「自分の学生時代そのままの世界がそこにあり懐かしくもありめちゃめちゃ面白かった。」ネムルバカ KEOGOさんの映画レビュー(感想・評価)
自分の学生時代そのままの世界がそこにあり懐かしくもありめちゃめちゃ面白かった。
私の世代にはちょうどどんぴしゃな学生生活の感じが懐かしかったし、出演者4人の掛け合いがめちゃめちゃ面白かったです。
バンドブームの時代に誰もが夢見ていた音楽でメシを食っていくみたいな感じが懐かしく、そして、自分がやりたい音楽を売れなくてもやり通すのか、売れることを優先した音楽をやるのかみたいなところも懐かしかったです。
普段はキラキラの久保史緒里さんが夢がないダラダラした大学生を演じていたのに、それがちゃんとネムルバカの世界の入巣になっていて、ダメダメな久保さんもめっちゃかわいかったです。
平さんの先輩ぶりもすごく良くて、入巣とルカの先輩後輩の感じがなんか心地よく、見ていてしっくりきて、2人のやり取りもおもしろかったです。
泣く要素なんて全くなかったし、そんなつもりもなかったのですが、最後のルカのライブシーン、久保さんに感情移入して、感情が高まり思わず涙が流れました。
久保さんの演技、素晴らしかったです。
最後のシーンでダメダメ後輩だった久保さんが4年生になっているのですが、見て一瞬でわかりますが、ほんとに4年生の先輩になっていてすごいって思いました。
衣装も変わってない、メイクも変わってない、髪型も何も変わっていないのに明らかに大学4年間の時を経て4年生になった久保史緒里さん演じる入巣柚実がいて、大学生の時に感じた1年生と4年生のまったく違う感じが明らかに見てわかって、ほんとに久保史緒里さんの演技はすごいと思いました。
この最後のシーンのこの感じが出せなかったらおそらくこの映画が表現しようといていたことは表現しきれなかっただろうということを考えると、この役にそれをちゃんと表現できる久保史緒里さんを配役した監督は役者を見る目がある人だと思いました。
ダメダメ後輩だった入巣が4年間の時を経てしっかり先輩になっているっていう場面は、誰もが大学時代に目にした大学時代ならではの感じで、最後の場面として結構重要だったと思います。
誰だったか忘れましたけど、他の映画監督が久保さんは神経細胞の一本一本で演技しているというような表現をしていたけど、まさにそれでした。
すっかり昔の大学時代に戻ってネムルバカの世界に入り込むことができて、なんとも言えないなつかしさと楽しかった時代を感じられ、とてもいい映画だったと思います。
久保史緒里さんと平祐奈さんの演技があって初めて完成したネムルバカの世界だったのではと思います。
