「差入店の温かな家族物語」金子差入店 アベちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
差入店の温かな家族物語
古川豪監督が差入店の存在とその必要性を知り脚本を書いた作品。確かに調べてみると差入などできない物の方が多く、かつそれぞれの刑務所や拘置所でも細かい決まりがあるようだ。ネット経由でも差入を頼めるところがあった。衣料や雑誌などの値段は高いが差入店経由ならスムーズに届くのだろうと思う。
主人公を演じる丸山隆平は前科あり。どの程度の傷害事件かは分からないが4年くらった。
真木よう子演じる妻は身重であったが「父親は1人しかいない」と出所を待ってくれた。前科があるので普通の仕事は難しいと、おじの寺尾聰から伝授された差入店の仕事を継ぎ真面目に取り組む。しかし息子の幼なじみが不幸な事件で亡くなるとその職業が起因し妻と息子はイジメに遭う、。息子は父を責めることなく自分の弱さからだと涙を流し、妻は「あなたは必要な仕事をしている」とあくまで前向きに夫を支える。ダメな父親にこんな出来た妻と息子がいるなんて、それだけで幸せなんだぞ!と観ている誰もが実感する。
映画はこの幼なじみの殺害事件と女子高生を救う為に鬼親を元ヤクザが殺す事件が絡み、それぞれ差入の代行をする。事件の内容は僅かのカットを差し込むだけだがその画像が衝撃的で悲惨さが伝わるし、北村匠海、根岸季衣、岸谷五朗、川口真奈がそれぞれ凄い演技で存在するので映画を締まった形にしてくれている。
刑務所の面会室でアクリル板を挟み会話するシーンでは相手側の声を聞く方は音声が絞られていた。塀の中と外とでは世界が違うことをさりげなく表現していた。
みっけもんの良作でした、。
いい映画でしたね。
すべての俳優の皆さんの演技が素晴らしいし、。
泣けるシーンがいくつもありました。
各映画サイトの点数がやや低いのが気になりますが、
じわじわっと共感が拡がるんじゃないかと思います。
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