金子差入店のレビュー・感想・評価
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映画はまあこれでいいとして 淡々と仕事をこなすプロの差入屋の活躍ぶりを10話ぐらいの連続ドラマで見たいかも
転職などでまったく新しい職場に放り込まれると、周囲の生態系が変わったと感じることがあります。生態系とは「森の生態系」とかのときに使う生態系で特定のエリア内に存在する植物や動物が互いに影響し合ったり、依存し合ったりして共生していることを指します。仕事の場合ですと、職場はそれ単独では成り立ち得ませんので、会社内他部署とか取引先とかとで固有の生態系を形成していることになります。さらに高いところから俯瞰すると業界全体の生態系みたいな考えも出てくると思います。
さて、この作品で紹介される「差入屋」という職業ですが、かなり特殊な生態系の中に存在している感があります。私は幸いにして拘置所や刑務所に収監された経験はありません(今のところですが)。差入屋という職業があることも知りませんでした。世の中の大部分の人々は監獄なんてところとは縁がありませんので、監獄とその周辺の生態系なんぞ興味の埒外で、その意味では隔絶された生態系になっている可能性があります。また、昔、モノの本で読んだのですが、法体系の整備が始まった明治以降、法改正が最も少なかったのは監獄に関する法律だという話があります。考えてみれば、罪を犯した者たちを塀の中に閉じ込めておくという考え方はかなり古くからあり、監獄周辺の仕事をめぐる生態系は硬直化しているのかもしれません。
なんでこんな「生態系」などという話を長々と続けたかというと、私は鑑賞前にはこの作品をもっと職業ドラマよりだと思っていて、初めて聞く職種だし、存在意義とか、社会での立ち位置とか、どんな人たちと協業したり、関わり合ったりしてるのかあたりに興味があったからです。まあでも約2時間の劇映画ですから、あまり知られていない商売の紹介をしつつも物語のテーマはもっと情緒的な方向に行くのが常道でしょうね。本作では親と子の間の愛と憎しみがテーマでした。親と子といっても主人公とその息子が父と子であった以外は母と子の間の関係でした。私、物語自体は支持したいです。主人公もこの約2時間の劇映画の中で父親としても職業人としても成長しますし。ただ、脚本も演出も紋切型というか、ステレオタイプに寄っかかってるというか、昭和の頃のドラマような古さを感じました(まあでも嫌いではありません)。
この差入屋という設定を活かして職業ドラマにして社会派エンタメを目指すというなら、10話ぐらいのドラマシリーズのほうがよさそうな感じがします。一話一案件にして、差入を受ける収監者側も、例えば、闇バイトで指示されて凶悪犯罪をしてしまった若者とか、図らずも収賄事件に連座してしまったエリート官僚とか、パパ活に味をしめておじ(い)さん専門に詐欺をはたらきまくった若い女とか、粉飾決算して証券取引法違反で逮捕された経営者とか、まあいろいろと出てくると思います。で、職業人として成長した主人公は淡々と業務をこなしますが、やむにやまれぬ理由でほんの少しだけ業務の範囲を超えたことをする、それが収監者と依頼者の関係に劇的変化をもたらす…… なお、主人公を語る上で大きな意味を持つ過去の暴行事件については第8話から最終話あたりにかけて徐々に真相が明らかになってゆきます。第6話あたりからメインのストーリーと並行して主人公の幼い頃の回想シーンが挿入され、母親との関係が徐々に見えてくる。そして、暴行事件には母親が……
ということで、NHKが火曜夜10時とか土曜夜10時とかでやってくれないかな。
いい奥さん!!
差入品は女子高生
主演の方を知らなかったのもあり、冒頭で離婚届を持ってきた人が主役かと勘違いしてかなり混乱した。
もうちょっと違う風貌の人を使ってくれないかな。
その後は主要キャラをチラ見せしながら差入店の仕事を描いていく。
今回初めて認知した職業なので、ここは興味深かった。
しかし全体で見ると詰め込みすぎで散らかった印象。
花梨ちゃんの事件だけでも犯人・依頼人・遺族らとの向き合い方、派生する風評や息子のいじめが絡む。
そこに母との確執や佐知関連、自身の過ちなども加わる。
その結果、遺族は丸投げ、いじめは理由なく解消、母との関係もぬるっと軟化など消化不良感が強い。
母の件は貰い物をお裾分けというのも如何なものか。
真司が服役した事件の詳細は明かされず、穏やかな時と感情的な時で二重人格ばりの変貌ぶり。
美和子が離婚届から「父親は1人しかいない」になった経緯も不明。
認知症に見えたこず江は途中からただのモンクレに。
なんだか掴みどころのないキャラが多かった。
その点、犯人の高史は支離滅裂なのに何故か人間的な一貫性を感じ、北村匠海の凄味が窺える。
真木よう子は、演技は良くなったのに滑舌が絶望的で、何度も噛んでいたのがリアルだけど残念。
主演も滑舌は微妙で、芝居も何となく半歩ズレてる感じ。
佐知と横川の話は好きなのだけど、どのみち助からなかっただろうし「私が殺した」は余計だった。
あの年齢差で「待ってる」も、「それでどうするの?」という疑問が浮かぶ。
高校生とはいえ、あの事件の後で夜道を一人で帰らせる金子一家よ…
差入店への嫌がらせが何故か鉢植えのみで、ガラスや車にいかないのも不思議。
真司が受付に言った「今までのこと全部バラす」って何のことだろ。
結局主軸がどこにあってテーマが何だったのか判然とせず、連ドラの総集編を観たような感覚が残った。
人と人の緩衝人
差し入れ代行さんの存在初めて知りました。退職代行さんの先駆けですね。世間の偏向視も知り、ショックでした。退職もそうですが、面と向かう依り人を立てるのがお互い本音、気遣いの面で接しやすい場合もあると思います。あのサイコパスの標的が、何故女の子なのか全く理解できませんでした。ラストの女子学生と母親殺人者との面会、何とも言えない、感涙でした。
しかし、監督さん、ビックリしてるでしょうね、あの小学校事件。映画を観てた私も本当にビックリしました。動機も何もかもそのままでしたから。
差入店という職業映画
結局誰が悪い?なんて
犯罪者って、ちょっと世界線がズレてたら犯罪者にならずに済んだのかな。
どうして犯罪という解決法を選んだんだろう。
選ばずを得なかった?その選択肢しか与えなかったのは誰のせい?誰かが悪いのは誰のせい?
そんな事、この作品を観なかったら考えていません。考える時間をくれてありがとうございます。
過程で気付けた事は人生の財産になるでしょう。
地味だけどとても良かった。キャストが豪華!
差入店とは何ぞや。
映画を見て初めて知ったのですが、刑務所に収容されている人への差入代行をするのですね。物を運ぶだけじゃなくて手紙の代読もするそうな。
いや、世の中にはいろいろな職業があるのですね。
舞台が舞台なので重苦しさもありますが、すごく引き込まれたし2時間があっという間。人間の描きようは心を揺さぶるものがありました。
メインテーマじゃないのかもしれませんが、真木よう子さん演じる美和子の存在が秀逸。
冒頭、やさぐれ感満載だった丸山隆平さん演じる真司が出所後に生まれ変わったのは、人の親になったから、そしてひたすら真司を信じてついてきた美和子がいたからこそ。
人は、自分を信じてくれる人がついていればこんなにも変われるのだと。
「なんで人のために頑張っているパパが非難されなきゃいけないの?」
「パパがやっていることはすごいことなの!」
うわー。この状況でこんなセリフ言えるなんて天使じゃないのさ。私も美和子の爪の垢煎じて飲みたい。
学校でいじめられても父の仕事を理解して強くなれなくてごめんと謝る息子を抱きしめる真司のシーン。
今まで犯罪ばかりしてきた岸谷五朗さん演じる横川がわが身を呈して佐知を守るシーン。
泣きました。
(ちょっと容疑者Xの献身入ってる?とも思った)
エンドロールが流れ終わり「いい映画を見たな」と早々に立ち上がろうとしたんだけど、それは劇場内で私だけ。
みんな着席したままで、おやと思ったんだけどわずかに続きがあったんですね。
(みんな、知ってたのか?)
金子家の割られた鉢植えを片付けるシーンだったんだけど、そういえば鉢植えが割れる謎って解決したの?私が見逃したの?
エンドロールの後に足すくらいだから、なにか大切な象徴なんでしょうか。
誰か、知ってる人教えてーーー。
それが自分の中で今ひとつ解決できないのと、ややグロいシーンがあったので(←苦手)☆ー0.5です。
あまり周知されていないのか、私の地元の映画館ではハコも小さめでした。
キャストだって上に挙げた以外にも寺尾聡さんに名取裕子さんに北倉匠海さんに・・・すごく豪華。なんだかもったいないですね。
重苦しいなかにも心に染み入る良作でした。
職業映画‼️
こんなお仕事があったんですね⁉️刑務所への差入代行業‼️そんな差入店を経営する家族を中心に、小学生の息子の同級生の女の子が殺人事件の被害者になったり‼️母親から犯人への差入を依頼されて葛藤したり‼️差入店という仕事上嫌がらせを受けたり、息子がいじめられたり‼️描かれる人間ドラマの数々は使い古されたものばかりで、あまり新鮮味は感じなかったですね‼️特におじさん役の寺尾聰さん、母親役の名取裕子さんとか、エピソード的にもキャラ的にも本当に必要だったのか疑問‼️ただ岸谷五朗さんと川口真奈ちゃんのエピソードは良かったと思います‼️クライマックスの面会室でのノートによるやりとりや、岸谷さんの演技は素晴らしかった‼️まるで「タクシー・ドライバー」のトラヴィスを思い出しました‼️
「鬼気迫る演技」
差入店という職業を初めて知りました
差入店というのがあるんですね。初めて知りました。
とても興味深く、ドキュメンタリーなどがあれば見てみたいと思いました。
映画作品として題材は良いのですが、モヤモヤとする部分がいくつかあって...。
金子真司さんに関しては、もう少しバックボーンを知りたかった。
暴行事件を起こした理由も判らないから、ただの喧嘩っぱやい人?
あそこまで改心した過程をもう少し知りたかったな。
小島高史に関しても、確かに毒親の片鱗は認識できたけど、
あれで人を殺めるのは、やっぱり怖いな...。
最近起きている自分より弱い人を、自分が楽になりたいために殺める人種と同じなの?
もう少し、彼に関しても情報が欲しかったです。
それに、とにかく、根岸季衣と北村匠海が上手すぎて、
本筋の金子ファミリーより、強く印象に残ってしまっています。
横川哲と二宮佐知さんにしても、母親を殺めてしまった事実を抱えて、
平常心を保っていけるものなのでしょうか?
この3つのトピックが、すべて微妙にこちらへの説明不足のような気がしてしまって、
見終わったあとにスッキリせずでした。
また、先にも書いたように、甲本さんや脇を固める皆さんが上手すぎて、
丸山さんと真木さんが薄れてしまったのが本音です。
色々な母親
北村匠海はさすがに上手い。けど母親役の根岸季衣さんが上手くてあの笑顔が恐怖でした。映画では色々な母親が登場しますが断トツの存在感でした。ただこの親子のことは最後までよく解りませんでした。
真木よう子さんが苦手なので観に行くか悩みましたが、母親役に違和感が無くていい役だったと思います。冒頭の発狂シーンも含め良かったです。
子供が亡くなったり、子を殺された母親のシーンなど泣けましたが、自分を助けてくれた女子高生と元ヤクザとの面会シーンは号泣でした。
前に歩き出した女子高生や主人公家族を見て最後は少し心が軽くなる映画でしたが、最後の最後、エンドロールの後のワンシーンは、きれい事だけではない差し入れ店という仕事のリアルが見える重要なシーンでした。
面白い映画でした。見に行って良かったです。
年ワースト当確。何じゃこりゃ。
貴重な知る機会となった
差し入れ店について知る初めての機会となり、非常に嬉しい思い。
殺人を肯定するわけではないが、世間からは冷や水を浴びせられ続ける役回りなので
ちょっとヒロイックに映りもすると思ったが、そこまでの描かれ方ではないのがいい。
殺人を犯した男との対話は続きそうだったが、依頼を受けて金を稼ぐわけなので、依頼人である母親に対してあのような接し方で終わらせたのはもったいなかったように思う。
できればそこの関係修復や、割り切る描写があってもよかった。
夫婦や家族のバランスはとてもよく出来ていて、むしろそちらに惹かれた。
真木よう子はなぜあんなに滑舌悪いのか不思議だったが、夫の短気で幼いとまでいえる社会性の無さを補う
まさに母の立ち回りができており、そこに救いがあるように思えた。
同情するならカネ送れ!!
こんな商いもあったのかと知って、すぐさま想い出したのは、ロッキード事件で総理大臣、田中角栄が収監された時、本人の房のみならず、すべての房にエアコンが付けられ、差し入れ弁当のメニューが豪華になったという話で、受刑者たちは“次に来る大物“がまたぞろ、待遇改善の役に立ってくれるだろうと、口々にウワサしたとか。
”サブスタンス”の口直しのつもりで観たのだが、妙に刺さった。柄にもなく、歯をくいしばって涙を堪えたシーンもあった。自分の体験に被るエピソードが多々あり(殺人以外)映画のそれ以外にも、オッカナイ系の事務所に監禁されたり、損害賠償額○億円の被告になったり、様々な状況で何度も土下座させられた。半沢直樹の比ではない。(ムショに入った事はありません)映画の毒親などカワイイものである。うわべはキレイなのだが、ヤバイ業界(アート系)にいたものだ。ある事案で接見室にも行った。アクリル板の向こう側の囚人服の“知り合い“に、今は辺境に引っ越した自分の家族を頼むと哀願され、けっこうな額を送金した。
売春させられている少女を救って(殺しは無罪?)英雄になったデ・ニーロのようにはいかず、罪を被った岸谷五朗。娘に金を渡して、コレで生きろと、ヤクザの台詞にしては気取りすぎだが人生の終章としてならアリか。(涙)
接見室で書かれた『ずっと待ってる』(涙)
BS時代劇ドラマで注目していた丸山隆平、円熟味を増した真木よう子、包容感たっぷりの寺尾聰。ひいき目で観ているせいかみんな演技がいい!
いじめはなくならない、差別も偏見もなくならない、義憤にかられて誰かをやっつけようとする。理不尽さを抱え持ったまま、それでも生きていかねばならない。毎日のように嫌がらせで割られている店先の植木鉢、それを淡々と片付ける日常。ラストが憎いじゃないですか。
新たな職種を知りました
人間の愛情って一体何なんだ?
母親が自宅で売春しているのだが、娘にも売春を強制している。
そんな母親が許せない男がこの母親を惨殺する。それを見た娘が母親にとどめを刺す。
それにしてもこの母親は毒親を超えた悪魔としか言いようがない。実の娘に売春をさせるほど愛情が全くない。人間がここまで悪魔になれるのか?そしてこんな母親を殺した娘の行動は当然である。
そして母親を惨殺した男は「君は殺してない、見てただけだ」と言って一人で罪を被って刑務所に入る。この男の赤の他人の娘に対する愛情と実の母親の実の娘に対する愛情の無さ。
人間の愛情って?人間の善って?人間の悪って?なぜ情の深い人間と冷酷な人間がいるのか?生まれながらにして遺伝子で決まっているのか?それとも生活環境によって両者は分かれるのか?
特殊な仕事
タイトルの字面を見た時は、商店街とかのホンワカ映画?…というのが一瞬頭をよぎったが、全く違った。
重いものを背負った人々の話である。
世の中にはまだまだ知らない職業や物事が沢山ある。(「あまろっく」なんかもそう。知りませんでした)
それを学べる映画の力に感謝です。
依頼に従い、物品の差し入れや手紙の代読などをする差し入れ店を伯父から引き継ぎ営む金子(丸山隆平)。しかし対象の場所は刑務所、受刑者面会の差し入れともなれば、そう簡単にはいかない。被害者がいる以上、非難する人もいるなかなか厳しい仕事だ。
自身も受刑者だったことから、償いや家族とのやり直しの意味もあるだろう。妻と協力して暮らしを立てながら、息子を可愛がる姿が印象的だった。
劇中の2つの殺人事件には、いずれも歪んだ家族が登場する。小島(北村匠海)も佐知(川口真奈)も罪を犯しながらも、自身も親から被害を受けており、心が壊れている。
また、横川(岸谷五朗)と佐知の関係には泣けてしまった。そっちの道で生きてる人も人を思う一面があり、本当に生まれ育つ環境がいかに大事かを思い知らされる。
本来、代行が細かな事には立ち入れないと思うが、差し入れているのは、人との繋がりや、人生を見つめ直すきっかけなのでないか。少なからずも救いになっているのではないか。そして、金子本人も自身に向き合って…そんな感想を抱いた。
*****
最近、様々な代行業があるものだなと思っていた。
退職代行なども初めて聞いた時は、そんなことも
人に頼むのかと驚いたが、本作の差し入れ代行も同じで、諸事情あるにせよ、当事者同士が直接コミュニケーションを取れない状況はどうなんだろうと考えてしまった。助かる人がいて、平日は行かれないとか、時代や環境もあるから一概に言えず難しい。
*****
丸山君の特別ファンとかではなく、ドラマ1作しか見たことないけど、昔からお顔に惹かれます(*^^*)
イケオジになっていくのではと思います。
ハードな内容なのに鑑賞後には心が温まる映画
とてもハードな内容なのに、鑑賞後になぜか心が温まり前向きな気持ちになる不思議な映画。
同時進行で描かれる2つの事件が解決するような爽快なサスペンス映画では無い。
しかし、この事件を通して変化する人間の心情の変化を繊細に受け取ることができる。
劇中には、様々な親子が出てくるが母と子の関係、現代の家族のあり方が裏テーマになっているのかな?と思う。
歪んだ世界を、まっすぐ歩けますか?
弱い者たちが夕暮れ さらに弱い者を叩く
その音が響き渡れば ブルースは加速してゆく
真島昌利 「TRAIN-TRAIN」
ヒトの闇に興味があります。この段階で、人格疑われそうな私ですが、事件を起こすヒトの闇、事件を起こさせる環境をつくるヒトの闇…。
例えば、スクールカースト気分で、マウント取るママ友軍団。私達、可哀想なママに全力で寄り添ってあげる。あなたには、その資格があるの?。そう思うことで、自分たちが優良種だと思う。根拠のない正しさで、優劣の優を求めたがる。まぁ、私もその1人なんですけど、自分の正しさが、ヒトを傷つけていることに気づかない。自分の正しさが、他者排撃のイジメの温床になることさえ気づかない。
…私は、あの子を、二十歳まで、立派に育てた…。
その立派とは、誰にとって立派なの?。
間違いを犯したヒトが間違っているのか、間違いを犯したヒトを、侮蔑する私達のほうが、間違っているのか…。そんな解の存在しない問いだけが、後を引くお話でした。
最近の私、どんなに暗い映画だとしても、その先に、救いがあることを望んでいます。歪んだ世界を、まっすぐ歩くのは、容易ではありません。
金子の父さんに、どんな救いがあると思います?。
息子さんに、どんな未来があると思います?。
ヒトのネガティブパーツだけを集めたような映画ですが、もし、救いがあるとすれば、奥さんかな。他者排撃の業から、解脱しているかの如く、ご主人を支える奥さんは、天の使いか、聖なる母か?。そんな彼女が、時折見せる人らしさに、こちらまでもらい泣きしそうです。真木よう子氏、さらに進化しましたね。プライベートでは、色々言われてますけど、スクリーンに刻まれる彼女は、強烈な引力を放ち続けています。彼女を観るだけでも、意味のある映画だと思います。観てね。
歪んだ世界を、まっすぐ歩けますか?
「PERFECT DAYS」
誰かに、何かを差し入れる映画ではないのですが、誰かに、何かを差し入れられた気分になる映画です。併せご覧下さい。
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