「コロナと対峙したのはフロントラインにいた者だけではない。」この夏の星を見る Mr.C.B.2さんの映画レビュー(感想・評価)
コロナと対峙したのはフロントラインにいた者だけではない。
8月7日(木)
酷暑で三週間ほど映画館へ行ってなかった。配信で劇場未公開のSF映画を観たがつまらなかったのでレビューを上げなかった。そうしたら友人から「レビューがしばらく更新されてないけど体調悪いの?大丈夫?」とメールが来た。心配ありがとう。
今日、東京は久しぶりに一雨あって少し気温が下がった。TOHOシネマズ日比谷で好評続映中の「この夏の星を見る」をやっと観る。(都内で続映しているのは新宿と日比谷の2館のみだが、好評で土曜日はどちらも満席で観られなかった。原作未読)
茨城・土浦
2019年、女性宇宙飛行士に憧れている亜紗(桜田ひより)は高校に進学し天文部に入る。
大型天体望遠鏡を作りたい凛久(水沢林太郎) も天文部に入る。天文部の新人は彼ら二人のみ。意気投合してガッチリ握手。
スターキャッチコンテスト等部活に励む。
東京・渋谷
男子の数が減って廃部になったサッカー部に未練がある中学生・安藤(黒川想矢)は一人サッカーボールを蹴っている。(中学の時サッカー部だった私もコンクリートの壁に一人ボールを蹴っていた事を思い出す)。同級生中井(星乃あんな)のしつこい誘いに理科部に入る。
しかし、翌2020年コロナ禍にみまわれ、学校生活も部活も私生活もさまざまな制限を余儀なくされる。
長崎・五島
円華(中野有紗)は両親が旅館を経営して都内からの客も受け入れているため周囲からの風当たりが強い。それが原因で親友の小春(早瀬憩)とも関係が悪くなる。泣いているところを見られた野球部の同級生に誘われて天文台の星空浴に参加する。
姉が濃厚接触者になり「濃厚接触者の濃厚接触者」になってしまった小春は学校へも来られない。一人でいる小春の所へ円華が来る。ハグして仲直りをする二人。
「濃厚接触者の濃厚接触者」当時良く聞いた言葉である。「フロントライン」の医療従事者もそうだったが、いわれなき差別を受けていた。みんなまだ得体の知れないCovid-19が怖かったのだ。
この頃、中・高生は修学旅行も中止になっていた。かわいそうに。
修学旅行の時、同級生Sが安ウイスキーの大瓶を買い込んできて、夜布団の上で酒盛りを始め泥酔して布団に吐いた。皆で布団を流しで洗った。本人は眠りこけていた。卒業後、50年経っても70ジジイたちの同窓会で笑い話になる思い出だ。修学旅行さえ無いなんて。
「何なら出来るか?」亜紗は問う。
ネガティブからポジティブへの転換。前に進むことの大切さを教えてくれる。
オンラインスターキャッチコンテストを開催する。参加者を集め、望遠鏡の作り方から教える。塩ビ管を切り、中を黒く塗り手作りの天体望遠鏡で星を観測する。共同作業、目的に向かって団結する姿、皆楽しそう。
東京・長崎・茨城で中学生も高校生も同時に夏の夜空の星を追う。
オンラインスターキャッチコンテストで彼らがキャッチしたものは星だけではなかったはずだ。
そして女性宇宙飛行士が搭乗しているISS(国際宇宙ステーション)を望遠鏡で追う。
(映画的には、この間の展開が中だるみである)
「良いお年を!」ISSに向かってのメッセージは、一緒にISSを追った仲間たちにもかけられていたと思う。
ほとんどが高校生役の俳優が多いなか天文台館長近藤芳正や天文部顧問岡部たかし等脇役がしっかりしまっていた。
観終わったあと、爽快感を感じられる映画だった。
主題歌「灯星」
そして風は今日も また運んでくるんだろ
流れた時を まるで洗い流すように
やがて振り返らずに 丘の上に駆けた
あの夏の日に 帰っていくんだろう
中学生も高校生も先生も親もコロナ禍は大変だった。
2020年、あの時を生きた君たちへ。
50年後には、きっと思い出話が出来るはずだ。
おまけ
配給東映アニメに続いて桜田ひよりの瞳のアップから映画は始まるが、ひよりの肌があまりにもキレイなので一瞬アニメかと思った。
土星の輪って天体望遠鏡であんなにハッキリ見えるものなの?
共感とコメントありがとうございました。
すっと自然に湧き上がる爽快感でした。今劇場で多くの観客を集めている人気作のようなスケール感はないけれど、バランス良く、丁寧に作られた映画だと思います。特に映像、カメラワークが良かったです。
ここ最近、桜田ひより推しになってます!何か彼女いいですよね!
あと“オンラインスターキャッチコンテストで彼らがキャッチしたものは星だけではなかったはずだ。”
↑きっとそうでしょうね!具体的には書くことは難しいですが🤔
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