今日の空が一番好き、とまだ言えない僕はのレビュー・感想・評価
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コントの書式を使って詩情溢れる世界を表現した斬新な傑作
世間のメインストリームに乗れない若者たちの人間、恋愛関係が描かれる。
彼らは日々の様々な状況で”違和感”を感じ、
言葉の読み方を変えたり、いろいろとツッコミを入れるシーンが出てくる。
これは、シュールなコントのネタのような構成だが、
その多くが楽しい、明るい感情ではなく、
悲しい、切ない、辛い感情のシーンで出てくるので、
笑いと哀しみという一見相反するものが近しい関係にあると思わせられる。
また、クライマックスの主要なシーンにおいて、構図を固定して、動きもなく、
話し手が長々とひたすら心情を告解する挑戦的な構成は、
コント的な自分自身へのツッコミを織り交ぜた斬新なセリフと、
素晴らしい俳優さんたちによって、集中度高く、強烈に印象に残るシーンとなった。
一方、傘、ギター、犬、洗濯ネットなどの物語のキーとなる事象の表現は、
対称的に説明も少なめで、映像や音楽主体で語られる部分が多く、詩的な余情に溢れている。
他にも、後半、醸成されていったかに見えた彼らの共感が容赦なく崩壊、急転する場面や、
ラスト実家でのワンワンの所作、大音量のテレビを背景にした会話など、
全編にわたってコントの書式と詩的な映像、音楽表現が見事に両立、融合されていて、
ものすごく革新的な映画だと感じた。
何度も繰り返し観たくなる
演出がありきたりの飛び道具なのに、ドヤ顔してきてしんどい映画
とにかくセリフが全部「花束みたいな恋をした」を余裕で超える気持ち悪さなので、あれがダメだった人はこの映画も生理的に受けつけないのでは。「洗濯機のゴミ」とか「鳩時計のほこり」とか「TVのボリューム最大」とか「山根弁」とか、思い出しただけで気持ち悪くなる。
ストーリーは中・高生向け恋愛映画(邦画)の王道。「セカチュー」とか「いまあい」とかとたいして変わらない。現実には起こりえないような偶然(実は彼女と彼女は●●でした!)や登場人物がいきなり死ぬなど、何の工夫もなく山場を作る手法で鼻白む。
ストーリーがあまりにもダメなやつなので、監督が何とか大人でも観られる映画にしようと頑張ったが、俳優が凄いのでたまたま上手くいった部分(伊東蒼関連)もあるものの、大半はキモいセリフにキモい演出のかけ算になってうんざりする映画になってしまっている。
さらに、おそらく原作にはない要素(フェミニズム、パレスチナ問題)を入れているが、これがまさにとってつけたものにしかなっておらず、ほとんど何の効果もあげず空回りしている。小西のダメさや暴力性みたいなものを多少は炙り出す効果があったかもしれないが。
犬関連と、桜田家父のファンタジー演出はすべて上手くいっていなかった。前半の縦横サイズを主人公主観で変える部分とか、後半の花をいきなりズームする部分とかが代表だが、とにかく演出手法がありきたりの飛び道具なのにドヤ感がすごくて、いちいち鼻白まなくてはならないのでしんどい。犬のスローモーション映像で「小西の中の何かが変わった!」みたいな演出は3回くらいあったのでは。あれは本当に酷いと思った。
撮影も気持ち悪い。特にラストの目尻の唐突なズーム。主人公のフェティシズム視点なんだろうが、単なるおぞましいセクハラ映像になってるだけ。
あと、現代が舞台なはずなのに大学生の登場人物はみなガラケー世代っぽい。スピッツが好きというもそう。そもそもストーリーもケータイ小説っぽいし。
ただ、中盤までの伊東蒼の出てくるシーンはだいたい全部よかった。ある機能を果たすためだけの人物にしたくないという演出意図はハッキリ効果をあげていたと思う。
脚本も演出も撮影も編集もダメだが(音楽と美術は普通くらい)、俳優陣は素晴らしい。というより、河合優実と伊東蒼のおかげでなんとか映画として成立している作品。
とにかく、「花束みたいな恋をした」がダメだった人はお気をつけて。
表現しづらいです。
レビューが良かったので鑑賞。やっている映画館が少なかったためか、満席だった。
前半の大学のシーンは自分の大学時代を思い出した。
銭湯の深夜バイトってあるのかな?と思って調べてみたのですが、あるのですね。
他の方のレビューを観て、河合優実の暴言は主人公の妄想だったのでは…?とのことで、そこはなるほどと思いました。
観て良かったといえばそう思うし、観なくても良かったといえばそう思う映画でした。
映画ってどうしてこうも簡単に死を扱うのか。レアすぎるものを扱うのか(この映画で言えば姉妹だったこととか)。
それが映画というものなのか…映画通ではない私にはわかりません。
とりあえず、観終わったあとに『恋愛クレイジー』は聴きました。
アレ(優勝ではない)
傘から解放されて青春を謳歌する
大学生の青臭さ、恋愛と友情、恋心と失恋、勝手な妄想と思い込み、自分のバカさ加減に呆れる後悔、そんな20歳前後のリアルを生き生きと描いた作品。
単なる恋愛映画ではなく、話の展開も予想の斜め上を超えてくるので、最後まで目が離せない。そして、大人が観ていても若かりし頃を思い出して思いっきり切なくなれる。なるほど、何度も観たくなる人が続出する訳だ。
小西にも桜田にも長台詞があるんだけど、何といってもさっちゃんの「大演説」には誰が観ても苦しくなる程に胸がぎゅっと掴まれる。まさに、この映画の最大のハイライト。
本作で大きな役割を果たす小道具が「傘」。傘は雨などから身を守ってくれる道具であると同時に、人との距離を取らせ、自らの姿を隠す役割をも果たす。不安で手放せない状態から、有頂天ですっかり手放す状態、忘れていたものが再び登場し現実を突きつけられる状態、等々、それは小西にとっての精神状態を端的に象徴し、無防備になった桜田は傘無しで雨の音を聴くことで自らの殻を破っていく。ある意味、『美晴に傘を』と共通したメッセージが見出せるのが面白い。
演技に定評のある河合優実だが、終盤、あれだけの長回しの顔アップでの表現力は流石。だが一方で、今回は伊東蒼の演技の素晴らしさが光っていたと思う。
最後に一点、自分的に気になったのが喋り方。吉本の出資だからといって、そこまでノリツッコミ的な話し方を多用しなくても良かったんじゃないのかなぁ?あれが関西では普通、とか言われたら、関東人の自分にはついていけないなぁ。
三者三様
大九明子監督
監督のある種の到達点
最後まで観るとビックリする
関心領域‼️❓爆音‼️❓不適切にも程があるのか無いのか‼️❓
関大関係者必見
キラキラしてない青春映画
伊東蒼さんの独白パートだけでも満点!
お笑いコンビ、ジャルジャルの福徳秀介さん原作の同名小説の実写映画化です。
原作は未読ですけど言葉の選び方とか並べ方、その溢れ出し方(?)・・・などが原作に忠実に脚本化されていると仮定するなら、福徳秀介先生(急にすみません!)ってかなりの文才とおそらくお笑いで培われただろうセンスがあるなあ、と感心いたしました。上から目線で本当に申し訳ないですけど。
主人公がお団子頭で一人学食で蕎麦食う女子に一目惚れする件、そして同じ属性を持つ二人が惹きつけ合うとこは、正直あまり共感もしなかった(笑)のですが、銭湯のバイト先のさっちゃんの何気ない仕草、その動向が気になり始めてから一気に心情をもってかれました。
特にさっちゃんを演じた伊東蒼さんの独白パートの迫真の演技にやられて、当方過去のいろんな感情が溢れて出てきて涙を誘いました。正直この素晴らしい場面を観れただけでもレビューで満点上げたいと思ったくらいです。なんとも尊い心に残るシーンでした。
さっちゃんおすすめの曲は、私も大好きで当時、この曲が入ったCDも購入したくらいです。キーが高くて名曲なのにカラオケとかで歌えないのが残念です(笑)。
おすすめいたします。
では。
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