劇場公開日 2024年12月14日

キノ・ライカ 小さな町の映画館のレビュー・感想・評価

全17件を表示

3.5映画館という存在の意味

2025年2月16日
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鑑賞方法:映画館

慌てて「枯れ葉」だけ観て臨んだ「にわか」にとっては、カウリスマキの映画のタイトルが出てきてもチンプンカンプン。それよりも「この街の人々にとってはカウリスマキは誇りなんだなぁ」ということをしみじみ思わされる映画。
だからといって嫌いとかいうのではなく、むしろ日本との親和性とか、自分にとっての身近な風景との類似性とかを感じ、眺めていて心地よさがあった。

「カウリスマキがつくった映画館」ということで、こうして映画化しても興行的に成立したのだと思うが、本作の中で投げかけられている「映画館の意味」というのは、今のような配信全盛の時代にあっては、万国共通で考えさせられる問題だった。
経営という面では、設備の更新やら、来客の減少やらで厳しさを抱えているところも多いと思うが、映画の中でも言われていたように、「映画館」という存在は、地域のコミュニティセンターのような機能は大切にしていって欲しいと個人的に思う。
幸い、自分が最もよく通う映画館では、トークショーなどを積極的に企画してくれたり、学校に行きにくい子どもたちの居場所づくりとして、子どもシネマクラブという活動を積み重ねたりしてくれていて本当にありがたく思っている。

映画から得られるものは数多いが、それは他の人と分かち合うことで、更に豊かに広がる。
こうして、レビューを交流し合うのだって、皆さんがそういう価値を感じているからだと思う。
映画を通したこういうコミュニケーションは、リアルでもネットでも大切にしていきたい。

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sow_miya

3.0火を灯すという事

2025年2月16日
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鑑賞方法:映画館

「枯れ葉」では登場人物達の無表情芸が独特の効果を生んでいたが、今回は淡々と進む情景描写的なシーン自体が無表情なお陰で、立派な人物が偉業を成し遂げる、みたいな暑苦しい話にならずに済んでいる。
田舎町に映画館を作ることで文化の種を蒔いた訳で、育たないかも知れないが、蒔かない限り発芽する事はないのだ。

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ひろちゃんのカレシ

2.0外を知らぬ日本人には物珍しい

2025年2月15日
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鑑賞方法:映画館

寝られる

枯れ葉という映画でこの作者の作品を知り、
追いかけるようになった、にわかの感想です。

やはり、北欧の地は私には未開であるので、
映画が始まってしまうと興味をそそられました。
しかしながら、自伝的な映画だったため場面ごとに
何かが起きるわけではなく、近所の人知り合いのインタビューや、ゆっくりと流れる時間を感じる手法に退屈さを感じました。

この監督などの物凄いオタクであれば、共感し、
興奮するのではないかと思いましたが、にわかの私には知らない人たちの会話をひたすら聞かされ、大人に連れ回されている子どものような気持ちでした。

ドキュメンタリー映画だとしても、映画ならもう少しハプニングを入れてもいいのではないかなと思いました。

個人的には、年齢的なこともあるでしょうが、
マウステテュトットの歌詞の方がより現実的で好きでした。

この監督の次作があれば、そちらに期待します。

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びっくら猫

2.0・・・

2025年2月5日
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鑑賞方法:映画館

難しい

寝られる

ドキュメンタリー映画のようだったが・・・
まったく経緯も知らずに観たので、正直、内容がよく分からなかった。

洋画で日本の歌と言うのが・・・ちょっと不思議な感覚。

画は良かった。

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north-wind

3.0カウリスマキの映画館

2025年2月2日
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鑑賞方法:映画館

アキ・カウリスマキが出身地の田舎町に映画館を作った。映画館ができるまでの作業の様子に加えて、町の住人や彼と関わりのある人々が、映画館への期待や彼の作品について語る姿を、ある意味無造作につないでいく。
ほとんどのショットがフィックスで、色調や間の取り方含めて、カウリスマキの作品世界そのもの。ヴィダク監督は、映画館ができる1年前から実際に現地に移住していたそうだが、膨大に撮りためた映像を編集したのか、それともカメラをセットしてから人々に語らせるフェイクドキュメンタリーにしたのか?
突然ニューヨークに変わって、ジム・ジャームッシュが出てきて驚くが、カウリスマキの作品や想いについての良い解説になっていた。
最後に彼自身が語る「映画館を作ったのは町への恩返し」という言葉を、そのまま素直に受け止めた。
音楽の使い方も、まさしくカウリスマキ調。謎の日本人歌手、篠原敏武の実物を観られたのも嬉しい。

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山の手ロック

4.0ドキュメンタリー…なの…か?

2025年2月1日
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鑑賞方法:映画館

いつものカウリスマキ映画かと錯覚してしまうほどで、人々の会話もセリフがあるかのようだし、カメラのアングルなども一般的なドキュメンタリーとは一線を画す仕上がり。
出てくる人たちも演出が入ってるのでは?と勘繰ってしまうほど、9000人ほどの小さな村なのに個性的な精鋭ぞろい。

ジャームッシュのインタビューでドキュメンタリーらしさを見せるも音楽かけたあたりで、やっぱ何だコレ?ってなる。
短いながらもカウリスマキらしさに溢れた、クセつよでもっさりなのにオシャレで変なドキュメンタリー。

しかしながら映画館が出来ていく過程をじっくり観たかったのだけれど、思ってたほどは観られなかったのは少し残念。

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コビトカバ

3.5【アキ・カウリスマキ監督と作家のミカ・ラッティ達がフィンランドの人口6千人の小さな町カルッキアに映画館「キノ・ライカ」を作る過程を、関係する人達へのインタビューを交えて撮影したドキュメンタリー作品。】

2025年1月26日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

幸せ

  今作は、アキ・カウリスマキ監督の諸作品の様に淡々と、描かれる。だが、その中身は監督の映画出演者たちや、友人であるジム・ジャームッシュへのインタビューで溢れている。
  どの人も「キノ・ライカ」(”キノ”はフィンランド語の映画という意味。ライカはアキ・カウリスマキ監督の愛犬(2匹)から取られている。)の誕生を喜び、その映画館の中に作られたバーでグラスを傾けながら、アキ・カウリスマキ監督の諸作品について嬉しそうに語るのである。

  一番驚いたのは、篠原敏武さんかな。”雪の降るまちを”を歌っていた人である。アキ・カウリスマキ監督のご近所さんだそうである。

  ニューヨークでのジム・ジャームッシュへのインタビューも、面白かったな。

<”何時か、映画祭を””地域のコミュニティセンターに”等々、ミニシアターの最善の在り方を探究するアキ・カウリスマキ監督の姿勢は、ヤッパリ映画愛に溢れているんだな、と思ったな。>

<2025年1月26日 刈谷日劇にて観賞>

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NOBU

2.0思っていたより

2025年1月24日
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鑑賞方法:映画館

単純

幸せ

ずっと退屈。ドキュメンタリーとは言え、ずーっとフィックスのカメラ、目線も誰のもの?最後にナレーションで説明されてもね・・。
映画館が出来てみんな嬉しいのは解る、所々流れる日本語の唄が不思議な感じ。

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トミー

4.0映画好きには至福の時間となる

2025年1月24日
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鑑賞方法:映画館

名匠アキ・カウリスマキが仲間たちと作った映画館「キノ・ライカ」のドキュメンタリー。

カウリスマキや共同経営者の作家ミカ・ラッティらが2021年に映画館をオープンさせるまでをインタビューを交えて記録した。

フィンランドの鉄鋼の町カルッキラ。
使われなくなった工場に町で初めて作られた映画館。
深い森と湖、環境もいいなぁ。

ドキュメンタリーとしては食い足りないけど、映画好き、カウリスマキ好きには至福の時間となる。

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エロくそチキン2

「そんな事は問題じゃない」

2025年1月19日
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鑑賞方法:映画館

 フィンランドを代表する異能の映画監督アキ・カウリスマキが自身の故郷の田舎町に映画館を作ろうと、廃工場の一角で仲間と共にのこぎり・金槌を振るう姿を記録したドキュメンタリーです。僅か人口9000人の街ですから、そんな所に映画館を作って採算が取れるとは思えないのですが、カウリスマキは、

 「そんな事は問題じゃない」

と全く意に介さず、故郷に何かを返したいのだと語ります。カッコいいなぁ。街の主幹産業であった製鉄業が一挙に衰退する中、土地に暮らす人々もそれぞれに期待を口にします。その飄々とした語りは素朴な様でいて、これは俳優が演じているのではないかという匂いも漂います。でも、その辺の胡散臭さもカウリスマキ的として許せてしまうんですよねぇ。ちなみに、本作の監督はカウリスマキ自身ではありません。

 オープンした日の祝祭感も素敵です。これから本当に経営が続けられるかどうか僕には分かりませんが、映画ファン・カウリスマキファンとしては遠い島国から声援を送りたい! ここには希望がある。

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La Strada

4.0にわかファンですが、やはり面白い。

2025年1月13日
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鑑賞方法:映画館

2024年の1月に「枯葉」を観てハマってしまった、にわかカウリスマキファンです。
その後、アマゾンプライムで観れる映画を一通り観ました。
その魅力については、私の力では説明困難ですが、
普通ではない変な映画、ということは言えると思います。
それを面白いと思うか否かが分かれ道。
「キノ・ライカ」はカウリスマキファンなら面白いと思うけど、
そうでなければ寝てしまうかも。

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ぜん

4.5街に映画館がやって来る!というワクワク感が伝わってくる一作

2025年1月13日
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鑑賞方法:映画館

フィンランドに留まらず世界を代表する映画作家、アキ・カウリスマキ監督が故郷フィンランドで行っている映画館建設プロジェクトの一端を記録したドキュメンタリー作品。というとちょっと堅い内容を想像してしまいそうになるし、実際なかなか見ることのできない映画館建築の経過を丹念にとらえてはいます。一方で、その工事自体もどこか映画、そしてカウリスマキ監督への思慕が感じられるし、折々に差し挟まれるインタビューでは、カウリスマキ監督がフィンランドの映画ファン、映画関係者にとってどのような存在なのかが理解できるなど、終始和やかな雰囲気の作品でした。本作だけでも楽しむことができるのですが、もしカウリスマキ監督の作品を事前にいくつか見ておくと、登場する人々の話す内容がより深く理解できるかも。

インタビューに応じる人々がいちいち映像的に決まっていて、いやこれ、台本付きのドラマじゃないの?と思うほど。多分面々が映像映えしすぎているゆえの印象なんだろうけど。

話題の中心であるカウリスマキ監督自身はなかなか登場しないので、もしかして『桐島、部活やめるってよ』(2012)みたいに本人だけが登場しない作りなのかなー、と思っていたら、途中で普通に作業している様子が写って思わず笑ってしまいました。この、自分の存在をことさら大きく見せずにさらっと現れるところが、いかにもカウリスマキ監督らしいというか。

冒頭にいきなり日本語の楽曲が流れて驚いていたらそこにきちんと意味があることがわかるような作りになっていたり、ジム・ジャームッシュ監督は相変わらずかっこいいけど自分の作品じゃなくカウリスマキ監督のことを話すときはちょっと映画ファンとしての顔をしていたりとか、見どころが多い作品である上に、一度は「キノ・ライカ」に行きたくなる映画でした!

なお「キノ・ライカ」は現在も普通に映画上映や演奏会などを行っているとのこと!

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yui

4.5画角、人の動き、暗い明るさ、もうそれだけで充分に満足。

2025年1月13日
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画角、人の動き、暗い明るさ、もうそれだけで充分に満足。

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kp

3.5世界は映画館を必要としている。

2024年12月31日
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鑑賞方法:映画館

私には好きな町の条件?というようなものがあって。
一つ目は、お城があること。
二つ目は、郊外電車があって、それに乗れば温泉場に行けること。
三つ目は、地元の酒蔵と、本屋と、そして映画館があること。
関東でいうと小田原はこの通りなんだけど、ちょっと町の規模が大きすぎて。今まで行った先でドンピシャなのは上田かな。九州あたりにはいくつかありそうだけど。
アキ・カウリスマキのこの映画はまさにそういうことを言っているわけで。彼の生活においては映画館と、そしてバーがないことは考えられない。だから生まれ故郷に近く、何かと縁のあるカルッキラに映画館をつくった。
この作品はそのドキュメンタリーということだけど、映画館が出来上がるまでを時系列に追っているわけではなく、いろいろな人が映画館への期待や、映画館に関わった経緯や、アキに対する思いなんかを喋っているのをアットランダムに繋いだ感じ。ただ構成は凝っていて、インタビューしている人をまた外から撮影していて、それをさらにTVで観ている人たちを撮影する、といった多重構造になっている。映像は全般に暗い、けど美しい。シーン毎の構図もアーティスティックでレンブラントの絵のようだ。
アキの作品は常に、生活と芸術の接点というか、その二つが溶け合っている世界観を表現している。そしてその生活においては映画館(そしてバー)が欠かせないっていうことですね。

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あんちゃん

4.0劇映画みたいなオシャレなドキュメンタリー

2024年12月30日
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鑑賞方法:映画館

ドキュメンタリーだけど劇映画みたいで、最初から最後まで徹頭徹尾オシャレで、タメ息が出そう(笑)

僕は『枯れ葉』しか観た事ないんですが、アキ監督の劇映画の世界の中でインタビューしてるような感じ。

終盤、アキ監督の友達だというジム・ジャームッシュ監督がインタビューに答えてますが、

クラッシュのジョー・ストラマーをアキ監督に紹介した話が語られ、ジョーのファンとして興味深かった。

ハノイ・ロックスのアンディ・マッコイの元奥方も、インタビューに答えてます。

ドキュメンタリーは普段スルーって方にも、オススメです。

オシャレでオシャレで、ウットリしっぱなしでした(笑)

アキ監督作、もっと観なきゃな…

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RAIN DOG

5.0フィンランド好きな人が観ると楽しい

2024年12月27日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

幸せ

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ゆゆゆ

3.0余りにもアキ・カウリスマキ的

2024年12月17日
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鑑賞方法:映画館

単純

アキ・カウリウマキとミカ・ラッティによる田舎に映画館を作るドキュメンタリーとは言うものの、監督の演出がアキ・カウリスマキ的であり、フィクションの場面も多々ある感じがした。編集のやり方がもう一つ上手く無いようで、場面の切り替えが上手く流れず、必要ではない人物のカットも多々あって、思ったよりも詰まらない内容だった。
余談だが、アキ・カウリスマキもそうなのだが、流れるサントラがイモ臭く、田舎のセンスに思えて仕方がない。率直に言えば、音楽のセンスがダサいのだ。ひずみのない音のロックの感覚が、とんがらない歌謡曲の延長線上にあって、生温く聞こえるのだ。そのイモ臭いセンスが映像化されて、「妙味」になっているところもあるのだが…。何となく「10年遅れてやって来たパンクロックのニュアンス」がアキ・カウリスマキとその周辺の磁場の良さなのかもしれない。個人的には、ユホ・クオスマネン監督な作品が映画館の柿落としに使われたのが、妙に合点が行き、納得もした。

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shanti