劇場公開日 2025年1月17日

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敵のレビュー・感想・評価

全258件中、221~240件目を表示

4.5筒井ワールド全開!! 温度の無い世界、狂おしい世界、彼の待ち望んでいる世界、縁側とラスト映像に混乱から解き放たれ確信を得た。

2025年1月18日
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夏なのに暑さは感じられず
聞こえる秋の鳥の鳴き声にも
季節の空気も匂いも何も無く
その違和感は鑑賞中続いた。

理由はモノクロだからじゃない。

何かが違う…
現実と幻覚?残像?
誰もが感じる線引き
その狭間の謎は続いた。

彼と敵とその世界を
考えると面白い。

演技陣の冷めた目も気になる。
いい原作、いい制作、いい演技、
いい作品だと思った。

【以下、あくまで個人の解釈】

温度の無い世界の違和感。

現実はFirst 数カットの屋外のみ
その先からは彼の世界
縁側で目覚めるまで彼の中
敵と同居する彼の中…

そう思ったのは縁側以降の
現実と別世界の接点を見たからで
消えた若者と見えない男
消えた若者と納屋のシーン
未来と過去の場面の繋がり

でも…
春になれば…

実は縁側のシーン
それまでの表現と違う
違うから…温度は戻り
違和感は消えた。

消えたから
それとも…
始まりは縁側なのか、と

すでに敵と共存する世界に居て
ずっとそこに居た
そうも考えた。

縁側の後も
彼は春を待つために
ずっとそこに居る。
いまはこの解釈が大きい。

時空を超えた彼の存在
「欲」と「心残り」
「ひとり」と「みんな」

最後の最後のエンドロール
ずっと続くその生活音に
居続ける彼の存在を感じた。

面倒臭い書き方をしたが
いろいろ考えられるほど
面白い映画だった。

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星組

3.0瀧内ネキか、あすかネキの

2025年1月18日
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裸を期待したのですが無いです(正確には少しだけある)。ただ裸は沢山拝めます。監督の意地悪だと思います。優実ちゃんは確かにこの役ぴったりです。なんと言っても長塚爺のイントネーションが素敵でシニカルできついセリフがお芝居に昇華されていました。

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michi

4.5没入感

2025年1月18日
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元大学教授の平穏な余生を見守っていると思ったらいつのまにか夢と現実の境界が曖昧になり自分もその世界に没入していく様が妙で不気味。

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mptgay

3.0これはこれでアリ

2025年1月18日
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鑑賞方法:映画館

全編モノクロの映像がシュール。
後半から夢か幻か判別できない物語が続く。

原作から入ろうと、実は久しぶりに筒井康隆を読み始めたところ。

著者自身も映像化はできないだろうと思っていたようだが、
「敵」の存在を知るあたりや夢オチのあたりは巧く描いたと感心した。

是非観てほしいと手放しで万人に薦めるような作品ではないが、悪くない、嫌いではない作品。

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tohko

5.0もう一人の自分

2025年1月18日
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鑑賞方法:映画館

モノクロ映像で描かれる日本家屋を舞台とした老人の物語。
とはいえ、何か違和感がある。
家電やキッチンはかなり新しいものだし、iMacも現行機と同じデザインで、スマホを持つ登場人物も現れる。
老人とはいっても、元大学教授で品があり、丁寧な生活を実践されている。ほとんど老いは感じさせず「矍鑠」というよりも、「凛」としているといった印象すらあります。かなり自分を律して生きている……のが表面上の彼。

実際には元教え子やバーの女給(あえてこの言い方にさせてください)には、鼻の下を伸ばしているし、訪ねてくる教え子たち(男)に喜びつつも、ある種の余裕を見せつけることでマウントを取ろうとしている部分が透けて見えます。健康診断を否定しつつも、ちょっとした体調不良で病院に駆け込み、生活の質を下げて、長生きするくらいならXデーを決めたいと嘯く一方で、想定外に生活資金を失うと、丁寧な暮らしから一点貧乏くさい食生活を受け入れ始めます。

本音と建て前やある種の虚栄心を維持できなくなるあたりから、日常生活と妄想や夢の区別がどんどんとあいまいになり、概念としてだけ存在していたはずの敵が、あたかも実際に存在するかのような物語が展開されます。

人間の人間らしい部分の醜さや可笑しさ、だからこそ愛し慈しめる部分がしっかりと描かれた素晴らしい作品かと。自分自身がある程度年齢を重ねたからこそ、味わえた作品なんだなと思いつつ、今後年齢を重ねた場合、見え方も違ってくるでしょうから、節目節目に見ていきたい作品です。

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よして

3.5いい意味で枯れて・・と言いたいが そこは筒井文学 今風も入ってる

2025年1月18日
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知的

まあ 一部ザラついたモノクロで 映画専攻学生はともかく
主要ターゲットは 50以上 65以上リタイア世代か❓

観客は多くは無かったが,そこそこ 3 割くらいか 初老以降が多い 30代くらいの人もいた

予備知識で必要なのは
・長塚京三が77歳役 元フランス演劇史の教授 わずかな原稿料 稀な講演料 年金貯金自分で人生お金から目処つけている
・妻を亡くして20年 大学辞めて10年 独居
・妻のこと 教え子の女性のこと バーのアルバイト立大生 それぞれ 黒沢あすか 瀧内公美 河合優実
コレだけ それ以外は一切不要です。

モノクロ 枯れた描写 小津安二郎❓
築100年の家でロケ 🈶有料パンフ情報
まあ作品なりのパンフだけれども 文字との格闘は無い 行間が適切 論点が絞りやすいとも言う
筒井康隆さんによると ・・・では無いとのこと。

最初は 自炊の 慎ましい生活 清貧を感じる だが高品質
つぎに 女性との関係性

ところで 『敵』って何だろう 皆さん 是非 スクリーンで確認を❗️いろいろ筒井的、イヤ吉田大八的
俺は 『因果応報と個人的に思った』

緩やかな展開 恒例五分くらい😪 原作は1998 昭和では無いけど 間違いなく 昭和映画
長塚京三さんへの当てがき脚本とのこと

特に気づいた点
・長塚京三1945 トランプさん1946‼️ 元気過ぎも如何❓トランプ🃏あなたのこと❓
・瀧内公美 さんが マジ エロス、イヤ 気品感じる 中年美人❗️
・焼き魚 とか 朝食が 美味そう
・最後の 今風の捉え方にビックリ❗️是非スクリーンで確認を

色々ありますから 大人の方 どうぞ スクリーンで❗️

【追記】長塚京三さんは早大中退後 パリ大学ソルボンヌ卒‼️
   演技の実力と学校歴は『なんら因果,連関関係が無い』のは相違ないが 今回はソルボンヌの教養が少し出てた。

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満塁本塁打

4.0夢と幻の狭間

2025年1月18日
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老年に近い元大学教授の淡々とした日常が徐々に夢と幻の狭間に翻弄される話
はっきりしたモノクロでどんどん死と生が不気味に曖昧になっていくのがよかった

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サート

3.5原作と映画

2025年1月18日
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吉田大ハ監督『敵』は自炊料理(美味そう)をこなし折目正しく静謐な日々を過ごす元大学教授の日常生活を淡々とモノクロ映像で描いていく。
美人の教え子やバーで働く大学生、古い友人との交流もあるが言いようのない孤独が迫る。
やがて夢が現実を侵食していくかのように現実との端境が曖昧となりついに敵との戦いが始まる。

筒井康隆の原作は情報の洪水のように言葉が溢れ料理、演劇、映画、哲学、文学そして自慰を考える楽しみ、想像の数々に亡き妻への思慕が強く描かれている。やがて幻想と妄想の夢が侵食していくが夢、明晰夢の描写は流石に筒井の真骨頂。

映画はその饒舌な面白さ、ある種の幸福感とは真逆であり静かで恐ろしい。黒沢あすか演じる妻の幽霊のような存在感が良く風呂の場面や夢か妄想の中で死んでいる妻に他の女を思ってする自慰を詰られるなどの理不尽さに原作の面白さが再現されている。執拗に瀧内公美が電車で帰ろうとして焦るあたりもいい(なんとなく土曜日の実験室を連想)し松尾諭の役どころも筒井康隆らしいところ。
ただ108分の尺の中、原作を圧縮して脚色されているので夢の生む笑いの部分が薄まっているのは惜しい。

原作とは別のティストの映画ではあるが老いの恐怖、妄想、孤独が前に出ることで現代的な映画に仕上がっている。
映画と原作のあり方、違いを考える上で面白い題材であると思うので興味があれば原作も読んでほしい。
#敵
#筒井康隆

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おさかな

5.0恐ろしく、美しく、ダイブ

2025年1月18日
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泣ける

笑える

知的

いいですね!人生の終わりに近づく日常が、華やかに、ユーモラスにえがかれている。なかなかの秀作。預貯金が尽きたら、人生は終わる。いずれ訪れる死に向かい合うまで、必死にもがきたい!

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DnaH

5.0こんなに面白い映画だったんかい

2025年1月18日
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長塚京三主演の映画を観ることになるとはね…。世代的には、というか知識の浅い私にとってはナースのお仕事のイメージしか無かった。
でも、吉田大八監督作品が好きだからってのもあるしキャストが好きな人ばかり出てるからってのもあり観に行った。

まさかの…。ポスター&予告のななめ上を何倍もいく面白さ…!!
私にとっては面白い理由を言葉で説明するのが難しい映画なんだけど、まずこの作品は長塚京三だけでもずっ…と見てられる。フランス近代演劇史を専門とする元大学助教授であり妻に先立たれた男(長塚京三)の慎ましい暮らしをベースに話が進んでいく。進んでいくと言っても、本人はずっと自分が死ぬことを、死ぬまでの日のすべきことやそれまでの仕事や報酬、貯金のことなど考えながら暮らしている。その暮らしぶりが…なんか堪らないんです。寝てるところ、ご飯を用意する所作、歯磨き、食事をする、珈琲を豆から挽いて淹れる、仕事をする、知人と会う、晩酌する、お風呂…なんでこんなに全て惹き込まれるんだろう?まじでずっと見ていられる。音もずっと心地良い。食事シーンは天下一品過ぎる。豪華なものでもない誰もが食べるような焼き魚や焼き鳥、冷麺など食べてるだけなのに…映像と音だけなのに、なんなら白黒映像なのに、1000%美味しさが伝わってくるの不思議すぎる。天才かよ…。
最初は以上のようなことで圧倒されちゃって、目が離せなくなるし、この元助教授の達観している、浮世離れしているようなアカデミックな雰囲気に、かっこいいなぁオイ…という感想が出てくるんだけど…
どんな作品でも、やはり異性が登場すると大きく何か展開があった訳でも無いのに何か妙に雰囲気や様子が変わってくる。
元教え子(瀧内久美)、知人と呑んでいたBarで働く大学生(河合優実)、亡き妻(黒沢あすか)、皆んなどこかミステリアスでこの主人公に対して好意的なのか何かやましいものを抱えてるのか分からない雰囲気で接してくる女性たち。この人たちが現実や夢・妄想で出て来て関わってくると、徐々にこの元助教授の人間的な面や俗世間的な部分、深層心理のような部分がじわじわ出て来る。
(全く別の映画だけど、「モテキ 」「街の上で」はたまた「男はつらいよ」だったり、ドラマでも「東京センチメンタル」「デザイナー渋井直人の休日」など…コンスタントに女性との出逢いがあり女性に翻弄される男の話が私はかなり大好物で、この「敵」もその要素があったことに、楽しむのが難しそうな映画というイメージが払拭されて良かった◎)
そして…。妄想なのか?現実なのか?寝ている時の夢なのか?白昼夢なのか?の怒涛の展開も途中から出て来て、それがひとつひとつ面白くて…。タイトルにもなっている「敵」って何なん??そこも考えながらも、主人公だけでなく観ているこちら側もどんどん翻弄されていくのがなぜか心地良かった。めっちゃくちゃ面白かった。
人によっちゃ敬遠されそうだけど、純粋に飯テロ映画が観たいという人にも超おすすめ出来る、意外なほど色んな角度から楽しめる映画でした◎

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まつこ

3.0独居老人の気持ち 自分にも当てはまるなぁ

2025年1月18日
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難しい

長塚京三氏は安定の良さで星5つ。
「桐島、部活やめるってよ」が大好きなんでそんな感じを期待し過ぎてしまった。
前半の料理シーンや来客シーンは自分に当てはめてみたりして共感してたけど中盤からちと悩んでしまった。「桐島〜」みたいな展開を期待したがそのまま静かに終演。高齢になり認知症やらなんやらの心情なのかなとか考えて終わり。ちょっと期待し過ぎてしまった。

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koo

4.5(PERFECT DAYS+ボーはおそれている)÷2+α

2025年1月18日
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長塚京三さん、素晴らしかった。男やもめの主人公に刺激を与える瀧内公美さんと河合優実さんもイイ!雰囲気ある。
ざっくり思い浮かんだ印象は「PERFECT DAYS+ボーはおそれている÷2」。映画らしい面白みいっぱいで大好き。この映画に最高賞を贈った東京国際映画祭も信用できる◎

(Xへのポストをちょっといじって掲載。あとで加筆したい。この映画については語りたい気持ちはたくさんある。ただ、時間と筆力が…)

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たずー

5.0計画だけではあじけない

2025年1月18日
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2023年。吉田大八監督。筒井康隆の原作を映画化。引退した大学教授は残りの人生を一人つつましく生活している。丁寧な家事、少しの労働(講演、執筆)、教え子や友人との会話。計画的に淡々と過ごしているつもりだったが、専門のフランス文学の教養を披歴する機会は減っていき、自覚しないうちに徐々に生活に張り合いを見失っていく。そこへ、迷惑メールのように「敵」の情報が流れてくるようになると、願望充足ともトラウマともつかない形で夢や無意識や妄想と現実が融合し始めて、という話。
私見では谷崎潤一郎の老年文学に匹敵する筒井康隆の老年文学のひとつを、見事に映像化している。マッチョなようであっけらかんとコンプレックス(女性や教養)を認めてしまう筒井節も谷崎に通底している気がする。
「敵」とは何かと考察したくなるが、人が老いていけば、周囲のすべてが「敵」として現れてくるのだろう。「北からくる」ということで「あの国」を想像してしまうが、これはすでに主人公の妄想の具象化だろう。
特に前半部分の「音」がすばらしい。単調な老人の生活をちょっと不気味な「音」で彩っている。常に何かが音を出す。リズミカル。

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文字読み

4.0プライドと思い出が生み出す妄想

2025年1月17日
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泣ける

笑える

そうだよね。
近い境遇だったり、身近な年寄りの世話してたりすると良く分かるんじゃなかろうか。
記憶と想像妄想を区別する力に不安を抱き始める状況。(若くてもそういう言説の人も多いが)
現実の生活が薄くなる引退後、不安だよね。
筒井ワールドを通すと面白可笑しいが。
筒井ファンだがこれは原作未読。文字じゃないので拾いきれない意図と絵で見るディテールのバランスを考えてしまう。

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HigeKobo

3.5結局のところ…どうゆうこと?

2025年1月17日
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穏やかな隠居生活を過ごす一人暮らしの渡辺が過ごす日々を眺める前半パート。妻に先立たれ寂しい一人暮らし…というわけでもなく、それなりに充実し、それなりに楽しみがあり、それなりに人付き合いもある。ちょっと羨ましくも感じたり。
そんな渡辺の暮らしに少しずつ起きる変化と、不思議な違和感。ちょっとした違和感が不協和音になり、最後は…

かなり不思議な作品で、映像化不可能と言われた小説が原作というのも納得の、よく分からなさ。結局何が起こったのか?どこまでが現実なのか?
まだ全然消化しきれていません。

全編モノクロで描かれる奇妙でちょっと不気味な世界観。
死が目前に迫った時の精神世界なのか?それとも認知症から見える世界?
よく分からないけれど、なぜかつまらないわけではなく興味をひかれる。
色々咀嚼してみようと思います。

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まだまだぼのぼの

4.5死生観に対する深層心理

2025年1月17日
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注目作品が目白押しの今週公開。中でも私が一番関心があった本作を、公開初日にテアトル新宿にて鑑賞です。9時50分の回はまぁまぁな客入り。
原作未読、情報も極力入れずに鑑賞となりましたが、難しい作品なのかと思いきや「死生観に対する深層心理」が見事に映像化されており、殊の外深く刺さりました。
序盤、元大学教授の渡辺儀助(長塚京三)は独り、丁寧な「余生」を送っています。妻に先立たれたものの、友人や仕事関係、そして教え子との交流もあって決して孤独な人生ではなく、またその関係性から一目置かれたり尊敬される立場です。その為、本人にも少なからず「どうあるべきか」「どう思われたいか」という自意識が見え隠れします。
あくまで私見ですが、独りに慣れると「他者という外圧」に敏感になり、どんな相手に対しても距離感を意識するようになります。それは歳を取れば尚更で、出来るだけバランスを崩さないよう、冒険に出ることはせずついつい受け身になりがちです。
ところが中盤、思いもよらぬタイミングに「敵がやってくる」と、想像の埒外からのその文字面に気を取られ、徐々にバランスを崩していく儀助。それまでは慎んでいたはずの「魔が差した言動」や、食事などにみる「少しずつ雑になる生活」。そして「身体の変調と投薬」など、負のスパイラルによって精神状態にも影響が出始めます。そこからは夢と現実の境が曖昧で正に怒涛の展開。過去の自分の「欠如や迂闊さ」を、幻影の他者を通して自己否定する様は、観ている自分にも身に覚えがあって非常にイタい。
そして終盤、いよいよ目の当たりする「敵」にぞわぞわが止まらず、また、儀助の想いや彼が遺すものの「ある変化」に、理想ではない現実の終末に見る「孤独」を感じます。
長塚さんを始め、キャストの皆さん説得力のある演技でとても見応えがあります。そして、モノクロスタンダードの映像は勿論のこと、脚本、演出、照明、音響、そしてキャスティング等々、全てにおいて素晴らしい仕事の制作陣。中でもどうしても言わずにはいられない「うまそげフード」の数々は必見。観てて本気で腹減りました。飯島奈美さん(フードスタイリスト)最高でした。
いやぁ、久しぶりに「DVD化されたら買っちゃいそう」な作品。秀作です。

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TWDera

4.0ファンタジー。

2025年1月17日
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なんとも不思議な世界観。どれが現実?どれが妄想? 敵とは?
なんか全てが妄想だった感じ。

もし自分が先生と同じ境遇になったら料理とか家事できるか心配。
人間ドックや健康診断を嫌がる人、確かに
けっこういますな。

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あらじん

4.0恥ずかしいですか?

2025年1月17日
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夢は正直な自分がモロに出てくる
紳士的で自分の人生を終える日を覚悟してるはずなのに性や生に執着している
敵は己の本性

引退を考えていた長塚京三さんがもう少し俳優を続けようと思った作品
とても面白かった

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m m

4.0ハムエッグ美味しそう

2025年1月17日
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執筆再開後の筒井康隆は反復によって増幅する悪夢を何度か描いているが、それを映像化するとこうなる訳で、後半の現実と幻想の区別が曖昧になっていくところは圧巻。また,咀嚼音や咳,立ち上がる時のちょっとした仕草などいかにも若者が嫌いそうな老人の属性をフェティッシュに描写する姿勢は,モノクロ画面と相まって「意地悪な小津安二郎」とでもいうべき趣であった。
それにしても、何という終わり方!

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ひろちゃんのカレシ

4.0初老の男性への警告笑

2025年1月17日
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鑑賞方法:映画館

瀧内公美が男の家のソファーでうたた寝をし、ミニワンピースの河合優実がバーのカウンターで優しく微笑む…

歳をとると、分別がつかなくなる男が私の周りに多くいる。是非ともこの映画を観て、自分に投影して欲しい。

若い女性が愛想よくしてくれるのは、あなた自身の魅力ではなくて、単にお年寄りだから無下にできないだけだと。
その勘違いが、あなたの敵ですよ、きっと。

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し
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