「色々事情を想像してアンダーな気分になることはない」アンダーニンジャ 弁明発射記録さんの映画レビュー(感想・評価)
色々事情を想像してアンダーな気分になることはない
これさぁ。
これは全体的には悪かないし後半アクションがそれに盛り上がったけど。
これそもそも福田監督な必要があるのか。
これが福田監督だからこそちょっと余計なコメディーが入ってしまった感じがする。
例えば最初のほうのムロツヨシとの無駄な何度も襖を開けたり閉めたりするやりとり。ここは池袋の観客が笑ってくれたからまだよかったんだけれども、ここのパートとか。他にもやっぱりいつもの佐藤二朗プロなんかも福田監督演出のさだめだから。
福田さを出すためにはああいうシーンを入れざるを得ない。自分が福田監督だったとしても、ああいうギャグを入れたと思う。それは自分が監督として任されたから。
ただ全体を考えたときに果たしてその福田ギャグがそんなに必要だったのかと言う思いがある。
もっとアクションメインでアクション重視映画でよかったんじゃないかと思う。
池袋の観客は反応が良くて、例えば女の子がすごい速さで逃げていくようなシーンでも多少笑いが起きていたし、そういう意味でやっぱりコメディーを見るんだったら池袋か新宿だなと言うのが再確認できたところはある。
でもさぁこれさぁ。もういつものように山崎賢人がすごい頑張ってくれて。すごい可愛い浜辺美波がいて。浜辺美波の制服姿も見れて。白石麻衣なんかも頑張ってなんかアクションに挑んでくれて。まぁ白石アクションは吹き替えだろうと言うところはあるけれど。
それ以外にもまぁまぁ結構いい場面もあるが故にちょっといろいろもったいない。
おそらく多分予算もそんなに取れなかったし、時間もそんなに取れなかった。で、かつ原作もめちゃめちゃ有名と言うわけではない。
となるとライトな層に訴求するには、やっぱりコメディーにせざるを得なかった。コメディ要素を強めライトなイメージを強めるしかなかったのかなと言う事情は察する。難しいバランスだよな。
屋根の上の場面とかもっといい感じのシーンになる可能性もあったと思うけど、いかんせんセット感が強い。
宇宙の衛星からレーザー発射するAKIRAリスペクトのあの攻撃も面白いんだけれども、それを操る司令室のセット感もかなり安いものがあり、予算がなかったんだなぁというのが察せられて悲しいものがある。
良かったところもあげよう。
- 編入テストの答えを色つき米粒でカンニングというアイデア
- 編集者な白石麻衣の美しさ
- 自分の頬をはたく浜辺美波の可愛さ
- アンダーニンジャは誰なのかという推理要素
- 忍者服の最新は宇宙服になっているというアイデア
- ドローンで刀が運ばれてくる展開
原作の良さとキャストの良さばかりになってしまった。
でも監督のせいにばっかするのもなんかなあ。
というアンダーな思いになるのは自分だけでいい。