劇場公開日 2025年5月16日

「観る前と後で日常の感じ方が変わる」金子差入店 うきさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5観る前と後で日常の感じ方が変わる

2025年5月24日
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鑑賞方法:映画館

※核心的なネタバレは含みませんが詳細な感想です※
綺麗事だけで片付けられない、悲しいほど人間味溢れた物語。爽快な勧善懲悪でもお涙頂戴の出来レースでもなく、矛盾ある行動を取ってしまうところがリアルな人間らしくて考えさせられる。

観客に多少の洞察力、想像力、思考力が求められる構成。語られない背景を想像することを楽しめる人(いわゆる考察好き)向けではある。
脇役に関し疑問が残る部分もあるが、登場人物すべての設定を説明するのは無粋だし、2時間でテンポ良く本筋に集中させるには英断だと思った。全て説明するなら連ドラの尺になる。
むしろ、「自分の知らないところにもたくさんの壮絶な人生がある」ということに気づき焦燥することこそ、この映画の本質ではないか。

ベテランから子役まで全体的に演技の質が良く、満足感アリ。北村匠海の怪演は必見。丸山隆平の人間らしさはハマり役だと思う。

世界観について、やや古臭さ?を感じた。構想10年以上とのことなので、その影響もあるかもしれない。そこは目を瞑った方が楽しめる。
リアルな人間らしさとフィクション作品らしさが混在するため、没入感に影響があるかと思う。

万人受けする作品では無いが、観て損は無し。人によって感じ方や刺さり方が変わるので、誰かに話したくなる。

うき
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