに、その切迫感あればこその、次なる青木・遠野のどこか達観したような感じ、松村・遠野の世を捨てた感じに説得力が生まれるのだと思った。
完成披露試写会で観た時には自分には印象をうまく言語化できなかった青木柚さんの貴樹は、初日の鑑賞時思うにやはり、見た目だけだとむしろ玉木宏さん等の系統で全く松村北斗には似ていないし、むしろ高校生としては色っぽ過ぎるくらいの表情で、抜け殻感の強い29歳の貴樹より大人に見えるくらい。それは森七菜さんが恋するJKそのものだったこととの対比からかもしれないけれど。ここにない何か、を見ている18歳の貴樹の存在に説得力あってこその、29歳の貴樹であるだろうから青木さんと奥山監督すごいなと改めて。
そして、実は最も書きたかったことの一つが森七菜さんのことであった。「フロントライン」「ファーストキス」「国宝」、そして本作と、2025年の話題作どの作品にも出ていて主人公に影響を与える役や影響されて変わる重要な役を演じている。それだけで凄まじいことではあるけれど、個人的には本作の澄田花苗が最も素晴らしいと思った。どう表現したらよいのかわからないのだけれど、澄田花苗の、あの時期の女子のもつ溌溂さと内向と切実さと失意と、そういった感情が全て内包されていて「自ずとわかる」のである。森さんが今年演技で賞をうけるのであれば、個人的にはこの役でであって欲しい
白山乃愛さんはもう、360°どこから見ても紛う方なき由緒正しき美少女。上田さん・貴樹の”切実さ”は初演技という彼自身の状況も若干加味されたものだったかもしれないけれど、白山さん演じる明里の”真摯さ”にはプロをみた。プロフィールから本作の撮影時にはドラマ撮影を数回経験されたところだったと推測するけれど、年齢らしい新鮮な美しさに既に大女優の風格すら漂わせている感。さすが東宝シンデレラ。美し過ぎて、ねたまれるのでなければ転校生であっても地味でクラスで仲間外れになる存在とは思えないと思っちゃうけれど(笑)
その白山さんから一足飛びに高畑さんの明里になると、迷いのない、菩薩のような雰囲気すら。原作は敢えて未見なので明里の扱いが若干異なることしか知らないけれど、悩み、惑い続ける貴樹に比べてのこの達観は女性よな、というより高畑さんのもつ要素を反映しているようにも思った。というのもこれまでドラマや映画で拝見する高畑さんからは超越した母性みたいな感じを受ける事が多かったのである。その後のバラエティ番組ご出演の際や2度の舞台挨拶での言動から、さらに菩薩感、達観した感が増していて(笑)。あの、けたけたとあっけらかんとした笑い方と、目の前にはおらずとも確実に自分の土台になっている存在を思い起こす仕草の繊細さ、思い起こしつつ現実的でもあるところ、全部が同じ人間の中から普通に混在して表出されているのがすごい。ただ、明里の夫となった人には何となく同情してしまう。そんな深い強い同年齢の異性の存在を、心中だけのこととはいえ受け入れ難いのではないだろうか。
奥山監督の手になる映像は間違いなく美しいし、松村北斗の「たこ焼き」のあの表情を撮って残して下さったのだけでも大感謝。演技経験の浅い白山さんと上田さんが様々な点で期待以上に素晴らしく(実は自分が泣けてきそうになったのは幼少期パートであった)、二人の幼き真摯さがあってこその青年期の貴樹だから、本作では松村北斗が絶賛されがちだけれど(演技の萌芽期の「ぴんとこな」「TAKE FIVE」辺りから出演作を観てきて、推しとして9年来応援してきた身としては涙が出る程嬉しいことではある)、白山さんと上田さんの才能と努力、そしてそれを引き出し得た奥山監督あってこその作品だと思うのだ。
そしてこの座組を支える方々。実は日本国民みんな大好き宮﨑あおいさんと吉岡秀隆さん。このお二人を私は苦手だったのである。たいした理由はない。今回も配役が明かされていく過程で少々それを思ったことは否定しない。しかし、自分の苦手が一作品で覆ることの嬉しきことよ。岡部たかしさんは「エルピス」や「虎に翼」「新宿野戦病院」「ばけばけ」での一癖ある役の印象が強いけれど、今回のような役の普通の市井の人の温かみもあるのですね。
強いて言えば、堀内敬子さんと戸塚君!もう少し出ていて欲しかった。短時間にピリッと薬味利かせる職人芸みたいでかっこよいとは思うけれど(笑)
アニメ版と較べてしまう
アニメ版から入っているのでどうしても較べてしまうのですが・・・。
・社会人になってからの貴樹と明里のニアミスが多すぎ
理紗とのデートで貴樹が寄った書店で明里が働いていたり、花苗の姉と明里が仕事で繋がっていて、偶然再会した貴樹を明里に紹介しようとしたり、またプラネタリウムのシーンなど「会えそうで会えない」シチュエーションを重ねた意味が不明です。最後の踏切の場面のみで十分と思います。
・なぜ貴樹と明里は文通を止めてしまったのか
アニメ版ではその理由は分からず、もしかして実写版では説明あるかと思いましたが結局明らかにならず・・・普通に考えると面倒になったり新しい恋人が出来たりしたからだと思いますが、特に貴樹はあんなにこじらせるぐらいなら、頑張って繋がっていた方が良かったのではと思いました。
観てよかった!実写版成功!
あの新海誠のアニメの世界観を、実写版にするなんて無謀だと思ったが、見事にやってくれました。松村北斗は素晴らしい!
貴樹と明里のナイーブさを、子役の二人が、高校生では青木柚が、大人になっては松村北斗と高畑充希が見事に演じた。そして高校生の森七菜も良かった。
松村北斗は、自身のナイーブな精神世界が、そのまま貴樹になっているように思えた。
中学生の貴樹が、明里の住む岩舟に雪のなか電車で向かい、やっと辿り着くと明里がポツンとひとり待っていたシーン、雪の中に咲く満開の桜の下でのシーンに泣けた。
プラネタリウムの場面で出てくるボイジャー1号と2号は、貴樹と明里だったのか?大切な思い出を抱きながらも、最後まで会うことが出来ないボイジャーの2機。でも、お互いの想いを永遠に忘れずに生きていく二人だと思ったらまた泣けてきた。
いい映画だった!またひとつ、忘れられない作品に出会えたことに感謝!
白山乃愛と森七菜がひたすら可愛い
なんだろう…めっちゃ共感できるな…
思い出は美しい
原作は未履修で観ました。
ネタバレを避けて書くので抽象的…
まず、美しい。
風景、光、花、雪、思い出が美しい。
その美しさに俳優皆さんが負けない。
視線が、笑顔が、涙が、感情を豊かに乗せていて、それを見事に切り取られていて、全ての時代を切なくも懐かしく、愛しい気持ちで見ていた。私は誰にも感情移入は特にせず見ていたせいか、どこか親のような目線で、それぞれの傷や気付きを見守っていた。
小学生時代の上田悠斗くん、白山乃愛さん、可愛らしい。一途で純粋、素晴らしい。
松村北斗のセリフ外の演技、孤独の空気感、声が、涙がこの映画の純粋さを完成させている、素晴らしいと思った。
最後は何故か自分の周りの大切な物や人を愛しく思える。
清々しい気持ちで映画館から帰りました。
うんうん
アニメ版とは時系列を変えて大人部分を長くした感じですかね。
まぁ新海さんがOKならそれは良しとしましょう。
個人的にはアニメ版の小→中→高→大人の流れが主人公貴樹の心の成長と停滞を見事に表していて良かったなと思いましたが、全く同じに作っても意味がないということでしょう。
この映画の中では印象的な言葉がいくつも出てくるが、今回見て特に印象に残ったのは中学生の時に岩舟駅で会い翌日電車を見送る時に明里が言った「貴樹くんはこの先も大丈夫だと思う、絶対」と言う言葉だった。
アニメ版でも同じセリフがあったと思うがその時はその重要性に気付かなかった。
これって別れの言葉だったのですね。貴樹は「手紙書くから!」と未来を信じていたが明里は既にこの時にこれが最後になると悟っていたとは。。
気付かなかったのは不覚でした。
貴樹はその後も明里のことが心から抜けず恋愛にも消極的で覇気のない青年になっていく。
明里のその後の学生生活はどうだったのだろう。
同じような葛藤はあったと思うが貴樹ほどではなかったと想像される。
このあたりが男性と女性の違いなのかな。
男はどこまでもウジウジした生き物だ。
今回は実写化して十分意味のある作品だと思う。
各キャストの演技も申し分ないと思った。
特に小中の明里を演じた白山さんはやばいですね。
この歳で妙な色気があるというか。。大物になりそう。
何でこうなったのかな
ところどころ、響く部分があるんだが、いまひとつ全て繋がって、答えにならないような感情である。よって映画の評価がわからない。ただ、良い場面や風景、空気感、特に幼少期の2人のシーンは見ているだけで、優しさに包まれて、ノスタルジックで、ホロッとした。時間がゆっくりゆっくりと経過していく。時間が長く感じた。桜の満開、夕日や海の壮大な景色、私の故郷を思い出させる雪深い景色、凄く綺麗でした。星が流れて二人が駆け出すあたりも良かった。子供の頃に人間の原点ってあるなって、しみじみ思う。大人になるに従い沢山の付随するものが人間を複雑にする。
別れ、二度と会えない出会いがある。切ない。私にも思いあたる所はある。小1に転校してきたU.あやえちゃんが初恋だったが呆気なく転校した。あの時の子供ながらの喪失感はまだ微かに覚えている。その後もあったし、大人になってからもあった。
この映画の主人公(貴樹)と彼女(明里)は、雪中でなんとか栃木で再会した。駅の待合室のシーン感動的だった。しかし、主人公が鹿児島に転校になり、なぜその後、交換日記は途絶えたのだろう。距離感があれば、大人に近づけば、それぞれの新しい世界ができ、忙しくなっていけば、途絶えるのは自然かもしれない。しかし、主人公が30歳になるまで、引きづっていた。(彼女を想っていた。だから、待ち合わせの場所に向かっていたのでしょ)過去に決着をつけられなくなっていた原因は何なのか?つまり手紙、交換日記が途絶えることになった場面が描かれなければ繋がらないのではないのかと思いました。なぜ触れられてないのかな。。
明里は既に結婚している。既に叶わぬ恋だが、それは最後まで視聴者には、知らされず、見ている側には恋の成就を期待させるのだが、裏切られてしまう感じです。ハッピーエンドではないのねえ。。。
貴樹は、現在の会社で付き合う彼女と一緒に居ながらも、気もち此処にあらずといった感じ。高校時代も明らかに好意を持たれている女性と一緒に時間をあれだけ共にしながらも全く彼女に向き合って居なかった。泣いているのに声すらかけられない。二人の女性からみると主人公は随分と残酷な振る舞いをしている人間である。それって、なんなんだろうなあ。
彼は、何をどう考えていたんだろう。
最後に、言葉一つで良かったんだ。それが出てこなかったって終わってんだけど、それだけで、全て納得しないストーリーである。僕の理解が悪いのだろうか。。。
明里は、過去の思い出は「日常」だといい、会うことは無くても前向きに捉えている。比して、貴樹は過去の思い出を前向きに捉えていない。というのか整理出来ていないのかなあ。ただ、最後にそれが変わったのは、わかった。それは、彼女に会えなかったが、間接的に彼女の存在を感じ、彼女のメッセージを聞き、感じたものがあったということだろう。
随分、すれ違い、すれ違いをさせる。なんかのドラマみたいだな。
でも、あんな彼女といるときは笑顔だった貴樹君の笑顔がやはり大人になって、見たかったなあ、っていう物足りなさがある。
明里は、彼により照らされた。明里も彼といた時に一番幸せそうだった。
つまり、気持ちは同じでも叶わないことは沢山あるということなのだろうか。悲しい。月は太陽によって照らされた。それにしては、彼との関係性、終わり方がやっぱり中途半端だなあ。やはり、よくわからない。
秒速5センチメートル
納得いく結末
アニメを見た人がほとんどだと思うのですが、さすがにアニメと同じ構成では芸がなさすぎるので、アニメでの3話目を主軸に記憶をたどっていく感じの構成にしたのはよかったと思います。プラネタリウムや科学館など実写版だけのオリジナル要素もまぁ良かったと思いますが、唯一大人の明里が一般人になりすぎた感がいただけないかなと思いました。やっぱり貴樹が未練たらたら思い続けるに足る感じが欲しかったです。子供の明里は可愛かったのに、大人になって急に普通になって書店員っていうのも、現実感溢れすぎてアニメのファンタジーっぽい感じがなくなってしまった感がありますね。
とは言っても、アニメを見た側としてはラストが結局会えるのかすれ違うのかというところが肝なわけで、この実写版では貴樹と明里のニアミスを作りまくってこれは会ってハッピーエンドなのかな?と思わせる部分は上手かったと思います。それで最後はまさかの踏切のシーン、、、このシーンが特に2台目の電車が入ってくるタイミングや貴樹の動きがアニメ版そのまま再現していて個人的には感動しました。
アニメ版は説明が足りな過ぎて、踏切でのすれ違いエンドがトラウマのようになっていましたが、この実写版はしっかりとエピソードや心理描写を積み重ねていって、すれ違う2人の心情もよく理解でき納得のいくすれ違いだったと思います。アニメ版の貴樹はコイツ大丈夫なんか感が出ていましたが、実写版貴樹はこれからも大丈夫感が出ていましたので、安心して映画を見終えることができました。
ということで、アニメを見ていない人がこれを見てどう思うのかは分かりませんが、少なくともアニメを見て多少なりともトラウマを植え付けられた人のことは救ってくれた映画だと思います。
アニメ版はどことなく人の心が欠けた冷たさがありましたが、実写版はしっかりと人間の温かみを感じるちゃんとした大人の映画だったと思います。
まぁ、と言ってもせっかくなので2人で会ってハッピーエンドでも良かったかなと思うので、星4.5にさせていただきました。
後は雑感なのですが、
種子島編の花苗はいかにも高校生って感じだったので子役だと思ってたら、森七菜でびっくりしました。自分は森七菜と言えばこの恋あたためますかの印象が強いので、まったくの別人に見えましたね。
子役と大人役、顔とか雰囲気とか似てる人をよく探してきたなって感じで感心しました。
映像も昔のシーンとかはオールドレンズで撮ったかのような色使いやフレアが良かったですね。アニメを再現したシーンもいくつもあって楽しめました。
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