秒速5センチメートルのレビュー・感想・評価
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まさしく決別、再出発の物語
とにかく全編映像が美しい。思い出の時代が特に美しい。だから現代との対比が痛烈に刺さる。
女性ながら明里の気持ちが最初理解できなかったえど、明里は明里で苦しみながらも過去と決別したんだなと思えた。
松村北斗もいいし、みんないい。
切なくなるけど、もう一度観に行こうかな。
この映画と出会えてよかった
せつなくて...
大人の事情が監督の魅力を削いで残念…
初見を舞台挨拶の時に観て、改めて2回目を観たアニメ派で映画好きの勝手な感想にて、すみません…。
映像美や子役の演技は監督の力量が存分に発揮されており素晴らしい。
反面、興収を考えた大人パートの有名配役は監督が活かし切れておられず、残念…。
舞台挨拶でも監督が(大人の)出演者に呑まれていた感が垣間見えていた様な…。
興収の為を考えると止むを得ませんが、監督に合った未だイメージの固まっていないフレッシュな配役の方が僭越ながら宜しかったかと…。
フジTV製作ですし、一般受けする為の忖度も仕方無しですね。
主題歌も、不幸にして(?)同時期公開となった同じ米津さんのアニメ映画の2曲に比べると取って付けた感は否めず、とても良い曲だけに残念…。
TVスポット等でも既存曲のイメージばかりな様な…
興収やPV繋がりや1991生まれ等々、大人の事情は止むを得ないとは思いますが…。
才能有る監督だけに大人の事情抜きで作られた映画を観たかったです。
そうであれば、アニメ派も改変追加マシ増しであっても許容出来るでしょう。
よって映像美☆1、子役演技☆1…
*追伸 ~ パンフはB5版で小さ目ですが、綴じ込み付録(?)付きで内容も充実…他に出版物が無いのでオススメです。
何故この作品はおっさんの心までを惹きつけて止まないのだろう
新海誠作品で本作品が一番好きな人も多いのでは?
聖地巡礼は好きなので、何故か惹きつけられて、渋谷、岩舟駅、そして種子島にも行ってしまうほどに。劇場版アニメの本作の切なさが大好きですが、実写化されると知って素直に嬉しかったです。それだけ魅力がある作品だということだろうから。でも、私にとっていまでもこの作品に魅力があるのは、未完成だったからかも?自分の人生にも重ねつつ、普通の大人になってしまった貴樹だからこそ最後には少しの奇跡が起こってほしかった。奇跡なんて自分には決して起こらないから。
この実写化作品は、ずっと欲しかった続きを見せてもらいました。ありがとう。5万語の中から選んだ言葉、奇跡だったらいいな。アニメ版を見てない方はぜひ見てください。もっと深く本実写作品に惹かれますよ。役者さんたちもみんな良かった!
実写アニメ
初恋は儚くとも楽しみ、人生は短くとも尊びたい
小学生の貴樹と明里が過ごした日常の想い出は美しい色合いで、その映像美に何処か懐かしさを感じて惹き込まれる。雪の降るホームで、貴樹を見送る明里は貴樹の明るい未来を願いつつも、既に自らの明日を見つめて別れを決心していたのであろうか? もし、貴樹が言葉で"好きだ"と伝えていたら二人の未来は違っていたのだろうか? それから16年の歳月が過ぎ30歳になる頃の場面では、二人の偶然の再会に期待を寄せて観ていたが実現する筈もなくモヤッとさせられた。"ただ話したいだけ" 、それすらも叶わなかったのは、今の二人は各々が自分の世界で暮らし明里は既に結婚していたので交わらないことが運命と云うことなのか? それとも、大人になった二人が会えば美しい想い出が色褪せる結果に繋がってしまうからだろうか? そして、過去に交わした約束の日に貴樹は雪の降る桜の木の前で明里を待つが、それは美しくも切ない想い出であることを知る。貴樹は、岩舟駅の待合室で深夜まで待っていてくれた明里への想いをプラネタリウムの館長に聞いてもらう訳だが、果たして立ち止まっていた自分を解放して灰色のビルに囲まれた世界から踏み出すことが出来るだろうか…
貴樹が踏切を渡るシーンですれ違う明里を見るのは、未だ明里を忘れられないからであろう。16年の歳月は容易には消化できない。
ところで別件にはなるが、花苗(森七菜)の青春は瑞々しさに溢れていた。彼女の恋も儚く散ってしまうが、そのことも含めて花苗の人生は輝き続けているに違いない。
この映画は、過ぎ去った日々を振り返ってみると桜の花びらが秒速5センチメートルで散り落ちるが如く短いと教えてくれたと思うが、今の自分は晩年の寂しさを隠しつつ人生は未だ長いと思って抗いたい。
彦星の初恋
良かった!!
映像もキャストの演技も音楽も全てがしっくりハマっていて良かった。キャストはどの世代も脇役もこれ以上無いくらいピッタリだと思ったし日本の景色ってこんなに美しかったんだと感動した。新海監督の香りをちゃんと感じられる実写だった。劇伴も素晴らしいし挿入歌、主題歌全てが作品にマッチしていて文句無し。主演の松村北斗さんは声も演技も素晴らしくハマり役だった。不器用で陰の有る理系男子を演じさせたら右に出る者無し。子役の演技も初々しくて良かったし森七菜さんの恋する女子学生の演技が切なくて良かった。あと吉岡さん演じる館長が柔らかくて温かみのある人物で良い!近いうちにまた見に行こうと思う。家族や恋人と観るのも良いけれど独りでひっそり鑑賞するのもお勧め。余韻が凄い。
あの言葉も表情も景色や光も… 美しく儚く温かく… 涙が溢れて仕方な...
あの言葉も表情も景色や光も…
美しく儚く温かく…
涙が溢れて仕方なかった…
秒速へのリスペクトを感じる奥山組の思いがすごい!そして私の喪失感の理由を語源化してくれた様な気がして涙がとまらなかった。見終わって外でても思い出す余韻から抜け出したくなくて遠回りしながら帰ってきました。
また観たい…
松村北斗さんの演技は本当私の全身に刺さって仕方ない素晴らしい方だな…
ちょっと赤面してしまうがそれも良い。
なんと言うか甘酸っぱさもありこれをドラマで観るのは恥ずかしい。
恥ずかしいに恥ずかしいを重ねていて観ていてちょっとふわふわしてしまう。。
からの現実~×2
ふわふわと道程の青春時代のまどろみにいたはずなのに急に夢から叩き起こされるのが評価◎
感傷に溺れるな。自分で切り拓け。
映画、「秒速5センチメートル」、観てきました。うーんこれは。映像美と過去への感傷は痛いほどわかるんだけど、最後そうくるかーって思ってしまった。ぜひ映画館で見届けて欲しい。で、ちょっと語り合いたいかな。
主人公の貴樹くん、思春期に出会った明里くんがあまりにソウルメイトで、そこからはうまく他人と接することができない。しかし明里くんとの日々が次第によみがえり、ある約束を果たしたあたりから前向きになっていく、そんなストーリー。新海監督って、しみじみオタクの心をわかってる人なんだね。自分もオタク気質なのでよくわかる。でもやっぱ伝えないと、ね。恐れてちゃダメ。それは言いたい。
主人公の松村北斗くん、表情とかとてもよかった。グッときたのは宮崎あおいさん。変わってないなー。少年メリケンサックのはちゃめちゃぶりが好きでした。森七菜さんも良かった。自然すぎて気づかなかった。フロントラインとか国宝もよかったけど、今回のような役柄も軽々とこなせるなんて。すごい子なんだね。彼女の存在が、主人公の孤独を際立たせた。
話を戻すと。そんなに過去にこだわるかなあ。みんなそうなの?過去は過去でしかないんだけど。今が大事だから。そういう意味では、貴樹くんにも明里ちゃんにも伝えたい。感謝の気持ちがあるんでしょ?今しかないんだよ。そのために今日がある。
原作に思い入れがある人も、初めての人も…
比較的原作に忠実だと思いますが、映画用に時間稼ぎをするためか挿入されたエピソードに無理があるしやや退屈。一番良くないのは、原作では高校生以降の明里は実態のよく分からないミステリアスな存在ですが本作では生活感のある現実のどこにでもいるような普通の女性として描かれてしまっていることかもしれません。(逆に、『あなたがあれほど執着していた人はこんなありふれた普通の女性だったんだよ』ということが伝えたいのであれば成功しているでしょう…)
映像もきれいですが音楽は印象に残りませんでした。
子役の演技が素晴らしい。演技は皆さん良かったと思います。
男は初恋の人を忘れないが、女は乗り越えて先に進んでいく、そんなお話。
人間の心の揺れ動きが見事に表現された作品
原作は小説で読み、このモヤモヤをどう表現されるのかドキドキしながら鑑賞しました。まず映像の美しさとエモさに引きこまれましたし、貴樹を演じた3人の役者の繋がりがとても自然で驚きました。どなたも素晴らしいお芝居で貴樹の心の葛藤、微妙な揺れ動きが伝わってきました。
原作から追加されたプラネタリウムのシーンは本当に松村北斗さんのお芝居に圧倒され、自然と涙が出てきました。他の作品も拝見したことがありますが、心の内面を丁寧に表現できる素晴らしい役者すんだなと思いました。
また、パンフレットを読み、奥山監督の作品の分析力と思慮深さに驚かされました。なかなか気づけなかった監督のこめた思いも感じながら観ることができ、解像度があがりました
秒速5センチメートル
おじさんの思い出
遠野に全共感することは難しい、だけどこんな淡い記憶あったなと思い出させてくれる作品
原作未視聴、実写から入っての感想
結論から言うとアニメだから成り立つストーリーだと思った
男女で分けるものでもないけれど
もしここで区別をつけるとしたら主に男性目線なストーリーであり観客も男性の方が自分と重ねる瞬間は多かったのではないか
現在の遠野の姿に半分理解しつつ、半分は共感できないうじうじさを感じたため評価が難しいが
あの淡い記憶は誰しもがそんな幼少時代があったねと思わせてくれるような演技が良かったのでここを評価したいと思う
このストーリーで理解できた点は
・雑談をすることは悪いことではないということ
私も雑談は不要だと思っていたけれど、雑談することで自分が進めていないことを認められる、誰かの助けを借りて前を向けるのを知ったから雑談は悪いことじゃないよ、と序盤の遠野に言ってあげたい(結果的に雑談をできるようにはなるけれど)
・転校生という共通点にシンパシーを感じる点
これは学生以外にもあり得る話だが共通点があるとグッと距離は縮まるし良き理解者だとも思うしもっと話たいと思う
遠野と明里はそれが知らない土地の中でできた友達だったからこそ余計に思いが深いのだろう
・明里が約束は忘れて過ごしていてほしいと思う点
あの日あの時それぞれの一歩を踏み出せたのは紛れもなく相手のおかげだけれど明里は大切に別のフォルダとして保存したところに女性的目線が入ると感じた
私だって小さいころ本当に些細な出会いで好きになった相手を思い出せるくらい大切にしまってある
だけどあのフォルダをもう一度開けなおそうとは思わない
しもしそんな状況が訪れても今の幸せを離さずに過ごして欲しいと願ってしまうだろう
・好きな時に好きと言えない点
本当に失ってから大切さに気づくのと同じ感覚
これに関しては本作品を見て気づきがあるいい点だと思ったがいい言葉なのに映像の中ではさらっと流れたなとも感じた
共感できなかった点
・後半ようやく雑談をして前へ進む何かを掴みかけているのに最後の踏切で電車がすぎるまでずっと、ずっと待ち続けている点
おそらくこの意図はないのだろうけれど遠野はいつ前を向いてくれるんだろうと思ってしまい観客の心情をミスリードした感がある
・高校時代の遠野の誰も眼中にない姿
それ自体は構わないが、花苗の気持ちを知りながら一緒にいたんだろうな、自分は何かを伝えるわけではないのにと思ってしまいずるい人だなと思った
そして同じことをまた会社員になっても繰り返す姿はなんだかなぁと思ってしまう
・親目線だと子どもの安否が心配になる点
映画だから!と言われればそれまでだが、雪の中栃木に行き置き手紙だけで出てくる2人をみて
実写化したことによりアニメを知らない勢はリアルとリンクさせて感情移入ができなかったらしい(一緒に見に行った人の感想)
ファンタジーでもアリと思う作品はたくさんあるが
今回についてはファンタジーになるつもりはないけどファンタジーになってしまった作品だったなと感じた
別視点での感想として役者さんたちにコメントを添える
・松村北斗さん
遠野には共感できないのだがプラネタリウムで言葉を詰まらせながら話すところや話しづらそうに会話をはじめる点は彼だからできる演技だなと思った
また声の良さも相まってプラネタリウムのナレーションが十分よかったとおもえた場面でした
・宮﨑あおいさん
本当にいつまでも可愛らしくてずっと好きな女優さんであり、自然派だなぁと改めて感じる気張ってない大人な感じがいい
その場面ごとに一番溶け込む演技だった
・森七菜さん
国宝の時も思ったがどんどんスキルを上げている
今年は助演で数々の作品に出られている
学生時代の姿があまりにも可愛すぎて本当に恋する乙女だったし泣きの演技もよかった
キュンときてしまうくらいには照れた顔が愛らしい
・上田悠斗さん、白山乃愛さん
大切な幼少期シーンを愛おしく演じていた
きっと誰しもがこんな昔があったねと思い出させてくれる2人の距離感がちょうどよかった
全体的に自然な演技をできる役者さんが配役されているところは良かったと感じる
綺麗な景色と思い出
空と桜と雪、風景がとても綺麗でした。新海誠さんの世界を実写でも上手く表現されていて驚きました。物語としては、小中学生時代の2人がとても良かったです。特に明里ちゃんが可愛くて。白山乃愛ちゃん。これから楽しみな子役さんです。だから、高畑充希さんは少し違和感があったかな。高校時代の森七菜ちゃんも高校生を演じきっていて凄く良かったです。松村北斗さんの演技はとても好きなので、後半切なくて涙しましたが、でも女の子側に視点を変えてみると未練タラタラで眼中に入れて貰えないの可哀想過ぎるかも。あと、宮崎あおいさんと吉岡秀隆さんが同僚になってて2人と繋がってるのが、ニアミスありありでうーん…。結末は知っていたけど、それでも何故、結ばれなかったのかモヤモヤしてしまいました。あと、やっぱり山崎まさよしさんの曲をメインにして欲しかったです。評価が高くて期待値が上がっていた分、少々辛口になってしまいました。
散文的な人生にだって普遍性は宿る
新海誠監督は、こういうナイーブな感性が優しく肯定される世界を宇宙規模の普遍性と結び付けて描くのが好きなのですね。
きっと、ボイジャーに積んだゴールデンレコードーー地球外知的生命体に地球文明はこうなってますというメッセージを記録した媒体ーーにも書き込みたいと思ってるのだと思います。
このゴールデンレコードは、『コンタクト』の原作者で天文学者のカール・セーガン博士のアイデアです。科学を極めていくと、宇宙の法則や生命体の仕組みなど、どうしてこんなにも美しく上手くできているのだろう、という素朴な疑問から始まり、行き着くところ、神以外には創り得ないのではないか、という宗教的な境地に達することがあるそうです。
二人は、すれ違ったままでもいいのです。
ピュアな魂は傷つくことはあるかもしれないけれど、本質的に損なわれることもないし、失われることもない。それぞれの場所で別の魂と出会い、別れ、また何かが始まっていく。
0.0003%の出会いを慈しみ、愛おしく思えるのならば、秒速5センチメートルの花びらや雪片に悠久の美しさを見出すこともできる。
『自分にとって大切な思い出を笑いではぐらかすようなことをしてはいけない』
多くの人が、自分の人生を散文的でつまらない、と卑下し笑いで誤魔化したくなった経験があるのではないでしょうか。
私には、宮﨑あおいさんのそのセリフが一番心に刺さりました。
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