ボウリング・フォー・コロンバインのレビュー・感想・評価
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答えのないアメリカ銃社会を描くドキュメンタリー
何故アメリカでは銃による殺人事件が、先進諸国と比較して異常なまでに多いのか。
この疑問に対して、コロンバイン高校の銃乱射事件を軸にマイケル・ムーアが、様々な人々に突撃取材していく。
銃愛好家、軍需産業の従業員、銃乱射事件の被害者、社会学者、サウスパークの原作者、同じく銃社会のカナダ人、弾薬を販売する世界的なスーパーマーケット、マリリン・マンソン
そして全米ライフル協会会長チャールストン・ヘストン
マイケル・ムーアの人をおちょくるような軽妙な語りと、ニュース映像のMADがとても心地よく、前半はとても気楽に見ることができる
しかし後半ではマイケル・ムーアの主張が明らかになり、「何故我々アメリカ人ばかりがお互いを殺し合うのか」という叫びが、ヘストンへのインタビューで最高潮に達する。
ムーア監督がアメリカ銃社会を巧みに描く!
マイケル・ムーア監督がアメリカ銃社会を巧みに描いていますね~。
アメリカでは何故年間1万人以上の人が銃で命を落とすのか・・・監督があちこちへ取材に行きます。
アニメあり、チャールトン・ヘストン家への押しかけあり(笑)、ドキュメンタリーでも飽きさせない演出が素晴らしい!
最近の日本、テレビ見ても新聞読んでも見たくもない暗い事件のニュースばかり。周りでも昔はこんな物騒じゃなかった・・・との声がいくつも。
本当にそうなのかな?調べてみると・・・!!!
なるほどこの映画を観ると、見えてくるものがあります!
独り善がりの正義
マイケル・ムーアのやっていることが
本当に“正義”と言えるのかな?
いきなり女の子の写真を持って来て
『この子は銃で打たれて亡くなったんだけど、どう思う?』
って聞かれてどう答えりゃ良いの?
それこそ
交通事故で亡くなった遺族が
自動車メーカーのお偉いさんの所に被害者の遺影を
携え押し掛けて
『この子は車に轢かれて死んだんだけど、どう思う?』
これとまったく同じことですよ
銃で失われた命がある一方で
銃のお陰で助かった命だってあっただろうし
こんな薄気味悪い
“独り善がりの正義”
に洗脳されちゃいかんよ
矛盾に満ちた国アメリカ
矛盾に満ちたアメリカという国の本質に斬り込んだ名作。
なぜアメリカだけがこれ程に銃社会なのか?
それは簡単そうにみえて非常に難しい問いである。 実際、この作品でも答えは出ないままである。
しかし、マイケル・ムーアのアポ無し取材を通して見えてくる臆病で被害者的なアメリカ社会を見ているとそこには問いに対する多くのヒントが示されている。
世界のトップを気取り、まるで我々は全能の神だと言わんばかりに他国に干渉するアメリカと一旦攻撃を受ければ全てを失ったかのように被害者ぶるアメリカ(9・11が良い例だ)。
観れば観るほどアメリカ人(特に建国から時代を担ってきた白人)という人々が嫌いになってくる。
しかし、この客観的事実を提起し私たちに提示したのもアメリカ人だということも紛れもない事実だ。
アメリカ社会の抱える矛盾をえぐるドキュメンタリー
銃社会アメリカの抱える問題、それに怒りを感じながらもどうにもならない現実を、見事に描いていると思った。
社会派ドキュメンタリーでありながら、独特な作風で飽きずに、時に楽しく見られたのは、映画としての完成度の高さをあらわしてると思う。
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