秒速5センチメートルのレビュー・感想・評価
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実写化成功だと思います
原作を随分前に観ていました。この作品の実写化はどうだろう?とあまり期待はしていませんでした。
でも、本当に映画館で観て良かったです。
日本の四季の美しさ、効果的に使われる音楽、俳優さんたちの演技、素晴らしかったです。
映画オリジナルな部分もあったからこそ納得が出来たというか。原作では主人公に感情移入出来なかったのですが、松村北斗さんの静かな演技が切なさを増してくれてとても良かったです。セリフを言っている感が無い自然な演技。声、立ち姿とても良い。
あと、森七菜さんの高校生役、瑞々しくて天才だと思いました。
あと、子供時代良かったです!正直、そんなに想いを引きずるの?と思っていましたが、実写化することで、あの2人が可愛らしく、時代的にそして幼くてどうにもならなかった事が美しくて切なくて。そりゃー引きずるよねと納得してしまいました。
とにかく映画館で観るべき映画だと思ったので
もう一度観に行きます。
原作アニメとは違う痛みを感じた
原作アニメの尺を約2倍にした実写版映画。どこをどのように変えているのだろうという興味があった。
一方で、原作で感じたセンチメンタルさやナイーブさという印象が、柔らかさのあるアニメ画像ではなく、実写で表現されることで、生々しく、現実味のある痛みを感じる重い作品になっているのではないか?という先入観もあった。だから、若干観るのを躊躇した。
鑑賞してみると、自分の先入観は当たっていた部分があったように思う。アニメ版はどこかファンタジー世界を見ている感があり、そこまで登場人物達の痛みを感じることはなかった。しかし、実写版からは、主人公の貴樹(松村北斗)、明里(高畑充希)、花苗(森七菜)、理紗(木竜麻生)の抱えるそれぞれの痛みを感じた。生身の人間が演じるということは、やはりこういうことなのか、という再発見でもあった。
実写版は、原作アニメの重要な要素をしっかりと取り入れながら、社会人時代の話をより膨らませた内容となっており、原作に登場しない人物、登場場面が限られていた人物にも重要な役割を持たせていた。
プラネタリウム館長の吉岡秀隆は貴樹と明里を間接的に繋ぐ役割として。
元教師で花苗の姉美鳥役の宮﨑あおいは、貴樹と明里のよき先輩、理解者として。
オーストラリアに旅立つ明里との別れ際に美鳥が放った「気持ちはそのとき言葉で伝えないといけない(と妹が言っていた)」という言葉が印象に残った。
お互いに気持ちを言葉で伝えなかった貴樹と明里へのメッセージとして挿入されたシーンだろう。約束の場所に行き、現実を受け入れざるを得なくなった貴樹が、別れた理紗に会い、伝えられなかったことを伝えたシーンとの繋がりを感じた。
原作アニメと同様、空、光、電車という新海作品でよく登場する要素が美しく撮られていて、映像監督・写真家としての奥山監督のセンスの良さが感じられた。ミラー越しに人物を写すカットにも何かこだわりを感じた。
どの俳優も演技は素晴らしかったが、明里の小中学生時代を演じた白山乃愛のピュアさには釘付けになった。花苗を演じた森七菜は高校生役なのにもの凄くハマっていて驚き。
松村北斗は、「夜明けのすべて」を思い出した(プラネタリウムという共通点もあり)が、抑制した演技が非常に上手いと思った。
岡部たかし、又吉直樹も好印象(本好きの又吉にはピッタリの役柄だったと思う)。
男性のセンチメンタルさやナイーブさだけでなく、本作には女性側の視点も入っており、生きて行くうえで避けて通れない理不尽、ままならなさ、痛みのようなものを感じるものの、前向きな希望も感じられる作品になっていた。
登場人物と同じような経験をしたことがなくとも、どこかに、誰かに自分と重なる思いを感じることができる作品と言えるのではないだろうか。
アニメの実写化が非常に上手くいった作品だと思う。
なんだか哀しい…
花びらが散る速さを『秒速5センチメートル』と表現したところがとてもステキだと思ったので観ることにしたのですが…
あまりにも哀しいお話でした。
映像もキレイだし、登場人物もキレイだし、時系列が行ったり来たりするところは『新海ワールド』全開なので騙されそうになるのですが、平たく言うと『いつまでも子供の頃の初恋を忘れられずにいて10年以上も前に進めずにいた男と、昔のことはとっとと忘れてとっくに自分の幸せを掴んでいた女の話』なのではないかなぁと。
それをここまで美しい話に仕立て上げられる新海誠という方は、やはり只者ではないなぁと。
ずっと前に進めずにいたことによって人間関係も上手に形成出来ずに生きてきた主人公だったけど、転職したことによって理想の職場と上司に巡り会えたことで、前に進めるようになればいいなぁと、新しい幸せを掴んでほしいなぁと、願わずにはいられません。
主人公・遠野貴樹の転職先を紹介してくれた職場の上司を演じられた岡部たかしさんもステキでしたし、転職先の上司を演じられた吉岡秀隆さんもステキでした。
もちろん主演の松村北斗さんも、初恋相手の高畑充希さんも、学校の担任の先生役の宮﨑あおいさんも、あおいさんの妹役の森七菜さんも、皆さん本当に本当に素晴らしくて…
“オチ”だけが残念でした(笑)
山崎まさよしさんの『One more time one more chance』が、また余計に哀愁を誘うんだなぁ…
まさにあの歌詞の内容と同じなのではないかと。
哀しいお話…(涙)
贅沢ですが後2品
映像美、どのキャストも知的、改編した原作の世界観を全く壊さない等、実写化大成功な作品。
本日2回目の観賞をし、1回目では気づかなかった事を2点。
①高校生の貴樹はもしかして宇宙飛行士を目指したかったけど、モチベーションが上がらず、勉強も弓道も「取り残されるような気がする」とい義務感で生きている。
その原因は明里の存在だけ?
②明里は貴樹が手に届く場所にいるのに、「会いたい」という衝動は起きなかったのかな?
状況は変わらずとも、この2品が欲しかったなと・・あくまでも贅沢ですが。
その他の感想として、貴樹の子ども期の岩舟迄の乗り継ぎと、雪を歩く撮影の尺が長かった。
水野さんと貴樹の交際中の関係性のすべてが、あの尺なのにリアルすぎた。
プラネタリウムの貴樹と館長の会話は、2回目の方が泣けた。多分①との温度差からかな?
明里の旦那が又吉じゃなくてよかった
森七菜と松村北斗が主演のライアー×ライアーがすっごい好きだったので期待してましたが残念ながらツーショットはなし
それはいいんですけどさっぱり面白くない
自分と同じ陰キャなのにまったく共感できないイケメンだからかな
周りが雑談で盛り上がっててもいいじゃないか
二人がすれ違ってばかりでイライラMAXです
なぜ出会わないの?0.0003%だからか
人生なんて0.0003%の積み重ねでしょう
このクソレビューを読まされる確率だってそんなもんでしょ
宇宙に持って行きたい言葉どこまで引っ張るんだよ
気になってイライラするわ
結局見損なったよ
何度も帰りたくなるのも我慢して最後まで見ましたが待っていたのはクソみたいなラスト
せっかくエンカウントしてるのに逃げられんなよ
スタート時から何か変わりました
仕事辞めて30歳になって顔つき変わったくらいですよね
お金と時間無駄にしました
今年同じ気分になったやつを星一つにしたのでこれも星一つです
10/14 追加
評価が高いので念のためもう一回見ました
面白くないので宇宙に残したい言葉でそれっぽいのがないか探しながら見てました
桜の木の下の約束
あの感じじゃ女の子は来ないよね行かないって言ってるようなもんやし
プラネタリウムの解説するくらい立派になってるしね
残したい言葉は結局分からないんですね
それが気になって見たんですけど
レイトショーだから無料券もったいないんでお金払ったんですけど
ほんとどこまでも人をコケにしてくれるなあ
もういいよもういい忘れよう
どうせバーカモームリ滅亡この辺でしょ
原作をオリジナル要素を入れて深く掘り下げた作品
原作が好きなので見に行きました。
最初の感想は、原作は映像の綺麗さで好きだったんだなというところを再確認して、実写だとどうかなぁという感じを持ちました。
しかし、見ていて、原作をリスペクトした感じの描写が続き、新しい視点で泣いてしまうような話に仕上がってました。新しいと言っても、原作を尊重した話になっているので、違和感も感じません。
原作より長いこともあり、原作の設定をそのままには深く掘り下げています。
また、原作では、ぼかしていた二人の切ない関係性をある事実と共に断定します。そして、原作では描かれなかった2人の気持ちなども深く掘り下げて述べます。
このため、原作ではモヤモヤした感じもあった結末もはっきりとした結論で終わっていて、原作を見終わった後に感じた、よくわからないなと感じていた部分は減り解釈の余地は少なくなりました
ただ、原作でファンなどで解説されていた細かな部分から推察される方向で深掘りしているので、原作ファンとして見て良かったなと感じる作品でした。
原作を見た時に感じていた2人の結末は原作を尊重しつつ、とてもスッキリとした形で終わり、良いアレンジだったと思いました。アニメの実写化は原作ファンだと賛否両論を招きやすいですが、私は原作を大事にしつつ、新しい創造をしてくれた作品だと感じました。
最高に切なくて素敵な映画
新海誠監督の2007年アニメの実写化
もう「めちゃめちゃ良かったです!」
今年見た邦画のBESTでした。
原作をほぼ忠実に再現しながら新しいエピソードを追加。アニメの世界に新しい生命を吹き込んだような完璧と言っていい実写化でいつまでも心に残る大人の作品に仕上がっています。
映像の美しさ。二人が雪原の木に向かって歩くシーン、帰り道にロケットが打ち上がるシーンは目に焼きついて離れません。
山崎まさよしのone more time からエンディングの米津玄師まで劇中に挿入される数々の音楽の使い方の素晴らしさ。
主演の松村北斗はもちろん子役の白山乃愛から先生役の宮崎あおいまで全ての俳優陣の演技(特に高校生の森七菜!)脚本・演出も全てが最高でした。
「ねぇ知ってる?秒速5cmなんだって。桜の花の落ちるスピード」というのは子供の思いつきのイメージでそんなに遅いわけはないんだけれど緩やかな風が吹けばそのくらいになるかもしれない。劇中に舞うシャボン玉のように。
これが相対性理論というもので時間の速度は周囲の状況によって変わる。時間の進み方はその時の感情によって変わる。人生の進み方も人によって違うのだろう。
ゆっくりじわじわと心に染み込んでくる最高に切なくて素敵な映画でした。
人が出会う確率0.0003%って言葉に強烈な不安があったが
人と人との間に存在する時間、距離、速さの違い
これを丁寧に描いた作品がありました。
そう、アニメ版「秒速5センチメートル」です!
そして、それが実写化されるとのこと!!
意気揚々と予告編を見てみたところ、、
「0.0003%なの知ってた?人と人が出会う確率」
えっ?何言ってるの??
出会えた奇跡、ミラクル
明日今日よりも好きに〜みたいな展開が待ってるの?
そんな茫漠とした不安がどうしようもなく横たわってしまったんですけど、、!
しかし!不安は完璧に拭われたと言っていいでしょう!!いやーほんと最高でした
人と人が出合う確率0.003%
それは人と人とが再び巡り会うことができない、物理的ではない「距離」のように存在していました!!
原作のテーマを引き継いでおり、追加シーンで補完するような素晴らしいものでした。
おすすめです!!
「会いたい人には会えるものだ」の先。
原作アニメ好き。楽しみにして鑑賞。
予告映像のとおり本当に映像がきれい。
子役の2人の掛け合いの尊さに泣けた。
森七菜さんの瑞々しさだけでも泣ける。
原作アニメにないシーンの追加には違和感なし。尺を増やすためだけでなく、実写映画としての深みが増している感。
宮崎あおいさんのセリフにあった「会いたい人には会えるものだ」が、ストーリーのメインストリームになったか。
人生の同じ時期に「日常」となる価値観を共有できた者たちはその後もニアミスできるような近い場所に存在し続けられる、というストーリーには、希望をもらえる。
でも、会えたパターンの作品として「君の名は。」があるのだから、やはり「秒速」では会えないんだよな、と納得もできた。
惜しい、アニメ版を超えることもできたのに!
アニメ版のほうはすごく感動して聖地巡礼で岩舟駅まで行ったほど思い入れのある映画だった。
第1話「桜花抄」の雪の日、ストーブのある岩舟駅で2人が再開するクライマックスシーンがこの実写版には出てこなかったのでちょっとがっかりした。
ところが何と中盤になって出てきた。この演出はなかなかうまいと思った。
運命の日に岩船駅に行こうとする遠野貴樹。これはアニメ版の方にはない展開だったので大いに期待が膨らんだ。
夜の7時に彼女は岩舟駅で待っていると思った。
駅にはいなかった、でも桜の木の前にはいるかもしれない。
桜の木の前にもいなかった。
でも目を閉じて7時になって目を開けたら彼女が桜の木の後ろから顔を出すような気がしていた。
そうなっていたら、アニメ版以上の感動を覚えて涙ぐんでいたと思う。もちろん満点の評価を与えていた。
結局彼女は来ていなかった。なんてもったいない展開にしてしまった脚本なのだろう。そもそもアニメ版とはかなりの部分で違っているので、ハッピーエンドにしてしまってもよかったのではないか。
貴樹のアニメの感じ、実写でもやってほしかったな
十数年前のアニメ映画版は、3年前くらいのIMAX再上映で見ました。アニメ見てないからダメってことはもちろんないし、見たからつまんない訳もなく、あのシーンがこう実写になるんだという面白さがありました。比較して見たくなりました。
時代や設定などは基本アニメと一緒で、30歳の部分が深く描かれていました。ただ特に面白いのはアニメと同じ幼少期時代で、明里役の白山乃愛ちゃんの演技はかなり良かったです。私の1番好きな貴樹が明里に会いに行く電車のシーン(幼少期の)、アニメではもっと時間と距離の長さが見えたのに、あっさりしていたのは残念でした。実写化するとかなり大人びてるなって気付きもありました。
そして1番の問題は今実写化した意味は何なのかということで、時代設定を現代にしていない(もちろんできない)分、映像を変に粗くしてもアニメ以上の時代背景を描けていないので、アニメでいいなという印象です。面白いけど実写化の意味がないのが残念です。
また新海誠の映画は、絵なのに実写に見える、実写よりさらに美しいという所が評価の1つだと思うので、それを超えらないのは仕方ないけど辛いです。何気ない生活感や街の感じとか、実写でやるとただの無駄になってしまう、映画に余白を作れないのが今後の新海誠の実写化の課題だと思います。
山崎まさよしの One more time one more chance を無理に使うのも微妙で、主題歌がまた米津玄師なのも残念です。
最後に秒速5センチメートルの特徴は、貴樹のクズな感じというか少し黒い感じじゃないでしょうか?賛否がある点だとは思いますが、秒速5センチメートルらしさを出すならもっとやってほしかったです。
まあ散々文句を言いましたが、普通に良い作品ではあるので、「新海誠だから見る」というのは違うけど、見る価値はしっかりあります。
(松村北斗出てるから星評価は過大評価されてる気がするのは秘密です)
うん、いい感じ!
まずは篠原明里ちゃん(白山乃愛さん)のピュアな可愛さにドキュンでした。(オジさんが気持ち悪い⁈)
遅れてやっと駅に着いた貴樹(上田悠斗くん)の袖を掴んで涙ぐむ姿に、クラスの可愛いマドンナに憧れて何とか会話しようと頑張ってた半世紀前のいにしえを思い出してしまいます。当時は僕もピュアだったな、なんて!
澄田花苗(森七菜さん、まだまだ高校生いけますね。)のやるせない乙女心も彼女のこれまで役どころで一番泣かせてくれました。
水野理紗(木竜麻生さん)も、 付き合っている頃は1センチくらいしか近づけなかった貴樹に再会時は心持ちとして接近できたことは、確かに遅すぎた感はありますがよかった展開でしたよね。(実際にありそうなカップルなんでは?)
小川館長(吉岡秀隆さん)、とても重要な役どころでした。原作には出てこない役割りですがこの作品の最重要案内人かもしれません。またこの職場を紹介してくれた先輩、岡部たかしさんも最近とみにご活躍です!ドラマでは松たか子さんのおじさんだったのにCMでは夫婦になったりとお忙しい様子で注目です。
あと原作の各エピソードがどう繋がるのかアニメを観た時にはうまく繋げられなかなったのがこの作品を通して種明かし的に伏線回収できた感じで貴樹の先生であり花苗のお姉さんでもある宮崎あおいさんの位置付けはとても感慨深いものがありました。新海誠監督の原作でもそうなってたんでしょうか?そうでないとしたら奥山監督、あるいは脚本家の鈴木史子さん凄いです。
主人公 遠野貴樹(松村北斗さん)は最近安定の演技でプラネタリウムで館長に語りかけながら感極まるところはこちらまで極まってしまいました。なかなかコミュニケーション的には難あり(幼少期はそうでもなかった気がしますが)の彼がどうしてそうなってしまったか、これからどう成長していくかが気になるエンディングでした。
最後は『君の名は』してました!
アニメ版を予習してから観た方がいい気がします。(観てないと中だるみしそうで)
アニメそのものを実写化したものと思うと若干違和感あるかと思いますが、新たな展開と解釈を加えた作りで少し前の時代設定ではありますが現在にも通じる心洗われるいい作品だったと思います。
余談
松村北斗さん
若き日のあんちゃん(江口洋介さん)を彷彿とさせる雰囲気でいい感じです。
追伸
高畑充希さんのこと書き忘れました。ま、いいか!
子役の演技が素晴らしい❣️
特に篠原明里役の彼女
何か森七菜に似た感じ目元とか。兎に角引き込まれる。
流浪の月の白鳥玉季以来の衝撃!
それと夜明けの全てで、プラネタリウム
のナレーターをした松村北斗を遠野貴樹の青年時代にキャスティングしたのが素晴らしい👍
勿論映像の美しさは素晴らしいの一言!
時の流れ
原作未読。北斗ファンなので観に行きました。
満開の桜、夜空の流れ星、種子島のロケットと、綺麗な映像が多いです。一方で、子どもの頃の初恋が中1の冬で終わり、その後、何故、心閉ざす男になったのか分からなかった。転校が多いから、誰にも心を開かない癖が染み付いたのか。自分に失恋した女子高生の涙が嫌だったのか。色んな数値cmや%や日付が出てきますが、忘れても問題有りません。子どもの頃に約束した日に、大人の貴樹が行きますが、勿論明里は来ません。中1の冬、何時間も駅でお弁当を用意して待っていた彼女ではなくなっている。時の流れと共に人は変わる。それを実感した男の話に感じました。
【”昔、出会った大切なものは、想い出ではなく日常。”今作は、同名オリジナルアニメーションの掌編3話をほぼ忠実に描きながら、センスあるアレンジメントを施した見事な実写化作品である。】
ー ご存じの通り、今作は2007年に公開された新海誠監督の短編(63M)アニメーション映画の実写化作品である。
間延びしていないだろうか、という懸念を抱えつつ、映画館へ。
結論から言うと、間延びどころか、あっと言う間の2時間であり、且つ随所で沁みるシーン多数の作品であった。-
■粗筋
1991年春。東京の小学校で出会った貴樹(長じてからは、松村北斗)と転校して来た明里(長じてからは、高畑充希)は隣同士の席になり、貴樹が”僕も転校生だった。”とノートに書き明里に優しく接した事で、二人は急速に仲良くなる。
卒業後に離れ離れになるが、二人はガラケーでメールのやり取りを続けており、中学生になった時に、貴樹は栃木に引っ越した明里に雪の中会いに行き、桜の木の下で抱擁した後に18年後に会おうと約束を交わす。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・冒頭、貴樹はプログラマーとして働いているが、余り周囲と交わろうとしない。同じ職場に恋人、水野(木竜麻生)が居たが、彼女の家に行っても一緒にTVを見たりするだけで、進展はしない。貴樹の眼は水野を見ていないように見えるのである。そして、貴樹は会社を辞めるのである。
明里に”大人になった時に、キチンとした人になっているかな・・。”と言っていたのに。
・次に、貴樹が高校時代を過ごした種子島のシーン。同級生の花苗(森七菜)は彼の事が好きで、”Radio Head"のファーストアルバム”Pablo Honny"を借りている。ここでバックで流れるのは”アルバム内の”Thinking About You"なのである。
更にカラオケに誘い、姉が好きな映画「月とキャベツ」のメインテーマである山崎まさよしの”One more time ,One More chance"を流すが、進展はない。花苗は”彼は、私を見ていない・・。”と言って涙するのである。
・貴樹は、先輩の紹介でプラネタリウムの或る天文研究所でプログラマーとして働き始める。そこに書店で働いている明里が、配達漏れがあった本を雪の中、運んできて館長(吉岡秀隆)の誘いもあり、貴樹がナレーションするプラネタリウムで夜空を眺めた後に、雪降る風景を見ていた小学生達に”雪って、秒速5センチメートルで落ちるんだって。”と且つて貴樹に言っていた言葉を掛けてその場を去るのである。
貴樹は、小学生達からその言葉を聞いて、外に駆け出すが明里はいない。
・貴樹は明里と約束した29歳の時の3月26日に、且つて抱き合った栃木の小さな駅の近くにある桜の木に出掛けるが、そこに明里は来ない。
ー だが、彼は且つて、明里が良く言っていた”貴樹君は大丈夫だよ。”という言葉を思い出すのである。
そして、久しぶりに水野と出会い、彼女から借りていた折り畳み傘を返してから彼女の好きだった多くの点を初めて口にするのである。水野は嬉しそうに聞いていたが、”遅いんだよ。”と言いその場を去るのである。
貴樹は何かが吹っ切れたかのように歩いている。
そして、ある桜舞う踏切で明里と擦れ違うが、二人は相手に気が付かない。が、少しだけ振り返った二人の前を列車が通り過ぎ、貴樹だけがそのまま線路の向こうを見ると、明里はもういないのである。ー
<今作は、オリジナルアニメーションの掌編3話をほぼ忠実に描きながら、センスあるアレンジメントを施した見事な実写化作品なのである。>
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<以下、オリジナルアニメーション「秒速5センチメートル」の拙レビューです。>
第1話「桜花抄」
小学6年生だった貴樹と明里の仄かなお互いへの恋心。
そして、中学生になった貴樹が、栃木に引っ越しした明里を、雪が降る中訪ねて行く心の不安と、久しぶりに再会した二人の雪が舞う中の接吻と、朝日が差し込む中での二人の姿が、二人の未来を暗示するようなシーンが印象的。
第2話「コスモナウト」
貴樹も中学の半ばで東京から引越し、遠く離れた鹿児島で高校生生活を送っていた。
同級生の花苗は、中学生のころから貴樹をずっと思い続けていたが、彼の心は別のところにあると知っていた・・。
ー 花苗自身の心中を自ら語るモノローグの言葉が、切ない・・。-
種子島から発射されたロケットが、”二人のそれぞれの将来に祝福あれ・・”と言うことを暗示していたシーンが印象的。ー
第3話「秒速5センチメートル」)
社会人になり、東京で働く貴樹。だが、明里の事が忘れられず、付き合っていた理沙から”心が私に向かっていない‥””と指摘され、別れ、やがて会社も辞める。
だが、春が訪れると、貴樹は昔から歩きなれた道の踏切で"ある女性"とすれ違い・・。
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■男は、いつまでも初恋を忘れられずに、女は逞しく今を生きるのである・・。
全565件中、421~440件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。






