「高度な絵作りをして、しっかりエンタメしている、最近の邦画では稀有な作品」敵 エリセさんの映画レビュー(感想・評価)
高度な絵作りをして、しっかりエンタメしている、最近の邦画では稀有な作品
まず、少ない予算を逆手にとって、夢と現があいまいになるモノクロにしたのが英断。
原作のエッセンスを簡潔にくみ取る脚本も秀逸。筒井康隆らしい笑いも、劇場は狙い通りの反応だった。
撮影、照明も素晴らしい。特に照明。だんだんと夢か現実か昼か夜かも分からなくなってくるのも、激しい戦闘も、光で表現されていた。
音楽はそれ自体は特筆すべきものではなかったが、使いどころが完璧だった。
渋いキャスティングも素晴らしい。
モノクロで、このキャスティングで、最初から最後まで高度な絵作りをして、しっかりエンタメしている、最近の邦画では稀有な作品。
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