「大変面白く観ました!」アット・ザ・ベンチ komagire23さんの映画レビュー(感想・評価)
大変面白く観ました!
(完全ネタバレなので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
オムニバス映画ぐらいの情報しか知らないまま、評判が良かったので今さら観て来ました。
結論から言うと、今作を大変面白く観ました!
ポスタービジュアルからもっとオシャレな映画を予想していたのですが、意外にも身近な地味な生活感も感じさせる地に足ついたエピソード(Ep.)の映画だったと思われます。
そこが逆に個人的には好きな作風だったと思われました。
(今作とはまた違う、地味な生活感から離れた、オシャレな作品も嫌いではないのですが‥)
Ep.によって作風の私的好みの違いはあったのですが、Ep.2と、Ep.3が私的な好みではありました。
Ep.2の、岸井ゆきのさん・岡山天音さん・荒川良々さんの演技は相変わらず自然でリアリティも感じさせ、ワンシュチュエ―ションコメディーとして完成されていたと思われます。
Ep.2の脚本がダウ90000の蓮見翔さんだと後から知り、なるほどこのコンパクト凝縮さとリアリティは蓮見さんらしいと納得感ありましたが、その情報なくとも十分、映画的な場面ある内容に感じられました。
そして特に驚かされたのがEp.3の今田美桜さん森七菜さんの姉妹役の演技でした。
Ep.3の今田美桜さん森七菜さんの互いの叫び続ける演技は、例えるなら限界の音程の声を出し続けながらそれでも感動させられる表現をして歌い続ける困難さがあったと思われます。
そんな緊張感が持続しながら奥行きがある表現を見事にやってのけている今田美桜さん森七菜さんの2人に、正直、1観客として驚き感銘していました。
特に今田美桜さんは、本来の性格がドラマ「トリリオンゲーム」のようなさばけた印象を私的持っているのですが、それとは真逆の、映画『わたしの幸せな結婚』での虐げられたヒロイン・斎森美世や、今作の追い詰められた姉役など、見事に演じられる幅の広さにやはり素晴らしさを感じました。
そしてそんな今田美桜さんに全く対等に呼応する森七菜さんも、相変わらずの素晴らしさだと思われました。
2人の演技は、見事に魅力的な1つの姉妹になっていたと思われ、(サスペンスでもハートフルコメディでも良いので)この2人の姉妹の設定の今作から拡張した長編作品も観てみたいと思わされました。
Ep.3の脚本が根本宗子さんだと後から知りましたが、その突飛さとリアリティの両方を併せ持った内容は、これだけで今作を観た甲斐があったと思わせる充実した中身だったと思われます。
Ep.1・5の広瀬すずさん・仲野太賀さんはもう1トーン生活感が感じれればとは思われ、Ep.4の草彅剛さん・吉岡里帆さん・神木隆之介さんの話はちょっと突飛過ぎてしかしそこまで(メタファーなどで)心に迫って来ず、好みとはまた違いましたが、しかしそれでもそれぞれ相変わらず見事な演技を見せていたと、僭越思われました。
そして全体を通しても、今作の映画『アット・ザ・ベンチ』は満足度高い映画だったと、僭越思われました。