「敵は何処に?」敵 Yohiさんの映画レビュー(感想・評価)
敵は何処に?
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原作を読んだのは大昔だったがあらすじはある程度覚えている。当時は30代だったので普通に娯楽小説として楽しめたが、正直70を過ぎてこの映画を観るのは辛いかも?僕の記憶では主人公は長塚京三のような紳士的な大学教授ではなくもっと尊大な(筒井康隆のような?)イメージだったが。瀧内公美は笑っていても怖く、河合優実は笑っていなくても、父親が破産して寸借詐欺を働こうとする時でも、幸せそうに見える(少なくとも僕には)のが対照的。パーフェクトデイズを思わせる歯磨きのシーンが多いが、ここまで何度も観客に見せる必要があるのかは疑問。モノクロにしたのはよかった様な気がする、下血シーンはカラーでは観られなかっただろうから。一人の食事でもきちんと材料から手作り(一人焼き鳥は初めて見た)する几帳面な主人公が途中からカップヌードルを食べる(僕と同じ)ように変化していくのは象徴的。敵は老いであり、そして着々と進行する認知症。僕もそろそろ老後の準備をしなくてはいけないのかもしれない。
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