劇場公開日 2025年1月17日

「香港アクション映画の真髄を見よ!」トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5香港アクション映画の真髄を見よ!

2025年1月19日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

興奮

予告を目にしなかったのですが、映画.comの紹介文に惹かれて鑑賞してきました。公開2日目の朝イチの上映回でしたが、観客が多くてびっくりしました。みなさん、おもしろい作品はちゃんとリサーチしてるんですね。

ストーリーは、とある組織の下で日銭を稼いでいた、香港への密入国者・陳洛軍が、搾取に耐えきれず、組織が扱う麻薬を盗んで九龍城砦に逃げ込み、そこで出会った人々との交流を通して束の間の安らぎを得るようになるが、チャンを匿ったことで、九龍城砦を治める龍捲風が率いる組織は、陳を狙う他組織との抗争を激化させていくというもの。

冒頭から怒涛のアクションが展開され、あれよあれよという間に作品世界に引き込まれます。全編通して、ふんだんにアクションシーンが盛り込まれており、最後まで飽きさせません。その場の環境を巧みに利用し、手近なもの瞬時に武器として扱い、素早くトリッキーな身のこなしで魅せる格闘シーンに、香港アクション映画の真髄を見る思いがします。

ストーリー的にも、密航者の陳が居場所を求めてさまよい、九龍城砦で初めて安らげる仲間と場所を得て、自身に注いでくれた優しさに応えていくという流れは、シンプルに熱いです。そして、その背景として、裏社会で地位を占めるボスたちの過去の因縁や陳の出生の秘密が明らかになっていき、物語に奥行きを与えていきます。正直言って、登場人物の名前が覚えきれず、理解が浅いところもあると思いますが、メインストーリーから脱落することはなかったです。

こんな感じで、とにかく男たちの熱い友情と強い絆を感じさせる骨太のストーリーと息をつかせぬ迫力のアクションが魅力的です。そして、これを混沌と秩序が同居した魔窟のような九龍城砦を舞台に描くのだからたまりません。九龍城砦は、その昔香港に旅行に行った際、現地ガイドから「絶対に近づくな」と言われた場所だったのですが、こんな地だとは全く知りませんでした。今は取り壊されて公園になっているようですが、本作では往時を偲ばせる再現度で、本当に見応えがあります。

というわけで、「香港アクション映画が好きなら黙って観ておけ!」と言える作品なので、お時間と興味のある方はぜひご覧ください。

主演はルイス・クーで、アクションはもちろん、佇まいからオーラまで、全てがかっこいいです。脇を固めるのは、レイモンド・ラム、テレンス・ラウ、フィリップ・ン、サモ・ハン、アーロン・クォック、リッチー・レンら。太った大ボスが終盤に見事なアクションを披露していて、演じていたのが懐かしのサモ・ハン・キンポーだとあとで知ってびっくりしました。70歳を超えているとは思えません。

おじゃる