トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦のレビュー・感想・評価
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力を持った時、どのように振る舞うかHow One Acts When They Have Power
NHKのあさイチで三谷幸喜さんがゲストの時
映画紹介のコーナーで、
紹介されて知る。
その影響か、客席はほぼ満席。
肉体的に強い、
闘いにも強い、
総合格闘技に出たら、
みんな優勝するんじゃないか的な
男達の物語。
その持った力をどう使うかの対比を
興味深く観た。
その力に知性とか哲学が無ければ、
ただの乱暴者であり荒くれ者で
ただただ迷惑でしかない。
逆に、その力に
知性や哲学、優しさがあれば、
市井の弱いものを守る砦となり武器となる。
その対比はこれでもかと
わかりやすく描かれていた。
自分の能力の器を越えた力を手に入れると
普通の人は狂うし、
その力を行使したくなる。
登場人物の一人は、
自らの器の大きさを見誤り、
力の使い方を間違えて狂った。
しかし、その実、小心者で、
自らの力に溺れ、
身を滅ぼす。
それは過去にも起こっていて、
物語の静かな通奏低音になっている。
今や大人から子供まで
自らの器を超えた力を手に入れる事ができて
指先一つで、人の人生を
完膚なきまでに壊す事ができる。
でもその力はやがて自分に返って来るのだ。
観終わった後、そんなことを考えた。
I first learned about this movie when Koki Mitani was a guest on NHK’s Asaichi. It was introduced in the movie recommendation segment, and perhaps because of that, the theater was nearly full.
The story revolves around men who are physically strong, skilled in combat, and would likely win any mixed martial arts tournament.
I watched with great interest how the film contrasted the ways in which these men wielded their power.
If one possesses strength without intelligence or philosophy, they are nothing more than a brute, a reckless troublemaker who brings only chaos.
On the other hand, if that strength is accompanied by intelligence, philosophy, and kindness, it becomes a shield to protect the weak and a weapon for justice.
This contrast was depicted in an incredibly clear and striking manner.
When an ordinary person gains power beyond their capacity, they tend to lose themselves and become eager to exercise it.
One of the characters in the film misjudged the size of his own capacity, abused his power, and descended into madness. Yet deep down, he was nothing but a coward, drowning in his own strength, which ultimately led to his downfall.
The same thing had happened in the past, serving as a quiet yet persistent undertone throughout the story.
Today, people of all ages have access to power beyond their own capacity. With just a flick of a finger, they can utterly destroy another person’s life.
But in the end, that power will always come back to them.
As I left the theater, that thought lingered in my mind.
黄昏の香港を背負いつつ、しかし映画とアクションに対するエネルギーがあふれ出ている一作
噂に聞いた九龍城砦ってどんなところかと思いながら観始めたんだけど、バラックが積み重なった迷宮のような構造と毛細血管のように壁面をはい回るおびただしい電線、雑然というか混沌を極めているのにそこに生きる人々の生活がちゃんと成り立っている状況、などなどに冒頭から圧倒されました!
本作が香港アクション映画の最高峰の一つであることは疑う余地もありませんが、同時にスラム街を表現した美術面でもトップレベルの作品であるとも言えそう。電線マニアでなくとも、この描写には思わず見入ってしまうでしょう。
そしてこの圧倒的な九龍城砦が単なる背景にとどまる訳はもちろんなく、谷垣健治アクション監督による香港のアクションスタントを知り尽くした演出は、垂直構造と狭隘な閉所という空間的特徴を存分に活かし切り、見たこともないようなアクションを現出させました。
主人公チャンを演じたレイモンド・ラム、彼を庇護するロンを演じたルイス・クーらをはじめ、若手ベテラン問わず俳優たちが息もつかせないような集団アクションを見せれば、サモ・ハンもまた堂々とした悪役っぷりを見せつけるだけでなく、ブルース・リー直伝のアクションを長丁場で披露するという香港アクションのまさしくてんこ盛り。
ハリウッド大作映画と比較にならない低予算であるにも関わらず、リッチとしかいいようのないアクション映画を作り上げたソイ・チェン監督の手腕は見事です。
大興奮・大満足の作品なんだけど、ネオンサインを模したタイトルデザイン、争奪の対象なのにすでに消滅が運命づけられている九龍城砦自体の佇まいなど、やはりどことなく黄昏の様相を漂わせているところがあります。だが感傷に浸ることなく、たぎるエネルギーを爆発させることで香港映画人としての存在を強く主張するあたり、香港の中国返還直後に香港映画の底力を見せつけた『インターナル・アフェア』(2002)の制作経緯と本作が妙に重なり合って見えるのでした。
本作を楽しんだ方には、サモ・ハンら香港映画のアクションスタントを背負ってきた映画人の人生とその功績、そして香港映画界の現状について描いたドキュメンタリー作品、『カンフースタントマン 龍虎武師』(2021)の鑑賞をぜひお勧めしたいところ。本作が一層味わい深くなること間違いなしです!
面白いけど
アクション映画最高峰
採点4.8
監督はソイ・チェン、アクション監督に谷垣健、音楽が川井憲次と、この時点ですごい興味を惹かれていました。
まず制作に10億近く使ったという九龍城砦が圧巻。
今まで映画などで見た九龍城砦のどれよりもリアルで(直接見たことないけど)その要塞感に圧倒されます。
城内も外観もとにかく作り込みが半端で無いんですね。
キャストも豪華で主演のルイス・クーをはじめアーロン・クォックやリッチー・レンにサモハンまで。
そして一際輝いていたのがルイス・クー、役所もあってとにかく格好良い.んですよ。しかも強い。
そういえば同監督「ドラゴンマッハ 」にも出てましたね。
何より怒涛のアクションがとにかくすごい。
いわゆる「カンフーアクション」に拘らず自由に広げていて、それがまた見応えがあるんです。
もちろんちゃんとカンフーも使っており、このごっちゃになった感じが実に九龍城砦っぽい。
アクションは九龍城砦の上下左右窮屈な空間を見事に使っていて、ここら辺にも谷垣健ならではのテイストを感じました。
ラストの戦いなんかは観ていて手に力が入るほどでしたよ。
ストーリーは王道ながらも胸にくるものがありましたし、これは観に行けて良かった。
今現在のアクション映画最高峰と言って良いでしょう。最高でした。
鑑賞動機:評判10割
超絶アクションに驚愕する一方で、そこはかとなく過去の香港/九龍、への郷愁も漂う。セットで作ったというけど、その力の入れどころは正解なのか。遠景でも中からでも雀牌でもそのカオス振りが見てとれる。
役者さんはサモハンくらいしか知らないのだけど、キャラ立ちがすごくて、主人公、イケメン、HK(違います)、菅田将暉7掛けの4人組の日常シーンもちょっとほっこりしてしまう。子役の子もいい。
幹部やボスが強いのは、ここでは力が全てだからなのかもしれない。
オタクはみんな好きなやつ
壮絶に帰ってきた香港ノワールの傑作!
久しぶりの香港映画は純度100%の香港ノワール
映画好きの友達から評判を聞いて観に行きましたが、今どき平日の昼間っから大きめの箱がほぼいっぱいでいきなり驚かされました。
中身はと言えば、古き良き香港ノワールそのもので、龍兄貴を中心とした九龍城砦の熱い絆に胸が熱くなりました。特に龍兄貴は漢ごころに漢が惚れるイケオジですね。
あと、サモ・ハン・キンポーさんをみると、どうしても私の観てきた香港映画でのコミカルさが脳裏をよぎるのですが、そうした要素は一切ない役柄で活躍されてました。
難点はと言えば、これは私の力量不足ですが、登場人物の名前が飲み込みにくくて、お互いの人間関係がパッと見でわかりにくかったのと、あとはラスボスの気功が無双過ぎたのがやや納得感に欠けたかな…まぁネタとして楽しむべきなのでしょうけども…硬直!(笑)
その点を考慮しても、漢たちの絆はムネアツであり、3.5くらいかと思います。
プロダクションデザインとそこを吹き抜ける風
かっこいい。バキバキに決まってる九龍城のルックはコミックが原作だからか。アメコミによくある暗黒街を見下ろすヒーローらしきビジョンが何度も出てくる。そしてそんなルックだからこそ可能なリアリティ外の超人バトルが繰り広げられ、、と言ってもまあかつての香港活劇もそもそもリアリティが何ですかって面白さだったので、刺されても刺されても死なない魔人のようなラスボスはぶっちゃけ笑いに笑いながら楽しめたし、その後のそこで暮らしていた庶民の生活のようなエンドロールには涙した。特に狭いスタジオ内(迷いの九龍城)に凧のエピソードからの風が吹きあげるラストのアクションシークエンスは素晴らしい。香港人の顔は香港活劇に出るために作られてるような気さえする。
そしてこの映画のポイントは狭さと人が所狭しと並べられ、そして程よい高さがあること。迷路のような生活空間の天井が抜けていて、同じフロア内で上と下でチェイスできたり、とにかくプロダクションデザインと、これを作った意気込みが凄い。更にアクション監督に谷垣健治、音楽に川井憲次の日本が誇るダブルケンシまで投入。冒頭の「ダンシングヒーロー」と後半の「モニカ」まで、いろんな意味で熱い。見て損はない。
本当は編集など、もっと削るところを削って押すところを押せば、とか思ったりもするけど、過剰なのが香港映画だしな、とか思いながら満足。
香港映画の醍醐味
時代劇級の超絶アクションを20世紀の設定で楽しめました
香港製カンフー映画、結構好きです。
香港製のカンフー映画には大別すると2種類あると思います。
一つは個人的に時代物系と呼んでいるもの。人が空を飛んだり、荒唐無稽ななんでもあり系。
もう一つは20世紀系。
グループ間の抗争やむちゃくちゃ強い主人公の殴り込みなどでストーリーもアクションもある程度現実的です。
本作は20世紀系の背景設定で時代物風の荒唐無稽アクションが繰り広げられるところが秀逸でした。しかも舞台は今となっては伝説的な地域、九龍城砦。
返還に先立って取り壊される前は啓徳空港に着陸する飛行機の窓から間近に眺めることができた現実にあったカオスです。
端的に言うと、隣接するビル群を一体として利用することによる立体的なスラム街です。
そんなカオスな舞台でほぼオール(サモ・ハンごめん(笑))イケメン俳優がこれでもかと暴れまくる痛快アクション映画。
ひたすらドライなアメリカ物と違って、友情、師弟愛、隣人愛もコッテリと盛り込まれているのも香港映画らしいです。
九龍城砦のカオスっぷりをデフォルメした力の入った美術が大きな魅力でした。
香港映画の伝統とも言える「男たちの友情」に胸が熱くなる
人間離れしたダイナミックなアクションや、「魔窟」と呼ぶに相応しい九龍城砦の造形が大きな見どころではあるのだが、それにも増して、因縁に彩られた男たちのドラマに引き込まれた。
特に、義兄弟の復讐と、友との約束の間で葛藤する九龍城砦のボスの苦悩は深刻で、見ているだけで身につまされる。
何よりも、主人公たちの価値基準や行動原理が、「組織の論理」ではなく「個人的な友情」に根差しているところには、思わず胸が熱くなってしまった。
ボスが思い悩むのは「友情」のせいだし、3人の仲間が命を張って主人公を助けるのも、すべてが「友情」のためなのである。
こうしたところには、「男たちの挽歌」などから受け継がれた香港映画のDNAが感じられて、何だか嬉しくなってしまった。
ボスの世代の爺さんたちも、主人公の世代の若者たちも、皆、超人的な戦闘能力の持ち主で、一体誰がラスボスになるのだろうと思っていると、出てきた時は単なるチンピラにしか見えなかった人物が、まさかの強敵になるところも面白い。
それにしても、ラストで主人公たちが九龍城砦に殴り込みをかけるのは良いのだが、気功の使い手で、いかなる武器も歯が立たないことが分かっている敵に、何の対策も練らずに戦いを挑むのは、余りに無謀と言えるのではないだろうか?
こんな化物、どうやって倒すのだろうかというハラハラドキドキは味わえるものの、普通のやり方では手に負えない相手だけに、もっと頭を使った「作戦」があっても良かったのではないかと思う。
そういえば、複数の仲間たちが、力を合わせて1人の強敵に立ち向かっていく様子は、「プロジェクトA」のラストを彷彿とさせる見応えがあって、そんなところにも、香港映画の復活の兆しが感じられる映画だった。
これが香港映画!九龍城砦で巻き起こる最強のカンフーと漢達のドラマ!
「硬直!」
▼感想
映画館で鑑賞!
評判が良いから見に行ったけど、本当に面白かった!!
舞台は香港。九龍城砦は最高のロケーション。アクションの舞台としても、人々の共同生活を描く舞台としても良かった。この映画をきっかけに香港の建造物に興味が湧いた。
九龍城砦で描かれるストーリーはとにかく熱い!漢達の友情や絆に胸が熱くなった!黒社会の抗争も刺激が強かった。
登場人物は皆カッコよくて、自分は特にロン・ギュンフォンがお気に入り…これぞ兄貴。慕うチャンやソンヤの気持ちも納得。サングラスと喫煙姿がかっこいい外面も、亡き友の約束と義兄弟との絆に揺れる内面も素晴らしかった。
アクションシーンでは最高峰のカンフーを観れる!特に「硬直」は理屈をぶっ飛ばすかっこよさ!他には四人で四肢を持って地面に叩きつけるシーンとかはあまりの勢いに笑っちゃった。カンフーがあまりに早かったからスロー再生でじっくり見返したりしたい!
この映画をきっかけに香港映画をもっと観てみたくなった!…こう思ったのは自分だけではないはず!
▼お気に入りのシーン
中盤のウォンガウ達が九龍城砦に乗り込んでくるシーン!
ここでのアクションシーンやロン・ギュンフォンのシーンが熱すぎて涙が流れた。
香港版High&Low
アクション監督の谷垣健治曰く『目指したのは三丁目の夕日とhigh&low』ってことだけど、まさしくそんな感じ。
そしてhigh&lowよりも格段に良かった。アクションのレベルも演出も余裕で越えてる。
いやしかし最高な映画だったな!
早くも今年のベストが出たかもしれない。
男達の義理、人情、友情に溢れた熱い映画だったしアクションも最上級。また、次世代への継承みたいなのも良いよね。
映画を見終えてまず思ったのがルイス・クーとフィリップ・ンを今まで過小評価してたなってことだな。
二人とも超かっこ良かったし、アクションもレベルが高かった。
もう一度彼らの出演作見てみようかな。
そしてやはり目を引いたのが主演をはじめとしたメインの若手4人。4人ともこれまでの出演作が少なく、情報もあまりなくて不安だったんだけど杞憂に終わりました。間違いなくこれが出世作になると思う。次世代のアクションスターの活躍に今後も期待したい。
25-015
ぶっ殺すぞ!
面白かったです。1980年代の香港のお話。敵対する勢力のもめ事がメインのストーリーですが、「香港ノワール」のような雰囲気ではありません。コミックが原作なので、コミックの現実離れした世界が繰り広げられます。舞台となった九龍城砦は、実在した場所ですが、実際に現実離れした場所だったようなので、現実離れした展開のストーリーであっても、違和感がないですね。1980年代というテロップが出ますが、冒頭でかかる曲からすると、1980年代後半でしょうね。
当時であれば、アジアで一番進んだ国は日本であり、多くのアジアの国は日本をベンチマークしていました。日本で流行したものをいち早く取り入れるというのは、実際にその頃に起こっていたことですね。日本の×××なビデオで日本語を覚えたという設定ですが、「ぶっ殺すぞ」なんていう日本語もそれで覚えたのだとしたら、かなりマニアックな作品を見ていたのかなと(笑)。
制作に関しては、多くの中国企業が関わっているようですが、香港制作だと、まだまだここまでハチャメチャの映画が可能だということでしょうか。シリーズ化されるようなので、今後の作品に期待します。
限りなく5に近い4.5
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