「子どもを吹き飛ばすシーンだけは削って欲しかった」テリファー 聖夜の悪夢 60代の男ですさんの映画レビュー(感想・評価)
子どもを吹き飛ばすシーンだけは削って欲しかった
[60代男です]
白塗り男デビッド・ハワード・ソーントンが、声を発せずにパントマイムの仕草をしながら、人間を残虐に物理的に破壊していくのを、特殊メイクとリアルな人体模型とを使って本当にやっていることのように見せる、それだけに全力を注いだ作品。
全裸で倒れたイケメン男のケツを、下からチェーンソーで突き上げるのを見せたあと、さらに仰向けにして、性器からお腹へ向けてチェーンソーで裂いていくのを直接見せるのにはビックリした。「ピラニア3D」を超えた、男性器への虐待描写だ。
こういった過激な描写も、もし女性に対するものだったらアメリカでも公開することは不可能だったろう。
今世紀に入ったころからか、アメリカ映画では、リアルで残虐な人体破壊シーンの被害者は必ず男になった。女性が被害者になる映画は猛烈な抗議を受けることになるからだ。
本作では女性が被害者になるシーンはあるが、性的なパーツを映さないよう配慮されている。
最初から話らしい話もなく、惨殺シーンをショーとして見せるだけの内容なので、作者の精神が病んでいると感じるだけだったので、楽しめなかったのだが、終盤の主人公の絶対絶命、そして怪人との対決は盛り上がって楽しめたので評価はマシになった。
しかし……、殺人描写が多いのは構わないが、小さな子供たちを爆弾で吹き飛ばし、腸などが散乱しているのを映すのはやめてほしかった。
アメリカ製の連続殺人鬼ものは大量に作られてきたが、子供が殺されるのは始めてだ。
嫌な気分になった。「ファイナル・デスティネーション」が大好きな僕でも、あれは受け入れられない。