「モノクロしか勝たん♪」敵 ゆきさんの映画レビュー(感想・評価)
モノクロしか勝たん♪
長塚京三さんが主演&筒井康隆先生の同名小説を映画化!というだけでチェックしていた作品。
東京国際映画祭でグランプリ、最優秀監督賞、そして、最優秀男優賞の三冠獲得!の
ニュースを見ました。
おめでとうございます!
長塚さんの受賞時の喜びのコメントを簡単にご紹介↓↓
「ぼちぼち引退かなと思っていた矢先だったので、うちの奥さんは大変がっかりするでしょうけど、もうちょっとこの世界でやってみようかなと思いました」
とのこと!
奥様には申し訳ないですが、引退なんて言わないで!
まだまだ作品を届けて頂きたいです!
そして、私の中ではかなり癖ツヨなイメージの筒井先生。
もちろん時をかける少女は知っているし読んだし観たし(何verも)
"あの"パプリカを生み出したお方!!なので、存じ上げてはいるのですが、いわゆる代表作は未読でして。。
今本棚をぱっと見た所、持っているのは
「くたばれPTA」と「笑うな」の短編集2冊と
「銀齢の果て」←(°▽°)!!!
という、独特なチョイスの計3冊でした。
(我ながらすごいセレクションw
断捨離から生き残った精鋭)
「敵」は未読ですが、ちらり立ち読みした記憶。。(小声)
監督は大八さんなのね。知らなかった。
そんなこんなでレイトショー。
映画のプロ!お一人様男性ばかり。
物音ひとつしない最高の空間。
そんな中に混ざってツウ気分♪
それなのに私のお腹だけが
キュ〜〜ウゥゥゥ〜♪で申し訳ないm(__)m
さてさて作品は。。
心地良かった前半からカオスな後半へ、見事に転調していく。
ぐんぐん引っ張られ進んで行き、いつの間にか現実と虚構(夢)を行き来する世界へ迷い込まされていた。
そのスムーズさがお見事。
それは正に儀助(長塚さん)の感覚と同様で、こちらも大いに不安になり、困惑させられ、目が覚めて現実でなかったと確信し、その妄想に落胆し、しかし安堵する。
その繰り返し。。
妻(黒沢あすかさん)に先立たれたブルジョワ儀助さんの丁寧な暮らしを繰り返し描くことで、彼の人となりや人間関係が伝わってくる。
そして、老いていくことへの不安(金銭面・健康面)、捨てきれないプライド、さみしさ、可笑しさ、戸惑いなど、誰しもが持っている人間味を表現している。
"老い"はこわいし、不便なことも起こるが、私には儀助が"死"を望んでいるのかいないのか、その心理は分からなかった。
そして肝心の"敵"が何なのかも。。
そもそも"敵"の存在自体があやふやで、いないとも言えるし、全てが敵とも言えるのかもと。。
全体的に観客の想像力をかき立てる、私の得意な妄想し放題で、違う方向に行き放題!な
作品。
だから、好きな、そして苦手なタイプの作品でした♪
とりあえず
モノクロなのに凄まじい飯テロ&瀧内公美さんの妖艶さにダウン!
(儀助がフランス文学の教授ってのも、エロ意識無くしてない説得力があったw)
極めつけはあの終わり方〜!!
でスリーカウントカンカンカ〜ン♪でした。
長塚さんは勿論、黒沢あすかさん、優実ちゃん、W松尾さん、中島さん、皆さんハマり役で素晴らしかったです!
追記。。
1月24日のA-Studio +のゲスト、長塚さんみたいです。要チェックですね♪
筒井康隆さんの蔵書良いですね。私は引っ越しで無くしてしまい 内容も忘れてしまいました。
昭和学生読書には必ず入ってました記憶が
私は妖艶さという言葉浮かばず!
本作は 主題は誰でもわかりますが コアな部分が観客の解釈なのかもですねぇ
ただ 飯テロ&瀧内公美さん ジャストミート コレ事後的なので🎯
好きだけど苦手 まさにそのとおりと今思いました。土曜といえども 朝イチは ツウ揃いの客席でした。勿論推測です。多分 初日レイトショーの方がコアなファン多いですね。失礼します😊
コメントありがとうございました。
私も小津作品に精通しているわけでは全くありませんが「小津映画は日常のさまざまな事柄に対するフェティシズム」みたいな評をどこかで読んだを思い出した次第です。