この夏の星を見るのレビュー・感想・評価
全224件中、1~20件目を表示
大人になってからは得られない心の栄養素に満ち溢れていた作品
なぜかずっと胸がいっぱいになってじわじわと泣きたくなるような不思議な感覚に始終襲われた。
コロナによって制限された青春を、仕方なかったと諦めないで、今何ができるかと、全てはこのためだったんだと思えるように必死に過ごす彼らが、スクリーンに映し出された星空のように眩しすぎてたまらなくなる。
大人の2年なんてあっという間だけれど、彼らの2年の貴重さは計り知れない。同じ時間の長さでも、学生のあの瞬間でしか過ごせない日々は、人生であの瞬間しかない。
この作品は良いところがたくさんあって、出てくる大人もみんな素敵であったかいのもいいし、編集がとにかく素敵!!
ネタバレになるから具体的には書かないけど、ここでこのシーン出すのかとか、こうやって表現するのかとか、始終私の好み演出すぎて唸った。
カメラワークも音楽も良いし、次世代の期待の新人で構成された俳優陣も良い。『怪物』や『国宝』の黒川くんがこれまた良かった。
とりあえず良いポイントが多過ぎて、鑑賞後しばらく10秒おきに「良かったぁ〜」と、染みに染みた心からの声を繰り返し出してた笑
評価が高いのも頷ける。
とてつもなく無添加で後味爽やかな良い栄養素吸収できて幸せな気持ちになる作品。
映画館で見て本っっっ当によかった!!とってもオススメ!!
コロナ禍の空に、一筋の光を探した高校生たちの青春群像劇
直木賞作家・辻村深月の同名小説を映画化。
コロナ禍で青春を奪われた中高生たちが、オンラインで繋がり「天体観測コンテスト」を開催する。
2度と来ないでほしい。でも、決して忘れられない――
そんな“特別な夏”を生きた若者たちの群像劇です。
主演は桜田ひよりちゃん。
マスクでお顔を半分隠しても、隠しきれない大きな瞳がキッラキラ✨見つめられたら吸い込まれそうな真っ直ぐな眼差しに、大人心もぎゅっと鷲掴みされちゃいました🤩
そして、今テレビでも引っ張りだこの岡部たかしさんが、亜紗の所属する天文部の顧問役を好演。生徒の想いに真正面から向き合う姿に、観ている私たちも励まされました。
注目したいのは🧐
実景とVFXの融合でつくられた満天の星空の美しさ🌌
まるでプラネタリウムにいるかのようなクオリティで素晴らしく、haruka nakamuraの優しい音楽との調和がまた絶妙♪
ヨルシカのsuisとのコラボで書き下ろされた本作の主題歌「灯星(ともしぼし)」は、映画の世界観を丸ごとそっと包み込んでくれます🌟
帰り道、
思わず空を見上げたくなるはず🤫
忘れかけていた、あのときの気持ちにそっと触れる一本です。
近くで遠い記憶、
コロナ禍の2020年。
同じ思いで過ごした若者たちに
そしてそれを見守ってきた大人の私たちにも、必ず胸に届くひと筋の光を感じられる作品です🎬
汚れなき透明な心とハンカチをご用意してご来場ください😎
「よい未来を!」とエールを返したくなる。辻村深月原作映画で傑作がまた1つ
冒頭10分ほどで非凡な映像センスを印象づける。インパクトのあるクローズアップ、躍動感を生むカメラワークと音響デザイン、快調な編集。山本環監督の長編商業映画デビュー作だそうで、気鋭のニューカマーの登場を歓迎したい。
辻村深月は大好きな作家で、書籍化された小説はすべて読んでいる。そして映画化作品にも傑作、好作が多い。「ツナグ」「太陽の坐る場所」「ハケンアニメ!」「かがみの孤城」などなど。辻村小説に一貫するヒューマニズム、ストーリー運びの巧さ、鮮やかな伏線回収あたりが映像化に向く要因だろうか。
「この夏の星を見る」は2021年6~8月に新聞連載され、2023年に出版された。コロナ禍の2020年、さまざまな活動が制限されたり自粛を求められた時期に、天文部所属の高校生や中学生が天体観測コンテストをオンラインで実施することに。準備の過程で部員同士の仲が深まったり、友達との関係に変化があったり、他地域の生徒たちとの交流を楽しんだり。世界規模のウイルス感染流行で人々の心が落ち込んだり塞いだりしていたあの頃、読者を、とりわけ若者たちを励ましエールを送るようなストーリーに、暗い時代に創作物やエンターテインメントができることのお手本を示してもらったような気がしたものだ。
映画化された「この夏の星を見る」も、そうした原作の力強いメッセージと魅力を映像で再現することに成功している。主演の桜田ひよりをはじめ、俳優の大多数が大部分のシーンでマスクを着用するという困難な撮影でありながら、主に目とマスク越しの発話で繊細な感情を的確に表現し、観客の心を揺さぶる。
映画版で驚いたのは、スターキャッチコンテストで出題された天体の方へ望遠鏡を素早く向け、スコープの視野内にとらえ、焦点を合わせる一連の動作が躍動感たっぷりに描写されていること。これなどは間違いなく映像の得意分野であり、小説の読者が頭の中で思い描いていた動きが予想を超えるアクションシーンになった喜びがある。
終盤、コンテストの参加者らが口々に「よいお年を!」と叫ぶ。文脈としては国際宇宙ステーションのクルーに、そして参加者同士に送るメッセージだ。だがそれだけでなく、あのコロナ禍に苦しんだすべての人へ、今よりもよい明日に、よい未来になるよう頑張ろう、と呼びかける普遍のメッセージとしても響く。だから映画の中の若者たちに、そしてこの夏に本作を観る人たちにエールを返したくなる。「よい未来を!」と。
大切なメッセージが散りばめられた素晴らしい作品
原作未読です。
私は双眼鏡を使ってベランダで夜空の星を探すのが趣味のひとつです。この作品のあらすじに興味を持ち、観ることにしました。
主人公は、コロナ禍で様々な制限の中、
なんとかして部活でやりたかったことを実現しようと考えを巡らせ、奮闘します。
その強い気持ちと、コロナ禍の異常なまでの接触に対する恐怖に翻弄される環境がきっかけで偶然が重なって実現されるコンテスト。
一生懸命練習や勉強に取り組んでいる姿、
実際のコンテストの場面で一喜一憂する様子には只々心を打たれました。
さらに、登場人物がそれぞれ仲間に対する思いやりに溢れていて温かい気持ちになります。
そして講演で話す宇宙飛行士や各地の先生方など大人達が発する言葉も、
若い世代に知っておいてほしい大切なメッセージが散りばめられていました。
多くの子ども世代に見てほしい作品だと思いました。
離れていても、一緒にできること。
亜紗さん。君の持つ疑問はね、宇宙につながっているんだよ。
ここに登場してくる高校生と中学生のまぶしさを、どう言葉にして紡げばいいのだろう。コロナ禍のなか、日常の様々なことを制限され、行きつく先に"青春"というその時でしか味わえない宝物を奪われた彼らを、どう慰めてあげればいいのだろう。やりばのない、悲しみ、苦しみ、やるせなさ。でも、だからと言って他人や時代のせいにしない彼らの清々しさ。何か別の道はないかと模索する前向きさ。そこで見つけたリモートという手段で、新たな友と出会う奇跡。真剣勝負の中でズルをしない清らかさ。どこまでも上を目指そうとする向上心。亜紗と凛久も、あの結末でありながらも寂しさは感じなかった。それは、世の中「近くて遠い」人はいっぱいいるけど、気持ちは「遠いけど近い」二人なのだと思えるからだな。
ちなみに、なぜかこの時期に天文部つながりで被るように、民放ドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』が放送されていた。これもまたよかった。なんでこう、星を好きな人たちはまぶしいのだろう。まぶしいなあ。まぶしいすぎるよ。
星を捕まえるということ
コロナ禍によって人と人との繋がりは失われた
かけがえのない時間を過ごし大切な思い出を刻むはずだった学生たちは突如としてその思いを断ち切られた
彼らにとってはスターキャッチという行動を通して星を捉える という行為そのものが思い出を、そこにあるはずだった経験を 取り戻すことを象徴していたように思う
例えネットワーク上の繋がりであったとしても感情や想いを共有することは出来る
その思いを望遠鏡に乗せ皆が同じ空を見上げ同じ星をキャッチする
そしてそこにあるのはある種の復讐でもある
彼らにとっての1年はただ過ぎ去っていくものではない
失われたなどという言葉で片付けられ、社会情勢の流れの中で覆い隠されて行くそこには確かに存在した感情も経験も出会いも、渦巻くあらゆるものがあった
だがこの作品で描かれる学生たちはそれを仕方ないでは済まさなかった
ISSをキャッチするという目標を掴もうとする時溢れ出た「この1年間にも意味はあったと思える」という言葉には悔しいという気持ち、どうにもならないという鬱屈
そしてそれでも自分たちの手で捕まえた出会いや想いを可哀想な世代という言葉で終わらせないという反骨心がある
そこに詰め込まれた躍動する感情
人物一人一人の表情、言葉、細やかな描写、表現
全てが混ざり合いそれを具現化していた
とても繊細で大胆で残酷でそれでも美しい
唐突として降りかかる不条理の中でそれでもその瞬間にできること、やりたいこと、やるべきこと
それらを教えてくれるとても大切で意義深い作品だった
もちろん国宝は、素晴らしかったけど
もちろん国宝は、素晴らしかったけど
この映画が
今のところ、私の鑑賞した映画の中で2025年の1番です。
コロナ禍の学生もの
どうせ
お涙ちょうだいだろうと
なんとなく想像して映画館に
行きましたが
全然違いました。
なんか凄く晴れやかというか
気持ちが明るくなるというか
勇気が湧いてくるというか
とにかくいい映画でした。
TAMA映画賞のグランプリとかになってくるのでは
ないでしょうか?
コロナ禍
失くしたとか
奪われたとか
生徒たちにそういった気持ちに
なってほしくないと先生が言う場面が
いいな~と思いました。
どんな状況でも、できることって
あるわけで。
私たちは、コロナ禍だから出会えたと。
否定では、なく
肯定ってアイデアの源で。
学生たちが自分たちで
考えて動きだすところや
それを後押しする先生の
関係性や
躍動感があったり
離れていても
繋がれる今という時代の可能性みたいな
ものも感じたり
若い監督だからできる映画だなと。
とにかくいい映画でした。
おすすめします。
最後に
愛知県 刈谷日劇様
ありがとうございました。
半分、映画館で鑑賞できることを
あきらめていましたが
おかげさまで素晴らしい映画を
映画館で鑑賞できました。
前にWinnyでもお世話に
なりました。
天文青春スポ根映画!?
趣味のアイドルライブ鑑賞のために東京に行った際、帰りの夜行バスまで時間を持て余したので、映画館に行って鑑賞しました。上映スケジュールが待ち時間潰すのにちょうど良いという理由で観た作品なので、内容はあまり詳しくは知りませんでした。
結論ですが、これめちゃくちゃ面白かったです。
私は、知名度の低いマイナーな趣味やスポーツや仕事を描いた作品が好きです。大学の航空部を舞台にグライダー競技を描いたアニメ映画『ブルーサーマル』や、ウイスキー作りをテーマにしたアニメ映画『駒田蒸留所へようこそ』、林業の世界に飛び込む青年の成長を描いた『WOOD JOB!神去なあなあ日常』など、普段の生活では知ることのできないマイナーな世界にフィーチャーした作品が好きです。
本作もまた、天体観測を競技化した「スターキャッチコンテスト」に挑む中高生の青春と葛藤を描いた名作となっていました。天体観測という趣味は知名度こそあれど、野球やサッカーのようなメジャーな部活動に比べればマイナーな世界ですし、それを競技化したスターキャッチコンテストというは完全に初耳です。知名度が低い題材ゆえに、初心者にも分かりやすい説明が差し込まれたりするので、分かりやすくて良かったですね。
公開規模が小さいゆえに、私の地元で公開されていないのが非常に残念です。
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栃木県の高校生である溪本亜紗(桜田ひより)は宇宙に興味があり、高校入学のタイミングで天文学部に入部した。彼女と同じく天文学部に入部した同級生の飯塚凛久(水沢林太郎)と力を合わせて望遠鏡の設計などに励んでいたが、新型コロナウイルス感染症拡大により部活動の縮小が余儀なくされた。大人数が集まることができないため、天文学部が毎年開催していた自作望遠鏡を使って星を捕捉するタイムを競う競技「スターキャッチコンテスト」の開催も危ぶまれる事態となった。密集を避けるため、亜紗のアイデアでオンラインでスターキャッチコンテストで行うこととなる。時を同じくして、コロナ禍によって様々な葛藤を抱えた東京と長崎五島の中高生が、亜紗のコンテスト参加への呼びかけを見掛け、それぞれの思いを抱えながらスターキャッチコンテストに挑むのだった。
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青春、って感じがしましたね。最高でした。
天文部を描いた作品なんですけど、スポ根モノに近い熱い青春ドラマに感じました。コロナ禍という時代背景も物語にすごくマッチしていてよかったですね。コロナを安易に美化するのは良くないことではありますが、コロナのおかげで生まれた出会いや絆というものも、間違いなく存在したと思います。コロナという外的要因によって変わってしまう周囲と、すぐに変わることのできない自分との間に生まれたギャップ。これによって居心地の悪さを感じた若者たちが、スターキャッチコンテストという大会に向き合い、仲間と向き合うことで、新たな居場所を得る。
「最高で、二度と来ないでほしい夏」。この映画のキャッチコピーです。これほど本作のテーマを短く端的に過不足なく表現したキャッチコピーがあるでしょうか。このコピー考えた人は天才です。一杯奢らせてください。コロナという未曽有の大災害によって青春を奪われてしまった少年少女たちの、やれることを探して前に進む姿。未曽有のパンデミックで世界が変わり、自分たちも変わることを余儀なくされたコロナ禍においても、変わることなく持ち続けた信念の強さ。コロナが無ければ出会うことのなかった数奇な出会いと、それを決して美化することなく悪い部分もありのまま映し出し、しかしそれでもやっぱり最高に美しい、ひと夏の出来事。
どの登場人物にもドラマがあり、どの登場人物も物語に大きく関わってくる。桜田ひよりさん演じる溪本亜紗が主人公のように描かれていますが、間違いなく登場した少年少女の全員が主人公であり、この物語には必要不可欠な存在でした。
上映館数が少ないこととパンフレットが入荷待ちで買えなかったことだけが本作への不満点です。この素晴らしい青春映画をより多くの方に知ってほしい・観てほしいと切に願います。面白かった!オススメです!
みんないい人で良かった。
コロナ禍の中、茨城、五島(長崎県)、東京の天文部をオンラインで繋いで「スターキャッチ」という天体観測を競技化したイベントに取り組む、中高生や先生たちの物語。
私が映画館で観た時点でパンフは売り切れ、1度しか観ることが出来なかったので、薄い感想しかいうことができませんが、顧問の先生も含めて、みんないい人で良かったなあと思いました。
私が刺さった場面は、サッカー少年が、コロナで活動の機会の機会を奪われて不貞腐れていたのが、メガネの少女の熱意に絆されて、「アイキャッチ」という新しい活動に生きがいを見いだしていく姿です。もしかしたら、現実はそう事がうまく運ばないかも知れませんが、なんだかんだ言っても、何か夢中になれるものがあるということは大切なんだなと思いました。
別の話です。この映画には地元(愛知県日進市)出身の河村花さんが出演されています。ヒロインの先輩役を好演されています。コロナにも負けず前向きな役です。おそらく彼女自身もそういう方なのかなと思いました。これからもいい役を掴んで下さい。
夜空
好印象、これは隠れた良作品!
瞳に星が走る、圧倒的に大好き
冒頭すぐ涙が出た。5分間で一つ映画が終わったくらいの、大切にしたい美しさ。もう満足していたのに、そこから当然のように超えてきた。
映画館でこの映画に没頭できた時間ごと尊い。
こんなに万人に勧めたい作品なかなかない。
自分が映画の中の彼らに近い仕事をしていることもあり、勝手に「未来に必要な映画」として確定。
終盤、主人公の目に光(火?星?)が走る。
友人のためやこのコロナ禍の部活、青春ため、
教育普及的な動きをしていた彼女が、
自分自身と、
目標と、夢と、
向き合った、自分のための最高の瞬間。
(そして彼女は宇宙教育普及事業を行う立ち位置の
大人になる予感がした)
今年公開のコロナ禍の邦画『サンセット・サンライズ』『フロントライン』も良かったが、
今のところ今年マイベスト。
先生役の岡部たかしさんは、どこかの最優秀助演俳優賞とってほしい。
コロナ禍の中高生がもがいた青春
シネコンで公開中に見逃し、評価が高く気にしていたのが封切りから遅れて上映のある昭和のミニシネマで上映の案内に即観に行きました。
50席のシアターの半分ほど埋まってたので評判の高さが伺えます。
映画はというと日本各地の中高生の部活はじめ日常が制限された緊急事態宣言発令から日常の楽しみが奪われ、地域での風評、しいては友情関係にまで自由を奪われた世代の青春群像劇。
辛い学校生活でも何かやれることを模索しながらオンラインを使うことに目を向けるあたりは目から鱗です、緊急事態宣言下は高校生以下の子供達に大人が知る以上に虐げられた生活をさせられ、思ってる以上に心も押し潰されそうになっていたのだと気付かされた。
脚本も素晴らしいが映像のカット、マスクの顔は表情が分かりにくいところを目のアップで表現するのが良い。
俳優陣も派手さはないが教師、生徒ともにリアルな学校生活感がありドキュメンタリー映画のよう。
映像がとにかく良いんです、空の映像、長崎五島の風景、そして夜空。年甲斐もなく天体望遠鏡が欲しくなりました。
単なる青春映画ではない、後世に残すべきパンデミック時の学生の青春映画である。
青春映画を超えた、コロナ禍の総括と癒やし」
7月の公開だから2ヶ月経っている。公開時も公開館数はそれほど多くなかったのではないだろうか。あまり目立たず、また青春映画ということもありスルーしていたのだが、菊川Strangerでちょうど都合のいい時間の上映があったので観てみた。
結果、映画館で観れてよかった。青春映画の傑作ということにとどまらず、世代関係なくコロナ禍を振りかえり、総括させてくれる映画でもあると思う。 世代を超えて共感できる“もしも”の物語だ。
僕はコロナ中に心身の調子を崩し、いまだに引きずっているところがある。特に辛いとも思わないまま、いつの間にかおかしくなってしまった。本作は当時のトラウマ的な記憶に作用して、デトックスしてくれる映画のように感じている。はずかしながら中盤以降、何度も落涙させられた。
今後この映画が僕にどんな作用を及ぼすのかわからないが、無意識に、この映画の持つ前向きな希望のようなものが忍び込んで、何かを変えてくれそうな気がしている。
これはフィクションである。この映画で描かれたようなことは、現実にはあり得ないと思う。でも、この映画を見ていると「あったらいいな」とも思うし、当時はぼんやりと受け身な態度で、ひたすら耐えるだけしかできなかったけれど、次に同じようなことがあったら、この映画の高校生たちのように、理不尽な現状をはっきり認識して、何かを信じて前向きに取り組むことができるような気がしてくる。そうした物語の力を感じる映画でもあった。
それは原作の力でもあるのだろうし、本作が長編商業映画のデビュー作でもあるという若い監督と脚本家の力でもあるのだろう。映像的にも、さまざまな工夫や演出が施されていて目を見張った。カメラワークも映像も独特で、新しい才能の登場であるとも感じた。
何しろ天文部の話で、望遠鏡で星を見るという地味な作業がメインである。それなのに望遠鏡で星を見る作業は、スナイパーもののアクション映画のようでもあってスリリングだった。
この映画の空には満天の星が輝いている。それは単にキレイに見せたいということではなく、星を観ることを楽しむ登場人物だちの主観的現実として、こうした視点を獲得できるのだということを暗示したのだと思う。
また、困難への、そして周囲の人や見知らぬ人への向き合い方一つで、別の未来もあり得るのだと教えてくれる映画であった。
現代では人間関係が幸福感や健康に大きな影響を与えるという、さまざまな研究出てきているが,僕の知る限り、ポジティブな影響があるのは身近な人間関係によるとされている。
しかし、対面限定という幸福な人間関係構築の前提を覆して、ネットを通じた対話でも、また遠く夜空に浮かぶ人工衛星にいる人とでも、幸福な関係は築けるのだということも伝えてくれていると思った、
素材は申し分ないが
1番近くて遠い星
この夏の隠れた名作にはしたくない!
友達からの紹介で遅ればせながらの鑑賞
紹介されなければ観ることはなかったと思う
そう思うと怖い
こんなにいい映画を劇場で見逃しそうになった
スターキャッチのシーンは傍目に見ると高校生たちが内輪で地味に楽しんでるだけの浮いたようなシーンになりそうだけど、カット割と音の効果によって主人公たちの内面の楽しさが観ているこちらまで引き込まれるような演出になっている
観せる演出は徹底されていたと思う
うちのカミさんはあるシーンで仙台育英高校の須江航監督が夏の甲子園で優勝した時の有名なインタビューを思い出したと言っていた
私は「サニー永遠の仲間たち」「この世界の片隅に」に通じるものを感じた
悲惨さを伝えたいがために過去の人間を犠牲者としてしか表現しない現代人たちに対して、犠牲者としてではなく人間としてキチンと伝えようとする作り手たちの思いをすごく感じた
この作品は語り継がれていくべき作品だと思う
鬼滅の刃と国宝だらけの映画館の中で、このような名作が埋もれてしまうのは勿体無い
ぜひ多くの人に劇場で観て、あの頃の「熱」を感じてほしい
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