劇場公開日 2025年5月16日

「地味な作品だが、胸熱くなる人間ドラマ」金子差入店 泣き虫オヤジさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0地味な作品だが、胸熱くなる人間ドラマ

2025年5月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

幸せ

もちろん丸山隆平のファンというわけではないが、作品のユニークな設定に興味を覚えて鑑賞した。

【物語】
服役した過去を持つ金子真司(丸山隆平)は東京の下町の拘置所近くで「差入店」を営んでいた。差入店は刑務所や拘置所に収容された人たちへの差し入れを代行することを仕事とし、伯父の辰夫(寺尾聡)が始めた店を手伝ったのが始まりだった。妻美和子(真木よう子)、小学生の息子・和真(三浦綺羅)、辰夫とささやかながらも幸せ日々を過ごしていた。

あるとき、和真の幼なじみであり、真司も良く知っている近所の少女が殺される事件が起きる。 犯人(北村匠海)は逮捕されるが、拘置中の犯人への差入を求めて母親が訪ねて来る。和真は躊躇しながらも仕事として請負うが、そのころ和真は学校で家業に対する無理解からイジメを受けていた。

また、自分の母親を殺害した男との面会を求めながら拒否され続けている女子高校生と毎日のように拘置所で見かけ、気になっていた。

【感想】
想像以上に良かった。

まず、主演丸山隆平の演技がとても良かった。アイドルとは対極の地味な男であり、直情的に行動してしまうバカだが、実直で温かい心を持っている男、そんな真司をしっかり見せてくれる。

この映画を見るまでこんな仕事があることも知らなかった「差入店」。この作品を観ると、受刑者の更生のためにも確かに必要な仕事だと納得。そんな日陰の職業を扱う社会派ドラマだが、もう一方で家族のドラマだ。俺は歳を重ねるにつれどんどん「家族のドラマ」に弱くなっているのだけど、またやられてしまった。

真司が自信を失ったときに、迷うことなく叱咤し支える妻の姿に涙。そもそも服役中に見捨てなかったことも含めてこんな出来た妻はいない! うらやましい!!

息子もいじめられているのに父親を恨むではなく、自分を責める姿に号泣。 父親の気持ちを想像したら、もう涙が止まらなかった。

地味だけど、邦画らしいとても良い作品だと思う。超おススメです!

泣き虫オヤジ
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