「歌うますぎ!」名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN 映画鑑賞初級さんの映画レビュー(感想・評価)
歌うますぎ!
むかしむかし、「風に吹かれて」「花はどこへ行った」はPPMの曲だと思っていたボブディランのファンでも世代でもない、登場したアーティストはもちろん誰一人知りません
伝記映画ということで、知らなくても楽しめるかなという気持ちで乗り込みましたが、ストーリーがボブディランの完成形態から話が始まっており、あれよあれよという間に売れっ子になり、創作にさほど思い悩む場面もなく、ショービズ界の流れに反抗する(というか無関心?)わりとおぼこいやつという印象で映画的にはちょっと物足りないストーリー展開と思うのは私がファンではないからでしょう
(鑑賞後にボブディラン世代と思われるご夫婦が「おもしろかったねー」と楽しそうに話していらっしゃいました)
最後のフェスで関係者や観客からもブーイングを受けたあたりは、演歌を聴きに行ったら演歌歌手にロック歌われた感じなのかなぁと想像したりしました
しかしながらステージでロックを歌っているシャラメくんはまさにロックスターそのものと思わせられる乗り移り度の高さに、そのライブに観客として参戦したい気持ちになりました
劇中歌を自身で全曲歌っていたのももちろん影響していたんだろうなと感じました
噂によるとボブディランはあちこちから引用して歌詞などに使用して非難されていることもあるらしく、ノーベル賞はそこらへんをどう考えて賞与したのかなと思いましたが、私が考えたところで何がどう変わるわけでもないのでまあいいですが、受賞後にノーコメントだったり授賞式に行かなかったりの理由が理解できた気がしました
そんなマイペースなところもボブディランの魅力の一つなのかなと感じました
シャラメ君だけでなく、戦闘機を乗り回していたはずのバエズ役モニカ・バルバロも本物のカントリー歌手かと思いましたし、何よりエドワードノートンの歌のうまさに感嘆
ハリウッド俳優さんて歌もプロ級なので、歌のある作品も見るのが楽しみです