「白黒の世界に襲われたのは」敵 Ericさんの映画レビュー(感想・評価)
白黒の世界に襲われたのは
原作未読。
モノクロの映像は先入観でどうしても古きもの、と感じてしまう。そこで使われる家電は現代の物だ。一方でやかん、ホウキの登場。私の頭の中で時間軸が混乱する。
この時点で映画の作り手達に囚われてしまったのではないか、と思う。
公式サイトには渡辺(長塚京三)の生活の説明があるが、どこからが現実でどこからが夢なのか分からなくなってくる。身も蓋もない言い方だが全てが渡辺の夢か、もしかしたら認知症が渡辺に見せる世界なのかとすら考えてしまった。
でもここまでが現実、ここからは虚構とはっきりさせず交互が自然に、難なく繰り広げられる感覚。やはり私は術中にはまってしまったようだ。
敵。その正体は分からない。私にとってはこの白黒の世界が敵になって襲ってきたのかもしれない。
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