ワン・フロム・ザ・ハート リプライズのレビュー・感想・評価
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破産映画
現在、公開されているコッポラ特集のなかで一番観たかったのが今作「ワン・フロム・ザ・ハート」 「ラ・ラ・ランド」にも影響を与えたミュージカル映画だが、興行的には大失敗 コッポラが破産して、個人スタジオを売却する羽目になる問題作らしい ’82公開当時は自分は小五なので、もちろん知らなかったのだが(この年はE・Tの年)アラフィフになって観ると、全編セット撮影で(ラスベガスの街、空港もセット!)とにかくコッポラ、気ぃ◯ってるな、と(゚∀゚) 主演の2人(フレデリック・フォレストとテリー・ガー)が地味なので、助演のラウル・ジュリア(アダムス・ファミリーのお父さん)とナスターシャ・キンスキーのほうが主役顔 話自体も倦怠カップルの痴話喧嘩で、はっきり言ってどーでもいい話なのだが、セットのムダな豪華さ(お金の使いっぷり!)でトコトン引っ張っている 「ゴッドファーザー」「地獄の黙示録」の次の作品でコレなので、当時興行失敗するのもわからなくもないが、コッポラの映画に対する狂気っぷりが理解できる作品として、個人的には好きな小品(金はかかっているけど…) でも、最近新作観ずに旧作ばっかり観ているな…オワリ
なんじゃ?
ロボットドリームズを観る予定でした。 しかしいつまで経ってもロボットが出てこない…、てか、アニメなのに実写??と違和感を感じつつも、まあオープニングはこんな感じなのかなと、自分が間違った映画を予約した事に、暫く気づきませんでした。間抜けを通り越して、ちょっと心配になるレベルですが、まあ思い込みに陥った人間なんて、側から見ればこんなものよ。 気が付いた段階で出ようかとも思ったんですが、普段観ないジャンルなので、ひょっとしたらとんでもなく面白いかも知れないと思い、取り敢えず最後まで鑑賞してみました。 いやーなんか、最初から最後までこれどう言う視点で観たらいいの??と言う思いが拭えませんでした。今では珍しい、ネオンの灯りにこだわって映像撮ってるなー、という点は感心しましたが、それ以外は兎に角中身が無さすぎて、正直ゲンナリしてしまいました。そう言えばコッポラと言えば、たしか「ペギースーの一生」を観た時も、似たような感想抱いたなぁ。男女のやり取りは暴力期とハネムーン期を繰り返す典型的なDV男と依存女のそれにしか見えないし、ラストは本当に「はぁ?」と口が開いてしまい、その口のままエンドロール突入。 いやー色々と稀有な体験が出来ました。
かわいい映画
作り物・おとぎ話感がいい。『ラ・ラ・ランド』もそうだけど、『哀れなるものたち』も思い出す。当時は不評だったようだけど、このネオン感は今ちょうどいい。これを総セットでできた時代があったんだなあ(倒産したけど)。/なんかでも最後はボラボラ島に行ってほしかった気もする。/劇場上映版では、ハンクが板金屋?で働くシーンもあったそうで、それがあるとまた印象が変わりそうである。
コッポラを地獄に突き落としたトンデモ映画!かと思いきやー
立川シネマシティの極音上映で初鑑賞!
どうやら全編ゾエトロープスタジオでセットを組んで撮影したトンデモ映画らしい!一体どんなヤバい映画なんだ!?
OP後最初のショット!ネオンがバキバキのベガスのカジノ通りが大写し!これだけで空いた口が塞がらない。
え、コレ全部セットなのよね!?
部屋が交互に映るシーンとかはシンプルに面白いし、
クライマックスのミュージカルシーンも凄い。
ラストはまさかの空港と飛行機→雨土砂降りのシーン!ここだけで一体幾ら掛かってるんだ!!??
見所はセットだけではない。
間延びしてしまいそうなただの恋愛話を、シーンの繋ぎと編集の巧さで全く飽きさせない。
そして主役のハンク(フレデリック・フォレスト)とフラニー(テリー・ガー)!
どっちも憎めないいい奴らじゃないか。
ゴッドファザーや地獄の黙示録のような引いた視点ではなく、コッポラはこの二人に愛着を持にながら撮っているように思った。
フラニーと飛行機で別れ、家で彼女の服を暖炉に焚べようとしてよよよと泣くハンクにつられて、こっちももらい泣きしてしまうよ。
ストーニーに捻りがあるわけでも、とんでもバイオレンスがあるわけでもない恋愛話な訳だが、EDで感動してしまった。
個人的にゴッドファザーの次に好きなコッポラ映画の一つになった。
アウトサイダー見るし、じゃコッポラもう一つくらい見ておこうかな、 ...
アウトサイダー見るし、じゃコッポラもう一つくらい見ておこうかな、 って気持ちで見ました。 これは私的にはあんまりピンとこない映画で、 響くものもなく、 なんとなく終わってしまった
夢のある映画
「地獄の黙示録」で疲れ果てたコッポラが夢のある映画を撮りたいと、古い映画の総セット主義にこだわり、お金を湯水のように使ってしまったものの、莫大な投下資金の多くを回収できず、Zoetropeと本人を破産の危機に追い込んだと言われている空前の問題作。 でも私は、そんなコッポラの人生や映画に対する愛情にあふれた本作が大好きです。 公開当時孤独な20代の青年だった私は、劇場で数回鑑賞し、その後も当時高かった、レーザーディスクも購入して、60代半ばを過ぎる現在に至るまで、繰り返し鑑賞しています。 うち捨てられた、さすらいの人生の悲しみを、腹の底から絞り上げるような、トム・ウェイツの歌声が、砂漠に忽然と現れる光の街ラスベガスのまぶしいきらめきの中に、吸い込まれていきます。そしてその声に重なり、タバコの煙が揺らめくような、心に染みるピアノの透明感あふれる音色の美しさに、何度涙したことでしょう。 さらに、光の中から生まれる出てきたようなナスターシャキンスキーの華麗な美しさとラウルジュリアのゴージャスな魅力! ベルトルッチ作品で滴るような色彩美を駆使し自然の光を捉えてきたヴィットリオストラーロの撮影は一変して人工的に作り上げられた世界を美しく切り取っています。 多分多くの人にとっては、「倦怠期を迎えた冴えない男女が、周りを身勝手に振り回すだけの冗長な物語にしか見えない」(だからこけた。)と思うのですが、その冴えなさ加減が、現実の冴えなさ加減を象徴していて、逆に映画が「夢」であることを強調しているように思えてなりません。多分本作を参考にしたと思われる、ララ・ランドは綿密にその辺、計算されていて、だからこけなかったと思うのですが、私は穴だらけかもしれないが、本作の方が好きです。 大切な1本です。
いつになったら再編集は終わるのか?
初公開時、1982年8月30日に新宿ロマン劇場で観た時の上映時間は1時間47分だった。
日本では東宝東和の配給で、発売されていた日本公開版のVHSビデオテープとコロンビアの輸入版LD(レーザーディスクです。DVDはまだ存在していません)を友人と見比べて、こっちはテリー・ガーの乳首が見える、見えないとか騒いでいたのだが、一番驚いたのがレイ(ラウル・ジュリア)の部屋でフラニー(テリー・ガー)とベッドにいると二人の上からハンク(フレデリック・フォレスト)が屋根から落ちてくるシーンだった。カットしているとかでは無く、完全に別のテイクが使われていたのである。バックの曲はキャリオカなのだが映像が完全に別のアングルのテイクだった。日本公開版とアメリカ版でこの差がある。コッポラ、編集凝り過ぎだろう。
今回のコッポラの特集上映のタイトルは「終わりなき再編集」である。
2024年12月2日(月)新宿武蔵野館で「ワン・フロム・ザ・ハート リプライズ」を。
上映時間は1時間33分だった。初公開時より14分も短い。
ハンクは自動車解体工場を経営していて作業服を着ているシーンが何度かあるのだが、今回はそのシーンは全部カットされていた。後、ハンクとフラニーが言い合いをするシーンがカットされているようだが、二人はすぐに衝突して言い合いするシーンが多いのでどこだか良く判らない。
今観ると、5年間同棲していても二人は些細な事ですぐに衝突して飛び出てお互いが友人のモー(ハリー・ディーン・スタントン)とライラ(レイニー・カザン)の部屋に逃避してしまう。二人ともワガママ。
この友人の部屋のセットが並びでくっつけて作られていて、布で仕切られ両方から布越しに撮影されているのが斬新だった。ライラの部屋にいるフラニーがモーの部屋にいるハンクをワンショットで捕らえているのだ。その逆もある。だいたいこんなセットを作るやつはいない。本作は全編がコッポラのスタジオで撮られているのでこういう事が出来るのだ。
こういった撮影技法等で映像は凄いのだが、ストーリーは、喧嘩した二人が一晩別の相手と過ごしてよりを戻す話に過ぎない、ナスターシャ・キンスキーと寝て、起きた途端にフラニーに電話するハンクって嫌な奴だよな。ボラボラ行きの飛行機にレイと搭乗しながら戻って来るフラニーも同様。映像的には関心するも、この二人の行動には関心出来ない。
だから、アメリカの観客の共感・同意が得られず、そっぽを向かれて興業は歴史的なオオコケだったのかな。
おまけ
テリー・ガーとラウル・ジュリアが乗っているエレベーターに同乗している老夫婦はコッポラの両親、レイが働いているレストランに食事に行ったフラニーの隣のテーブルにいて料理の皿を取る女は映画デビューのレベッカ・デモーネイである。
話題の映像が良く、テリー・ガーも愛らしくナタキンが美しいが、主人公の男がムカついて嫌い
やっと観ました。40年経ってしまった。
巨額な費用が投じられたという全編セット撮影とデジタルエフェクト、ネオンサイン溢れる画面。
奥行きが狭く、描き割とミニチュアモデルの背景。
そこから表現される虚飾の町の閉塞感が息苦しい。
主人公のカップルも、それぞれ新たな出会いから、この街を出るように促される。
しかし、結局よりを戻して、家に帰る。
これは、間違いなくバッド・エンドだ。
ショーウィンドウの出会い、二人のダンス、綱渡り、中古車のオーケストラ。
良いシーンがたくさんあるのに、主人公の男がどうしても許せない。
ナタキンを誘い出すも、元カノが気になって、ナタキンを捨てる身勝手さ。
暫くほっといた女が別の男の所に行くのが許せなくなって、押しかけて、上半身裸のままの女を無理やりかついで連れ戻す。
昔の西部劇じゃあるまいし。
「テルマ&ルイーズ」の10年前だから仕方ないのかな?
女はいよいよボラボラ行きの飛行機に。
いまさらながらに歌って引き留めようとする男がほんとうにイヤ。
ここで引き返さなくて本当に良かったと観ていたら、まさか、ラストで大逆転。
ここは絶対、男の妄想だった、というオチだと信じてたが、まさかの現実!
「私が間違ってた・・・」ナゼ!?
これを現代風に作り直すと「ラ・ラ・ランド」になる。
なるほど。
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