「抗議する親に対し悪ふざけで片付ける担任の心無い無責任ぶり」金子差入店 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
抗議する親に対し悪ふざけで片付ける担任の心無い無責任ぶり
2025年映画館鑑賞57作品目
6月12日(木)イオンシネマ新利府
ハッピーナイト1300円
監督と脚本は『東京リベンジャーズ』で助監督を務めた古川豪
粗筋
代行業も兼ねる差入屋を営む元受刑者の金子真司だが小学生の息子和真の幼馴染花梨が殺害され大きく動揺する
花梨を殺害した小島高史の母の代行で真司は差入を渡し手紙を読み始めたがいずれも拒否した高史は質問を始めた
その一方で殺人で刑期を終え出所したばかりの元暴力団組員横川哲は強盗殺人で逮捕された
殺された二ノ宮芳恵の娘の佐知は連日のように横川に面会を求めるもベテラン刑務官に門前払い
考えを改めた真司は佐知をバイトとして雇い強引に横川との面会を実現させる
差入といえばまず石原軍団のおはぎを連想する
または高倉健が年下の先輩で仲の良い中村錦之助から差入を貰い満面の笑みを浮かべるようなそんな雰囲気を浮かべる
しかしこの映画の差入はそれとは全く違う
こういう商売が世の中にあるとは知らなかった
刑務所や拘置所や少年院とは全く縁がないとはいえ中高年にも関わらずあまりにも無知なことを恥じる
出演者の演技力がとても良い
あんぱんのキャラとはうってかわって幼女殺人犯の北村匠海が良い
目の前なのに携帯電話でやり取りをしている小島母が怖い
岸谷五朗も随分と仕上げてきた
母にとどめをさして「やったぜ」という表情を浮かべる娘役の川口真奈も良い
母役のまひろ玲希の絶命ぶりも絶妙
弁護士役の甲本雅裕が特に良い
喪服姿の真司を褒めるときに多めの唾を飛ばしたのは頂けないが
真司が服役する羽目になる暴行事件を起こした経緯
美和子との出会い
星田辰夫はなぜ差入屋を始め金子夫婦はそれを継いだのか
そういった過去の詳細は一切描かれていない
それを不満に思う人もいるだろう
TVで連ドラされるかもしれないし今後シリーズ化される可能性もなくはなくそちらのほうでそれがわかるような話があれば嬉しい
だがそれがなくても十分に楽しめる
エンドロールのあとにおまけあり
配役
差入店の店主で元受刑者の金子真司に丸山隆平
真司の妻の金子美和子に真木よう子
真司の息子で小学四年生の金子和真に三浦綺羅
殺害された佐知の母で自宅で売春をしていた二ノ宮芳恵にまひろ玲希
芳恵の娘で高校生の二ノ宮佐知に川口真奈
芳恵の殺人事件の被疑者の横川哲に岸谷五朗
花梨殺害事件の犯人の小島高史に北村匠海
高史の母の小島こず江に根岸季衣
花梨の母で美和子の友人の徳山詩織に村川絵梨
殺害された和真の幼馴染の徳山花梨に金子莉彩
横川を担当させられる弁護士の久保木に甲本雅裕
真司の母で差入店にカネをせびりに度々やってくる金子容子に名取裕子
容子の兄で元差入店の店主の星田辰夫に寺尾聰
刑務官にモロ師岡
刑務官に山口大地
刑務官の相田に岡田地平
賄賂をもらう刑務官に長島慎治
刑務官に大門嵩
刑務官に原沢侑高
離婚届を突きつけられる受刑者の近藤に伊藤慶徳
泣き喚く受刑者に廣岡聖
拘置所の面会者に友松栄
容子の貢ぎ相手の美容師に今村謙斗
真司に殴られた人に高橋里恩
保育士にめがね
和真の担任に長村航希
体育教師の如月綾に堀丞
小学校の校長に蔵本康文
詩織のママ友に阿達由香
詩織のママ友に黒岩よし
詩織のママ友に赤城圭美
詩織の夫に島丈明
給食袋を落とすクラスメイトに中野心綺
宅配業者に堀家一希
依頼人夫婦に武末志朗
依頼人夫婦に戸張美佳
ぶつかる通行人に高野渚