劇場公開日 2025年1月17日

「敵とは」敵 ヘルスポーンさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5敵とは

2025年1月18日
iPhoneアプリから投稿

相変わらず文学作品との相性が良いのか、原作の筒井康隆の何とも奇妙な世界観がバッチリ映像化!!

しかも前半はモノクロ映像も相まって、小津安二郎の映画のように構図から所作からビシッと決まってカッコいい映像になっています。
前半は妻に先立たれた元大学教授の隠居生活の日常ルーティンを映しているだけなのに全く飽きないのはこの映像の力に寄るものでしょう!

後半はザ・筒井ワールド全開で、現実か妄想か区別がつかなくなっていく様をおどろおどろしく描いています。
アンソニー・ホプキンス主演の「ファーザー」のような認知症疑似体験映画のような怖さ!
また、このおどろおどろしさは塚本晋也監督作に通じるところもあり、双眼鏡を使ったヒッチコックの「裏窓」モチーフもあり、映画フリークス映画になっているのも吉田大八監督作だなぁという印象でした。

長塚京三さん以外考えられないキャスティング!

基本的にはコミカルなシーンも多く、私が観た劇場ではかなり笑いが起こっていた。色んな考察も出来てお腹が空く映画です。面白かったです。

ヘルスポーン