アット・ザ・ベンチのレビュー・感想・評価
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面白い友達を盗み聞きしてる感じ
1編5編はベンチを中心とした時間の流れを見せつつ、掛け合いの面白さで勝負できている。2編は確実に1番面白い。3編は今田美桜の頑張りの中に、ちょっとした感動を入れる。4編はベンチだけで飽きてきた頃に、起爆剤としてぶっ込まれた。オムニバスでバランスがよかった。
豪華キャストの自主映画
全五編、演技達者な有名人しか出てこないが、全体的に脚本をもう一度見直したらもっと良くなったのでは。またベンチもも少し印象的なロケーションがなかったのかと。16㎜撮影とこれらの印象で自主映画に見えてしまう。
1話と5話は難しいが興味深い会話劇、広瀬すずはうまかったし、呼び出されたらイチコロ。2話は岸井ゆきのと岡山天音の演技に救われたショートコントだが、バイク乗りの様な格好と言われてもあの帽子の上にヘルメットかぶる訳ないし、セリフに溺れた感。3話は今田美桜が足を開いて座ってたりするところや長尺の喧嘩もうまくこなしていたのだが、リアリズム演技の背景の話がアンリアル。4話は監督の脚本だが、頑張った役者がもったいない感。1話と5話のサンドイッチがあってよかった。
奥山監督、今は弟の方が気に入ってる。秒速で判断する。
緩やかな物語を楽しめることはもちろんだけど、入念な映像設計にもぜひ注目したい一作
シルエットのような印象的なポスターが目を引く本作。ポスターの雰囲気そのままに本編が始まり、その後展開する5つの短いエピソードはどれも面白さが率直に伝わってくる内容です。
ぽつんと取り残されたベンチに集う人々の何気ない日常をゆるっと覗き見ているような内容で、ちょっと不思議な雰囲気のポスターから受けた、「小難しいアート映画だったらどうしよう……」という心配はいい意味で裏切ってくれました。「面白い映画を観たなー」という気持ちで劇場を後にできる映画としては、現時点で劇場公開している作品としては屈指の出来栄えです。
もちろんコンパクトな上映時間からして、さらっと観終えることのできる作品ではあるんだけど、映像設計の入念さにもぜひ注目してほしいところ。
特に夕暮れ時のひと時をとらえた1話目は、広瀬すずと仲野太賀の姿を印象深く描き出す夕日の美しさはもちろんのこと、日没前の刻々と変化する光線状況での撮影に挑戦していることが率直に驚き。時折差しはさまれる遠景の描写から、このエピソードの撮影は一日で撮り終えているようにも見えるんだけど、そうだとしたら驚異的に入念な撮影計画と実行力と言わざるを得ません。
もしかしたら遠景だけ別撮りなのかも知れないけど。
シルエットの暗部描写の豊かさを堪能するという意味でも、できればスクリーンで鑑賞してほしいところ!
イヤー面白かった!
「ベンチでこれだけ話が」
素晴らしい作品と出会った
二子玉川の川沿いにあるベンチに座る人々の日常を切り取った5つのエピソードからなるオムニバス。奥山由之さんの自主制作とのこと。
①⑤幼なじみの男女の愛おしいほどに温かな恋。こんな世界があったら何て素敵だろう。ファンタジーとして十分成立している。
②別れ話をするカップルとそこに割り込むおじさん。これは辛らつで上質なコメディ。吹き出さずにはいられない。
③男を追って家を出てホームレスになった姉と彼女を捜しに来た妹。姉の羞恥心を妹が包み込んだ。
④ベンチの撤去を計画する役所の職員たち、、を撮影する風景。映画は映画であるというまさに「映画に愛を込めて」。
う〜〜ん、これは凄い。珠玉の作品と言って良いかと。
いか握らないで!
ここにきて、まさかの年間ベスト級の映画に出会ってしまった。いいとは確信していたものの、流石に度肝を抜かれてしまった。ここまでとは誰が想像するか。今年の「PERFECT DAYS」枠。いまを生きる私たちの、何気ない日常を切りとった、いたって普通のなんてことない映画。それなのにひたすらに心奪われてしまう。
言葉を伝えるのはこんなにも難しいのか。言葉はこんなにも美しいのか。最近では行間の多い作品の方がウケがいいし、いい映画というのはそのイメージが強い。ただ本作はその逆をいくほど圧倒的な会話劇で、役者だよりなものの、とにかく見せ方が上手い。無闇にエールを送ったり、闇雲に背中を押すわけではなく、言いたいことはハッキリ言って、自分らしい生き方をしよう!と全力で思わせてくれる、最高の人間ドラマだった。
自分はハッキリ言ってオムニバス形式が苦手。一貫したテーマを扱っているとはいえ、1本の映画としてのまとまりはどうしても悪くなってしまうし、毎話ぶった斬ったように思えてすごく長ったらしく感じてしまう。
この映画ではそんな懸念点を完全に払拭。フェードアウトしていくラストシーンとエピソード名と共に一気に流れる軽快な音楽。まるでカセットテープで再生しているかのような心地の良さにすっかり見入ってしまう。ここでPERFECT DAYSを思い出してしまった。どうして人はノスタルジックなものに心をつかまれてしまうのだろう。身体に古来から染み付いたものなのかもな。。。
総勢10人の超豪華俳優陣。余すことなく豪華。みんな実力派で安定感が半端ない。いつもは煌びやかで近寄り難い人達なはずなのに、今回に至っては自分たちと何ら変わらない、ごく普通の人を熱演。キャラクター設定がいいのもあるけど、とてもお芝居しているとは思えない自然な立ち振る舞いで、知っている人なのに知らない人みたいな、ただそこにカメラがあったかのような雰囲気ですごく惹きつけられる。
広瀬すずがなんてない日常会話してる!それだけでなんだか心が暖かくなる。「もやしだけめちゃくちゃ安いもやしスーパーこともみじスーパー」の下りで価値を確信したよね。あぁ、この映画は自分たちの映画なんだって。
エピソードは全てポツンと取り残されてしまったベンチから始まる物語なんだけど、どれもこれも言葉の面白さを最大限引き出した話で、伝えたいけど伝えられない、伝えたけど伝わらないみたいな、会話のキャッチボールの複雑さをも見事に表面化されている。みんな言葉にすることから逃げている。恥ずかしかったり、辛くなったり、悲しくなったりすることを恐れて。感情移入しちゃうと、喜怒哀楽が表に出過ぎちゃうと、ついつい我がものになってしまう。
そんな不思議な人間たちを、"ベンチ"という独特な視点から完全なる客観的な目線で描いているのが本作の魅力。おかげで沢山の彩り豊かな感情が湧き出てくるし、様々な考えが思い浮かぶ。あなたから見た自分はどう見えてるのだろう。自分から見たあなたはどう映っているんだろう。今までにない、すごく不思議な気持ちに襲われて、なんだかそれが心地いい迄あった。
オムニバスながらに全体を通して起承転結となっているのがとてもよく出来ている。こういう映画にありがちな観客に全てを投げやりにするラストではないのも好印象。ちゃんと監督なりに答えを考えを持っているところが、包容力のある優しい映画だなと思った。
そんな中で、まあどれも好きなんだけど、エピソード2の面白さは異常なほどだった。調べてみると、どうやらコントユニット・ダウ90000の主宰蓮見翔の脚本らしい。どうりで面白いわけだ。こんな共感と笑い200パーセントの脚本を書く蓮見はスゴすぎるし、これをまるでアドリブかのようにごく自然に見せれる岸井ゆきの、岡山天音、荒川良々に脱帽しちゃう。いやぁ、ここのエピソードは配信したらリピート必須だなぁ笑笑
答えを持っていることに対して賞賛したものの、全てを言いすぎちゃっているところはあって、ちょっと趣きや深みに欠けるところはある。この辺の塩梅はめちゃくちゃ難しいし、もし自分が書くとしたら上手くできる自信なんて全くないけど、ほんの少しだけ曖昧なふうにして貰えるとより面白味が出たかなとは思った。
ただ、映像も役者もストーリーも演出も全て満点に近いほど素晴らしく、自分の映画癖にどっぷりハマってしまった。そしてまさかの事実。この映画の監督・奥山由之は「ぼくのお日さま」の奥山大史監督の実のお兄さんらしい!!!今年はまんまとこの兄弟にやられてしまった。すごい年だったなぁ...。後世に語り継がれるぞ...。
映画よりテレビ向け。
これほどのキャストは1作品でそうそう観られない
ベンチを舞台に5篇のショートストーリーで構成されたオムニバス作品。
Ep.1…広瀬すず&仲野太賀
とにかく広瀬すずのセリフの絶妙な曖昧さにやられました。直接的な表現をつかわず「好き」を伝えている。
とてもまどろっこしいですが、それが良かったりする。
仲野太賀も返しのセリフが若干ズレていて、ズレがさらに「好き」を曖昧にしていくところが良かったです。
仲野太賀のベンチへの座る位置(半ケツ状態)が、Ep.5への布石になっていたりしますね。
単に広瀬すずとの距離感だけじゃないんだなと感心しました。
Ep.2…岸井ゆきの&岡山天音with 荒川良々
岸井ゆきののセリフが面白くてしょうがなかったです。
バイクに乗らないのにバイクのりみたいな格好、には劇場でも笑いがおきていました。
他のやりとりも面白く、劇場で他の観客との一体感を味わうことができる素晴らしいエピソードでした。
岸井ゆきのによる岡山天音の気になるところを寿司に例えるのは秀逸でしたね。
荒川良々もいい加減なキャラクターをうまく演じていましたね。
Ep.3…今田美桜&森七菜
この姉妹役の口喧嘩が凄まじく、今田美桜は本当にいそうな人をうまく演じていましたし、
森七菜はドスのきいた声で上手いなあと思いました。
ちょっと冒頭ががなり系なので、私はちょっと疲れてしまいましたが、俳優たちの演技は素晴らしかったです。
森七菜推しの私としても大満足でした。
Ep.4…草彅剛&吉岡里帆 with 神木隆之介
冒頭からのズレた会話がめちゃめちゃ面白かったですし、
神木隆之介が出てきてからの落とし方も素晴らしかったです。
一粒で二度美味しいエピソードで大満足でした。観客にもウケていましたね。
Ep.5…広瀬すず&仲野太賀
Ep.1の後日譚ですが、うまくいったんですね。このふたり。
それがわかる会話劇で、Ep.1からの布石(仲野太賀のベンチの座る位置)をうまくつかっていて、
締めに相応しい作品に昇華できていたと思います。
基本、俳優陣による会話劇ですが、本当にうまくつくっていると思いますし、
これだけの俳優陣をキャスティングできている時点で、もう観るしかないなと思っていました。
宮崎では今日から公開で、小さい箱(20名くらいの)でしたが満席でした。
もっと箱は大きくして、1日1回だけではなく、2回まわすと集客もはかれそうですね。
全員大好きな俳優さんなので、私は大満足でした。
もう楽しすぎた
5つのエピソードからなるオムニバス。 とある一つのベンチで起こる物...
5つのエピソードからなるオムニバス。
とある一つのベンチで起こる物語。
出演者はめっちゃ豪華。
エピソード1、5は、広瀬すず、仲野太賀。
エピソード2は、岡山天音、岸井ゆきの、荒川良々。
エピソード3は、今田美桜、森七菜。
エピソード4は、草なぎ剛、吉岡里帆。
映画って、テレビとかに比べて凄いキャスティングが多い気がする。
わたし的にはエピソード2が一番良かったかな。
役者のイメージと演技にマッチした配役だったし、話も面白かった。。
広瀬すずは私の中では可愛すぎるので売れ残るわけねーだろと突っ込みながら見たし、
仲野太賀とのカップルは似合わないと感じた。
今田美桜にあの汚れ役は似合わない。
妹役の森七菜はしっくりきた。
草なぎ剛と吉岡里帆の話は、突飛過ぎた。
役者の演技というより脚本の内容でしょうね。
あとはキャスティング。
こういう会話劇は難しいですね。
2024年最後の映画館での鑑賞映画となりました。
今年は67本を映画館で見る事が出来た。。
愛すべきベンチと愛すべき人たち
日々生活して行く中で慣れ親しんだ風景がいつの間にか変わっていたなんて事は良く有りますよね。好きだった場所でさえ暫くすると前に何があったかのかも忘れちゃったりして。
残して置きたい場所は誰しも持っているのではないでしょうか。
そんな場所の一つであろうある一つのベンチを舞台にした心温まる映画でした。
何気ない日常を語り会う幼なじみの2人の会話の中に見えるお互いに対する愛しい感情が温かいです。
この2人、どうやら5話の会話を聞いていると一緒になるみたいですね。お幸せに。
別れ話をする2人におじさんが絡んでの会話はとにかく見事な構成で思わず微笑んでしまいます。
家出した姉と連れ戻そうとする妹の感情をむき出しにしてぶつかり合う様にはその根底にある愛が溢れて出ていて感動を覚えました。
市の職員に扮した兄と妹の宇宙人がベンチの姿になった父親を迎えに来た話もその会話の中に人間社会への愛が垣間見えます。
1つのベンチだけでもこんなにも違う日常が広がっているんだと言うこと、そして登場する人たちがみな愛すべき人たちで懐かしく優しい気持ちになれました。
それぞれの話が甲乙つけがたい作品ばかりで、そして各話で登場する豪華キャスト陣が皆さん素晴らしい。
自分の大切な場所はたとえ無くなってしまっても、いつまでも心に留めて置きたいものです。
いい映画を見ました
非常におしゃれなz世代の映画です
オムニバス映画、ストーリー無いようである。嫌な人や嫌な事件が出ない、とても温かい映画です。
会話劇というか舞台を見ているような、1話目は、昔見た、ビフォア・サンライズを思い起こす。りこちゃん広瀬すずの透明感すごい、のりくんも可愛いいわ。ちょい深読みさせてもらうと、3話目の姉の好きだった相手はのりくん?なんてね。
1話目で同棲してない彼女いないみたいな会話あったよね。友達として2人で会ってたのが3話目の姉で、姉は付き合ってると勘違いした、的な深読み。脚本家違うから私の単なる深読みだけど何だかしっくりくるんだな~。
2話目と3話目、女子特有の不満とヒステリー描写が上手い!。うちの娘が怒ったときにそっくりで笑えた。
4話目、字幕小さくて見えないとの声が多数ありましたが、多分見えなくて良いとの意味かと、おそらくたいしたこと書いてない。カラーになったときに、「あぁ〜」ってなるでしょ、それで状況わかってOKでつながるから、字幕は読まなくてもOK。だから字が小さい、何か言ってるな〜程度でいいということ。
5話目、いいね、文句無し。幸せな気持ちになれる映画です。
全体的に非常におしゃれで薄いテイストです。私、お笑い嫌いなんですが、昔やってた「夢で逢えたら」はおしゃれで好きでした、特にショートコント良かったな。その番組の雰囲気に似てるかな。
z世代は昨日の紅白見ても感じたけど、抽象的で平和主義。いまの私はそれが心地よい。映画も音楽もメッセージよりも空気みたいな温かな温度をすごく大切にする。うちの子もだけど、例えば尾崎豊の卒業を聞いたとしたら、「なんで校舎の窓ガラスを夜に壊すの?」と本気で疑問に思うとおもう。
少し前に見たすとぷりのアニメも悪役や嫌な事件が無いけど何だか温かなやさしい気持ちになれた、日本も新しい時代に入ったのだと思う。空気感(やさしさや思いやり)を大切にしながら個性も大事にする世代、なかなか良いです。
派手さはないけど日常の温かみのある映画です。
幸せが残していったモノ
今年の最後に、とてもいい作品だった。
【Ep.1】残り者たち
広瀬すずが残るワケないだろっ!…は置いておいて。
自然な会話の空気感と、「もう付き合っちゃえよ!」な距離感がむず痒く、ニヤける。
母からラインが来るまで、仲野太賀のお尻がずっとはみ出してるのよ。
【Ep.2】まわらない
絶妙に噛み合わない会話と、分かるけど面倒な喩えと、そして現れる理解者。笑
握るより早く飲み込めないなら別れた方がいいんだけど、相手に委ねてるならまだ好きじゃん。
だったら寿司桶を大きくするしかないよ。
【Ep.3】守る役割
今田美桜がずっと喚いてて、森七菜も負けじと叫んでる。
今田が結構ヤバい感じだけど、相手との繋がりをなんとか残したい気持ちは分からなくもない。
クスッとくる所もありつつ、最後ちょっと泣けた。
【Ep.4】ラストシーン
草薙くんがちょっとやり過ぎなような、吉岡里帆とのバランスからすると丁度いいような。
中身は面白いけど、ちょっと冗長かも。
吉岡里帆のお尻が迫ってくる映像を期待した変態は私です。
【Ep.5】さびしいは続く
その中学生男子と同じことを、社会人の歳でやってたんだけどね、太賀くん。
相変わらずの雰囲気ながら、座る位置だけでなくなんとなく変わった距離感が滲む温度が心地よい。
「ちょっと目を逸らすくらいで丁度いいんだよ」
コメディがベースなのに、ところどころに刺さる台詞があって、とても好きなバランス。
好きな役者だらけで幸せだったけど、芝居がしっかりしてれば無名の役者でもまた違った味が出そう。
物寂しくも温かい余韻が残る作品でした。
他人同士も家族でも、寂しさを分かちあうことはできないものなのですね
2024.12.30 アップリンク京都
2024年の日本映画(86分、G)
4+1の構成によるオムニバスドラマで、ある河川敷の取り残されたベンチを舞台にしている
監督は奥山由之
脚本は生方美久&蓮見翔&根本尚子&奥山由之
物語は、東京のとある河川敷に取り残された「ひとつのベンチ」を中心に描かれていく
第1編「残り者たち」では、将来に悩む保育士のリコ(広瀬すず)が、幼馴染のノリくん(仲野太賀)を呼び出す中で、リコのアプローチを絶妙に交わしていくノリくんが描かれる
第2編「まわらない」では、同棲カップルのナナ(岸井ゆきの)とその彼氏カンタ(岡山天音)がホームセンター帰りに訪れ、その痴話喧嘩を近所のおっさん(荒川良々)が聞いてしまうという物語になっていた
第3編「守る役割」では、男を追いかけて東京にきた姉(今田美桜)を連れ戻しにきた妹(森七菜)が描かれ、壮絶な姉妹喧嘩が繰り広げられていく
第4編「ラストシーン」では、ベンチを調べにきた職員(草彅剛&吉岡里帆)が描かれ、そのベンチは姿を変えた彼らの父だった、という設定の映画の撮影風景だったという内容になっている
そして、ラスト「さびしいは続く」では、「残り者たち」の幼馴染二人の距離感が変わった「その後」を描いていく
映画は、ベンチを中心として展開され、「恋人未満の幼馴染」「倦怠期に入った同棲カップル」「姉妹」「家族」という異なる人間関係が描かれていた
そのどれもに「寂しい」という感情が描かれていて、「将来不安に見える寂しさ(ぬくもりの消失)」「近くて遠い寂しさ(価値観の相違)」「精神的喪失(不寛容)」「物理的距離感(納得性)」というものが根底にあるように思えた
幼馴染は距離は縮まったけど「さびしいは続く」となっていて、根本的に「寂しさが解消されたわけではない」ことがわかるのだが、この「寂しさ」というのは個人の一人称目線の感情なので、誰かによって埋められるものではないということなのだろう
ベンチは見方によっては「寂しく見える」し、「運が良くも見える」という感じになっていて、それは寂しさの暗喩的なものとして描かれている
そこに座ることで孤独を癒す者(姉)もいれば、誰かがいないとダメ(リコ)もいて、一緒に座ってもダメ(カップル)というのもいる
第4編だけは唐突な設定になっているが、1〜4編の流れを考えると「寂しさを割り切る家族」というふうにも見えるので、ある意味においては「守る役割」のアンサーになっているのではないだろうか
いずれにせよ、役者が豪華で設定も面白いのだが、さすがに絵作りがキツいのでシアター向けではないと思った
特に第4編の字幕表記がとても読みづらく、画面もかなり暗いので、ストレスを感じる人もいると思う
内容よりも完成度の観点において映画館で上映には届いていないと思うので、そのあたりをもう少し作り込めば印象も違うのかな、と感じた
超豪華な出演者。第1章が気に入りまひた。寝れる (^^)
鑑賞前に解説見たら、TVドラマや映画で主役を演じる俳優がゴロゴロいて、知らない名前が1コもない。
僕が気に入ったのは第1章。
広瀬すずのさりげない「ギリじゃないよ」が良いね。
仲野太賀がこのセリフをスルーしたような,してないような感じも良い。
あと、寝れます (^^) zzZ。
肝心の奥山由之のパートがひどいのがもったいない
2024年劇場鑑賞332本目。今年残り4本。
パンフレットなしにつきマイナス0.5。
なるべくこの映画を省エネで作りたいという意志を感じます。いやパンフレットくらい作れよ!
ある川沿いにあるベンチで会話する人たちをオムニバスで描いた話。とはいえ完全に独立しておらず、他の編に出てきた人の名前や話題がさりげなく入ってきてそこに住む人たちの話という演出がされています。
予告こそジム・ジャームッシュの映画みたいなオシャレなだけの雰囲気が漂っていて、正直面白くなさそうだな、と思ったのですが、オムニバスに出てくるキャスト全員有名俳優で、正直こういうの一人くらい知らない人、顔は分かるけど名前分からない人が混ざってくるのですがそういうのも一切なく豪華すぎるだろ、なんでミニシアターで細々と上映されてるんだ、と不思議に思いながら鑑賞しました。
基本5章中4章以外全部面白いです。1章は広瀬すずが幼なじみの仲野太賀にちょこちょこアプローチするのが悶絶しますし、2章岡山天音と岸井ゆきのと荒川良々の会話で吹き出してしまうし、3章の森七菜はともかく今田美桜の狂った女の芝居にほんとにこれ今田美桜だよな?と思ったくらいで見応えかありました。5章の1章から1年経った2人の関係性にまたニヤつくのも良かったんです。
ただ、この映画を企画した奥山由之の担当する4章だけ全然面白くない上に、ある理由で出てくる字幕が普通の字幕の漢字につくふりがなくらいの大きさなのでめちゃくちゃ読みづらくてストレス爆たまりでした。
寿司ネタが一番面白い
古ぼけたベンチを舞台に繰り広げるオムニバス長編映画。5つの物語から構成されている会話劇ですが、一番面白かったのは第2編の別れ話をするカップルとそこに割り込むおじさんの3人の会話で寿司ネタが最高に面白くてツボにハマりました。
2024-209
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