「コロナ禍文学であり夏休みらしい青春映画」この夏の星を見る nasucaさんの映画レビュー(感想・評価)
コロナ禍文学であり夏休みらしい青春映画
辻村さんの作品は白黒で大別してしまいがちだか、今回は白い方。主人公たちが中高生ということもあって、むしろ子どもたちに見て欲しい映画でした。
ストーリーは文句無しで良いですし、なにより役者陣が素晴らしい。虎に翼色が若干濃いなと思ったりもしたが、これからブレイクするであろう俳優がずらっとならんでいてパフォーマンスも素晴らしかった。
演出も所々ややMVっぽさは感じるものの、徐々にコロナ禍に時代が変わって行くところなど、丁寧に描かれていて、追体験にもなったし辛い気持ちも思い出した。
また、自分は当事者ではなかったけども、確かに中高生のそれぞれ人生の刹那な時間が、コロナ禍ですべてが狂っていってしまう状況下で、彼らのもどかしさや憤りや焦りみたいな気持ちは自分なりに理解できたような気がした。
つまりこの映画は中高時代にコロナ禍で様々な影響を受けてしまった彼らへの讃歌でもあり、厄災に対する受容の映画でもあったと思う。
音楽も素晴らしく、歌については最初ヨルシカとは気づかなかった。それくらい作品にフィットしていたということだろう。
もっと多くの人に見てもらいたい。そんな映画だった。
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