「第三種石鹸遭遇」敵 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)
第三種石鹸遭遇
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筒井康隆の大ファンだ(った)が、この原作は未読。特に初期の短編(「トラブル」「マグロマル」など)が好きだった。この作品は著者64歳の時の作品だが、既に“老い”への恐怖というテーマが色濃い。
いたって普通の日常生活も、モノクロだと枯淡の風情を帯びてくる。主人公はひとり暮らしなのに随分手間ひまかけて料理をする。後半に入るとカップ麺にお湯を注ぐだけになったりするのが悲しすぎる。夢落ちの連鎖という構造が見えてしまうと、途中からもう話がどうでもよくなってくる。
長塚京三はかつての「ザ・中学教師」の印象が強烈だった。久々に見るとすっかり枯れてしまっていて驚いたけれど、傘寿真近と知ればいたしかたないところ。
私はあんなにわんさか石鹸をもらったことはないなあ。
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