「久々の筒井康隆ワールドを堪能」敵 関東Bluesさんの映画レビュー(感想・評価)
久々の筒井康隆ワールドを堪能
原作は読んでいないので、初めから『敵』とは何かを考えながら観ていた。ま、死だったり老いだったりだろうなと単純に想像していた。
同居している91歳の私の母親は認知症ではないが、ここのところ睡眠時間がやたら長く、何かに対して怒鳴っているような叫んでいる様な大声の寝言が多くなった。物忘れも酷くなってきて、そんな事聞いてない、私がいい忘れたからって人のせいにするななど理不尽な事を言ったりする頻度も増えて来た。
この映画で私の母の頭の中を垣間見た気がする。きっと母も、過去の記憶や、長い人生の経験からくる理想、恐怖などの妄想と現実の混乱の中で日々の生活を送っているに違いない。何度も出て行こうと思ったが、雨の日に縁側に一人ぽつんと座っているシーンを観て、最後の日まで一緒に居てあげようと改めて思った。
コメントありがとうございます。
残り少ない時間だから優しく接しようと思ってはいても、日々イライラしたり、言われた内容によっては激しい怒りを感じる事も多々あり…
この映画を観に行った日も、実は家に居たくなくて仕事に行くふりをして出かけたんです。なかなか難しいです。でも、老いの辛さや孤独感を持っているであろう事を常に心に留めておきたいです。
ありがとうございます。同じ様に年老いた母を持つ身として共感してくださったんでしょう。レビューなのに、いつになく私事を書き連ねてしまいました。
それだけ考えさせられてしまういい映画だったという事ですね!
その日がいつか来てしまいますが、お互いその日を受け入れられます様に。
映画を批評するよりも,そこから何を学んだかを書くという姿勢が素敵だなと思いました.
私にも実家で独居する87歳の母がおり,毎朝電話して毎朝同じような話をずっと繰り返しています.でもそれでいいと思っていて,声の張りや発音の明瞭さなどで彼女の体調を知ることが大事です.
なにより人としゃべることが健康の維持になればと,続けています.
老いてやがて死ぬ,正面から受け入れられるようになりたいです.