劇場公開日 2025年3月14日

「中途半端で、終わり方もよくない」STEP OUT にーにーのニライカナイ kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0中途半端で、終わり方もよくない

2025年3月24日
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鑑賞方法:映画館

沖縄が舞台の映画となると、貧困や閉塞感が強調されるものが多くなった印象がある。本作もダンスを通して沖縄のそんな状況から抜け出そうとする若者の物語と思っていた。もちろん大筋としてはそんな雰囲気の物語ではある。でも、あくまで雰囲気の話。結果として思っていたのとはかなり違う物語だった。
しかもどんな映画として受け止めればいいのかわからずに戸惑う。家族愛?兄弟愛?ダンスにかける青春?地元の友人との友情?好きな女の子への恋心?どれも中途半端だった。妹が何らかの障害やトラウマを持っているのかわからないし、主人公の少年がダンスにそこまで情熱を傾けている熱量も伝わってこない。ところどころ話のつながりがわからない展開もあったりして。なんとなくそれっぽい感動の物語風には仕上げたつもりかもしれないが、全く心が動かされなかった。
最後の決断に納得がいかなかったことが一番大きな要因だと思う。オーディションもなんであんな結果になったのかよくわからないし。しかもエンドロール直前のあれも意味がわからない。いきなりこんなものを登場させてだから?と感じるだけだ。こんな終わり方でいいの!?と呆然としてしまった。唯一の救いがエンドロール。配役関係なく、皆で踊るのが楽しそうだった。救いのある映画でなかっただけに、ほんの少し救われた気がする。

kenshuchu