劇場公開日 2025年1月17日

トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦のレビュー・感想・評価

全304件中、21~40件目を表示

4.0返還前の香港を知る年代には懐かしい作品

2025年8月12日
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鑑賞方法:映画館

香港で大ヒットするのは分かる。その風景が懐かしいあの頃の香港を映しているし、大勢で集まってワイワイ楽しむ香港の習慣、文化が描かれているから。そして当時の香港映画に慣れ親しんだ者としては、この雑なストーリーの組み立て、熱い友情や恩義を軸に復讐へと命をかける流れが何とも懐かしい。
あの密集した雑多な街のネオンの中に飛行機が突っ込んでいくイメージの空港、その中でも特にヤバそうな九龍城砦という古い集合住宅地域、スクリーンを見ていてあの街の独特な臭いが漂ってくるような気がした。
サモ・ハンまだお元気そうで良かった。
本作のアクションは日本人チーム、本番香港の作品を手がけるなんて素晴らしい。
昔と違って自由に香港映画をつくるのは難しいかもしれないけど、文化が絶えないように頑張って欲しい。
ラストのカット集の雑さも、らしいファンサービスとして楽しみました。

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まっちゃまる

3.5なんか昔の懐かしい思いがする映画

2025年8月12日
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鑑賞方法:映画館

前評判が良く、みたいなと思っていたので今更ながら見にいくことに、最初から最後までアクションシーン盛りだくさんのスカッとする話かと思っていたのですが、復讐劇に利権絡みの話がありそこそこ面白く拝見しました。
しかし、話が進んでいくとどこかで見たなという感じがぬぐえず、昔の東映の任侠ものに近いものがあり、裏社会の映画はどの国も一緒かと変に納得してしまいました。
また、途中でご愛嬌程度にカラオケ機械のマニュアルを読むのに日本語が出てきたり、モニカ歌ったりそんな部分で時代を感じました。音楽が日本人てのもあるんでしょう。
映画自体は、可もなく不可もなくなんか昔の映画に浸っている感覚で飽きずに見れるのですが、正直少し長く感じました。もっと切れるところあるんじゃないと思っていたのですが、最後に削除されたシーンがおまけでついてましたがそこ残して、他切ればいいのにと思うシーンが1つ2つほどありました。
アクションシーンはやっぱり香港映画でした。
ワイヤーアクションの見本のような技の繰り出しや、いくら映画といえど死んでるだろうと思われる主人公たちのやられっぷりに後半笑いそうになりました。
また、サモハン・キンポーを久しぶりに見て懐かしいなと思いました。原作と少し違うようなので、原作も読んでみようかと思います。

最後に見終わって知ったのですが、るろうに剣心と同じ日本人がアクション監督なんですね。そういえば、顔にマスク?つけてた医者みたいな人も出てたし、はずしたら藤原…だったら大笑いだななどと帰り道で笑いそうになりました。

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たーちん

4.0見終わった後に全てスッキリする映画

2025年8月8日
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アクションが素晴らしいのはもちろんのこと、流れるようなストーリーも素晴らしかったです。
見終わった後に「いい映画見たな」とほっこりする作品でした。

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みる

3.5九龍城寨。 かつて香港が英国統治下だったころ、啓徳空港の近くに実際...

2025年8月5日
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鑑賞方法:映画館

怖い

難しい

驚く

九龍城寨。
かつて香港が英国統治下だったころ、啓徳空港の近くに実際にあったという、治外法権。
生計を細々と立てる人もいたり、裏社会の組も暗躍したり。
どこ出身だか、身分証は持っているか、そういう市民の前提さえも安定しない人々。

細々と暮らす側の人たちには、着実で丁寧で温情豊かさも感じつつ。

組同士の揉め事が、急に激化し、熱くなる男たちの模様。
アクションバトルがすごい見応え、というか現実離れすら感じる、
どこまでが現実の抗争だかカンフーバトルだか…。

物語というよりは、この映画の主な目的は
カンフーなどアクションをきれいに見せること、
役者を格好よく見せること、
なのでしょうかね。
抗争シーンばかりが長すぎて、見ていて飽きる感じもしましたが
そういう見方をすれば、たしかに美しい印象。

まるで、数年前にみた "RRR" のように、
ザコキャラでウォームアップ、徐々にボス級になり、ラスボス攻略に至るまで。
ただ映画を見ているだけなのに、体内のHPが、次々と奪われた感じがしました。

それにしても、建物の隙間のネオンや配管とか、レトロ香港らしい匂いが強烈な映像作品でした。

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woodstock

3.5そこに九龍城がある

2025年8月5日
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楽しい

興奮

正直前評判が良すぎて期待しすぎました。
面白いんだけど、超面白い!とはならなかった。

カンフー映画って殆ど見たことないですが、正直西部劇みたいな感じでちょっと昔のイメージがあります。
それを踏まえてなのか、前世代のおじさん達はカンフーも駆使したアクションをするのに対して、次世代は殆ど使わないのも良い対比になってました。
主人公たちと同じ次世代のラスボスは露骨に使いまくってましたが、それもカンフー(昔)を打ち倒す現代アクション、なお龍兄貴とカンフーに敬意を評して締めはカンフー、という意図を勝手に読み取れたので良かったです。
ストーリー的にも香港の移り変わりを描写してる訳ですし、そんなに間違った見方はしてないと思うけどどうなんでしょう?

宣伝にもありましたが、確かにセットがしっかりしており、生活感をヒシヒシと感じる描写も凄いと思いました。
描写されすぎてちょっと行きたくもないし、ましてや住みたくはないですね…

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tokoro

4.5侠気、郷愁、龍兄貴!

2025年7月31日
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鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

ドキドキ

遅ればせながら、配信で鑑賞(入城)いたしました。
兎にも角にも、龍兄貴がカッコいい!もう、構えただけでカッコいい。昭和のスターを思わせるような、貫禄と見応え。(今なかなか日本の俳優にこういうスケール感と色気ある大人の人いない)

インド沼からトワウォにいってる映画民が多いという話も、激しく納得しました。弩アクションと侠気と、血の因縁!ちょいちょい、「いや、そうはならんやろ」と思うとこもありつつ勢いと熱量で納得させられてしまう。

若い衆4人組もそれぞれ良くて(タイプが全然被らないことに感心)、素朴な洛軍の不憫さに心揺さぶられ、信一の美形っぷりは目に楽しかったです。
洛軍の吹替が小林親弘さんだったので、ゴールデンカムイの杉元のキメ台詞「オレは不死身だ!」が出るかなとちょっと期待しましたが不死身の人多すぎ強すぎで、洛軍にはセリフ回ってこなかった(途中、お姫様抱っこだったし笑)。

とはいえ目がいくのはやっぱりルイス・クー演じる龍兄貴でした。クライマックス、若い4人だけでラスボス(コイツがもう、なんていうか…w硬直!)に立ち向かうシーンでの、巻き上げる風の演出は「兄貴もここにいるぜ」な感じで胸熱…いまはもうない九龍城砦と、確かにそこにいた人々。
熱さの余韻と美しいエンディング曲に思わず目が潤み、若いのもいいけどカッコよく歳とるのすごくいいなと思わせて頂きました。
ありがとうアニキたち!!

追記・洛軍がひたすら働くシーン(下味の順番が覚えられないw)でのBGMがSnowman(日本のグループでなく)のテーマだったのがなんか不思議な感じでした、合ってたけど。

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えふいーねこ

4.5熱戦だし、九龍城ってだけでワクワクする

2025年7月21日
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なんか好きな要素が詰まった映画でした。
生活感や、登場人物それぞれの気持ち、アクション、終わり方全てよかった。

いけてる俳優たちだらけだし高いエネルギーを感じて、見て元気になりました笑

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ボイス

4.0「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」アクション映画として...

2025年7月19日
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鑑賞方法:VOD

「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」アクション映画として無茶苦茶面白いのはもちろん、エンディングで分かるように、多くの難民を受け入れて、多様な人種や文化、宗教が混在したかつての香港に捧げられた映画だと思う。あと、サモ・ハン・キンポーがまるで金子信雄だったのがツボでした。

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ピンボール

4.0香港人の心の玉手箱・・・九龍城砦!!

2025年7月16日
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鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

驚く

香港がイギリスから中国に返還された(1997年1月)
その5年前に香港に行きました。
ガイドの青年は、
「これが有名な東洋一のスラム街と呼ばれる九龍城です、」
と、指し示した場所は黒っぽい小高い山に狭い住宅が、
積み木のようにアトランダムに重なっていた。

今回はその内部に潜入したドッキリカメラマンの気分です。

3ヘクタールに500棟ものバラックのビルが積み重なっている。
内部には床屋も食べ物屋も、ドラッグストアも。
生活感溢れると共に、天井に黒黒した電線がぶら下がっている。

香港返還前の貧しくても自由で活気あふれる嘗ての香港を
懐かしみ、楽しむそのエネルギーに圧倒されました。

身分証を求めて悪戦苦闘していた主人公のヤン。
役所に行って探してもらったら、香港生まれの戸籍が、
ちゃんとありましたね(笑)
親は水上生活者だったらしく、懐かしい知り合いに出会ったりする。

トニー・レオン、レスリー・チャン、アンディ・ラウ、
この辺りの香港スター以降を知らないので、難しいフルネームは
誰が誰やら・・・

床屋の親父さんが大ボス?
新旧住民が争う、やばいヤクザモンも争う。
ヤンと仲間の友情とか、よく分からなかったけれど、
ともかく圧巻のラストの20分。

アクションに次ぐアクション。
《今夜は家を出るなよ》
女たち、子供たちに言い聞かせて、
ウラボシエのお祭りの賑わいを背景に・・・ここは賑やか、
城砦内部に入るとワイヤーアクションのアクロバチックな
動き。身体能力の高さに唸りました。

1993年に九龍城砦は、取り壊されたけれど、
香港民には懐かしい、楽しかった
思い出の場所。
今よりずうっと自由だったのでしょうね。

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琥珀糖

3.5同じアジア人でもこうも違うのかと

2025年7月15日
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楽しい

劣悪な環境を劣悪とも思わずにそこに生きる人々。
日本でも似たような環境はないとは言えないが、レベルが違う。
アクションの凄さも、そんなタフネスさあってこそなのだろう。
ストレートの白髪の親分役、誰だったかな…ほら、あの頃人気のあった…サモハンと同年代の…と思ったらまったく知らない人だった。ショックだった。

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自由の座

3.0良くも悪くもマンガみたい

2025年7月1日
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鑑賞方法:映画館

単純

興奮

予告編を観たらどうもあんまり僕の趣味ではないっぽかったんで観に行くつもりは無かったんだが、映画館であまりにも長く上映してるんで、じゃあ観てみるかと映画館に行ってきました。

うーん、やっぱりいまいち僕の趣味じゃなかったなあ。やはり世の評判より自分の直感を信じるべきだった。なんというか確かにアクション映画だし一種のカンフー映画ではあるが、どっちかっていうとバイオレンス映画の要素が強い。原作は小説とその漫画化作品らしいが、ノリとしてはヤクザ映画とかヤンキー漫画とか殺人格闘技バトル漫画なんかに近く、キャラクター設定やストーリー展開がいかにもそれ風で台詞もこてこてにクサい。どうもそういうのが趣味ではないんだよな。

またアクションシーンではワイヤー使いまくりで、ほとんど『グリーン・デスティニー』。時代劇やファンタジーやSFなら別にいいけど、現代アクションでそれをやられるとあまりにも人間技じゃなくて、あり得なさすぎる。最後の敵は気功で体が鋼鉄のように硬くなりどんな攻撃も受け付けないという、そんなんありか?な無敵キャラだったし。アクション自体は面白いっちゃ面白いんだが、どうにも違和感が強い。ま、それも漫画的表現なんだろうが。

九龍城砦内はほぼ全編セットで野外風景も多くがCGなのは仕方ないにしても、やはり作り物感が強いし、出てくるのが男ばかりで魅力的な女性が出てこないのも面白くない。正確には1人だけ若い女優が出てはきたが出番は少なく、あとはモブ的なオバサンか子供が少々だけ。ひたすら暑苦しい男たちの暑苦しい戦いが繰り広げられる。つまらなくはないんだが、やはり僕の趣味ではない映画でした。でもこういう映画が好きな人は面白いと思う。

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バラージ

4.0カンフーと九龍城

2025年6月20日
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鑑賞方法:映画館

やっと観ましたYO!

カンフー映画に興味ないのでスルーしようと思ってたんですが、ずーっと上映してますよね…ずーっと(笑)

1月から始まって現在6月の終わり、さすがに気になりますよ、こんだけ上映してたら(笑)

実は、もっと前に観ようと思ったことあるんだけど、すごい混んでたんで、その時は辞退しました(笑)

今回あらためて、ロングランと人気ぶりから期待して観たんだけど、予想より面白かった♪

運命の悪戯か…ドラマチックでエモーショナルな脚本、バッキバキのカンフー、みごとなアクション、再現された九龍城。

そりゃあ人気あるはずだわ、納得しました。

脚本が良かったですよね、カンフーもカッコ良くてカンフー映画にハマりそう(笑)

タランティーノが好きそうだな…と思いながら観てました。

ソニーのテレビなど日本の家電製品、吉川晃司さんの「モニカ」のカバーや「ダンシング・ヒーロー」など、バブル時代の日本を感じさせるモノも出てきます。

「モニカ」の中国語カバーは知ってたけど、カバーしたのはレスリー・チャンらしくて調べてみて驚いた、知ってました?

九龍城は、ザ・モッズが「junk yard 九龍」って曲を演ってたり、ゲーム『バイオハザード6』に九龍城らしき舞台が出てきたり、興味あったので楽しめました。

取り壊されてしまったのが残念ですね…

まだ観てない方は、ぜひ観て下さい。

もう1回観たい♪

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RAIN DOG

3.0

2025年6月12日
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鑑賞方法:映画館

単純

アクション映画を観に行くぞ!
って感じで観に行くと。
なんだ、こんなもんか。
ってなります。

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nya3nyan

5.0カンフー映画。アクションシーンがカッコいい。香港の描写が雑多として...

2025年6月11日
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鑑賞方法:映画館

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興奮

斬新

カンフー映画。アクションシーンがカッコいい。香港の描写が雑多としていて観てるこっちまで臭ってきそうな臨場感。

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YUBO

3.5ラスボスがチート

2025年6月7日
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口コミが良いので鑑賞。
匿ってくれる兄貴と主人公の親の関係が良く解らない。
何故、命まで賭けて助けてくるかも良く解らない。
その3人の兄貴達の関係も。
ワイヤーアクションが物凄い。
ラスボスがめちゃくちゃ強い、チート。
4人掛かりでも全然敵わない。
やっと倒して物語が終わる。

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ライブラ

4.5アナログ描写と新技術の融合に涙

2025年6月6日
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鑑賞方法:映画館

ウォリアーズ、と複数形なのがポイントに思う。
敵が強すぎるゆえに戦いが続いておもしろい!!
特別映像は見てないけれど、セットがとにかくすごい。
そのセットは時代に合ったアナログ感を大切に作り込んでいるのに、そこで繰り広げられる戦いにはけっこうな映像技術を取り入れているように思う。
そのバランスが全然違和感なくて、最終的には涙してしまう温もりのある技術作品になっていた。
すごい!!
マイナス0.5なのは、きっとこれを超える人情と技術のバランスがとれた感動作が今年見れるだろうという期待。

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ひかりすぎ

4.0こういうのでいいんだよ

2025年6月1日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

暴力×裏社会×友情×サモハン
これが面白くないワケがない

個人的にタイガー兄貴がお気に入り
兄弟分への仁義を大切にしつつも、若い世代への理解もあるから

硬直野郎はキャラ的には弱そうなのに強すぎて斬新だった

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ほっけ

4.5還暦前夜の僕とZ世代女子の会話

2025年5月15日
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もうすぐ還暦である。ビジネススキルの育成に関わる仕事をしてきた。そして近頃、何か今までの前提がガラリと変わる予感がある。「静かな退職」現象とか、出世よりやりがいと意味だとか。Z世代と呼ばれる若者たちから、地殻変動のような価値の転換が起きているのを感じる。

日本の企業経営者や管理職にはたまったものではないだろうけれど、僕はこの変化を、おおむね好意的に受け止めている。
もちろん、危うさがないわけではない。Z世代には、自殺願望の強さや幸福への諦めといった傾向も見られる。昭和世代からすれば、暴力や公害は減り、携帯もあり、良い時代になったはずなのに——。

とはいえ、Z世代を知ることは、これからの世界を知ることだと思っている。何より楽しい。たまたまでも彼らが話しかけてくれたら、僕はできる限り一生懸命、耳を傾けて話すようにしている(話しかけるのは、今や何かのハラスメントになりそうだから…)。

そんな彼らの一人、会社の後輩の優秀で穏やかなZ世代の女子が「最近ハマった映画」として教えてくれたのが、この『トワイライト・ウォリアーズ』だった。
違和感しかない——。
80年代の返還前の香港が舞台、カンフーアクションの復活。これは、どう考えても僕たち「還暦おじさん世代」のものではないか?

実際、返還前に一度だけ訪れた香港は、猥雑で小汚く、そしてエネルギーに満ちていた。九龍のビルすれすれに着陸する飛行機は、怖かったが記憶に残っている。この映画の舞台である九龍城も、憧れながらも恐れて訪れられなかった場所だった。

だからテンションは上がった。しかし——
上野の映画館、公開から4ヶ月が経った夜の回で、観客の8割が女子、それもZ世代らしき若い子か多かった。なぜ? その謎を探りながら、映画を観始めた。

映画はヤクザ映画のような抗争と暴力の群像劇。誰が主役かも分かりにくい。理不尽に扱われた男が逃げ込んだ九龍城でもまた酷い目に遭う。Z世代が共感する要素など、どこにも見当たらない。もしかして彼らはホワイト化した現代で理不尽に憧れてるのか…。そんなわけない。

物語が進むにつれ、変化していく。
理不尽のなかでも男は九龍城の隙間でなんとか生き延び、少しずつ受け入れられていく。そこには血のつながりも利益もない。ただ一緒に生きるということの中で育まれる絆があった。

映画の中で、みんなで1つのテレビを見て笑う場面が2回出てくる。これは象徴的だと思った。コミュ力とか、チームビルディングとか、そういうものではない。ただ隣にいる人と話すわけでもなく、一つとものを見て、一緒に笑っている。それだけのことが、なぜこんなにも尊く見えるのだろう。

現代の企業社会では、「成果と効率」を前提にした共同体が支配している。親分(上司)は短期成果を背負い、リーダーの仮面を被って部下を追い立てる。対話や傾聴の試みは進んでいるが、それは同時に「しゃべる努力」を求めるもので、しんどいのだ。
それにそのテクニックを成果のために使う人は正直多い。仮面を被っているから、良き人格が育ちにくく、企業的な人格に乗っ取られてしまうのだ。

一方、この映画で描かれる共同体には、しゃべらなくてもいい、役割がなくてもいられる、ただ「一緒にいてもいい」という場がある。
それは結婚や地縁や会社からは抜け落ちた、新しい“受容の形”かもしれない。

僕はずっと、そういう共同体の不自由さから距離を取ろうとしてきたけれど、この映画には心から感動した。みんなで一つのテレビを見たいな、と、思った。

最後に——
この映画は、庵野秀明が『シン・エヴァンゲリオン』で描いた救済の形にも似ている。初期のエヴァが描いたのは「溶け合い」という退行だったが、シンでは「自立した者同士の緩やかなつながり」が描かれた。

『トワイライト・ウォリアーズ』もまた、カンフー映画の形式を借りた、“自立と受容”のユートピアの試みだ。
繰り返し観るZ世代女子たちは「こうあって欲しい世界の幻影」を見ているのかもしれない。

やっぱり何かが変わろうとしている。そんな兆しを感じた映画だった。

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nonta

5.0香港、久々に行ってみるか、。

2025年5月8日
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鑑賞方法:映画館

香港映画ってこんなに面白いんだ!ってことを教えてもらいました。
九龍城砦は清朝時代から軍事要塞として始まったが英国統治後も管轄が曖昧で法が及ばない無秩序な地になり、上下に積み重なるような違法建築で増殖し5万人もの人々が暮らす独特のコミュニティが形成されていったとのことである。
映画は圧倒的なアクションシーンが満載で皆んな人間離れした動きをするし、どんなところに激突しようが死なないし、気功とやらで刃物も刺さらない超人もいるのでハラハラドキドキしながら決闘シーンを楽しめるとこがとにかく素晴らしい。だがこの物語を分厚くさせるのは登場人物たちの人間模様(皆んなカッコいい)とそこで暮らす人々の生活の息づかいの描き方がとってもいいのです。ラストシーン4人の若者がトタン屋根にたち(落ちそうなんだけど)これからの香港とこの地も変わっていくことを話すとこなんかグッときてしまいます。
アクション監督が谷垣健治で音楽が川井憲次で重要なスタッフに日本人が入ってるのが嬉しい。荻野目洋子「ダンシング・ヒーロー」や吉川晃司「モニカ」が流れてたが当時は空前の日本カバーブームだったかららしい。
あと、なんとソイ・チェン監督は続編と前日譚の両方を同時に進行中と言っています。前日譚は1950年代の九龍城砦の変化の過程を描き続編は九龍城砦なき後を描くとのことである。
楽しみでしかないです。
先日、香港に行ってた友人に、どんどん中国化してるじゃないか?と聞いたら「香港は香港のいいところを守り活力がある」と言っていた。
香港、久々に行ってみるか、。

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アベちゃん

4.5サンクス!サンクス!サンクス!硬直!

2025年5月8日
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楽しい

興奮

登場人物みんな普通に30回は死んでると思うのだが、そんなことを考えさせないくらい目まぐるしい格闘アクション、魔窟のような九龍城の構造を活かし上下左右前後斜めへ動きまくる格闘シーンは香港カンフー映画ならではの楽しさ。マッドマックス怒りのデスロード的劇伴も盛り上がるし、サモハンはじめジジイがみんな強いのもいい。ラスボスがまさかコイツ?という驚きもあった。なお、ロン兄貴は肺病患ってるのにタバコ喫いすぎで、もう少し健康に気を遣うべき。

80年代、入ったら生きて帰れないと日本でも言われていた九龍城、阿片窟みたいな場所だと思っていたが、普通に暮らしてる人々がいた超巨大な長屋だったことに驚く。そんな九龍城はもうなく、カリーナや117クーペが走っていた香港そのものが今はまったく違う都市になってしまったのが悲しい…。

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ジョンスペ
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