劇場公開日 2025年1月17日

「高度な絵作りをして、しっかりエンタメしている、最近の邦画では稀有な作品」敵 エリセさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0高度な絵作りをして、しっかりエンタメしている、最近の邦画では稀有な作品

2025年2月5日
PCから投稿

笑える

怖い

知的

まず、少ない予算を逆手にとって、夢と現があいまいになるモノクロにしたのが英断。

原作のエッセンスを簡潔にくみ取る脚本も秀逸。筒井康隆らしい笑いも、劇場は狙い通りの反応だった。

撮影、照明も素晴らしい。特に照明。だんだんと夢か現実か昼か夜かも分からなくなってくるのも、激しい戦闘も、光で表現されていた。

音楽はそれ自体は特筆すべきものではなかったが、使いどころが完璧だった。

渋いキャスティングも素晴らしい。

モノクロで、このキャスティングで、最初から最後まで高度な絵作りをして、しっかりエンタメしている、最近の邦画では稀有な作品。

エリセ