「何を伝えたいのか見る側がそれぞれ解釈を求められる作品」金子差入店 邦画野郎さんの映画レビュー(感想・評価)
何を伝えたいのか見る側がそれぞれ解釈を求められる作品
予告で見た感じとても面白そうだと思い鑑賞。予告からの期待通りの作品でした。
北村匠海は先日の悪い夏での役ともまた違った感じでしたね。普段はなかなかやらなそうなサイコパス野郎の役でこれがまたハマっていたと思います。このサイコパス野郎のことが中心に進んでいくのかと思いきや中盤から後半にかけて別の事件を軸に物語が進み、岸谷五朗さんと少女の話は胸が打たれるものがありました。
自分が見た感じではこの作品、いろいろなところにいろいろな要素が散りばめられていてこれはこういうものでこういうテーマだというものを提示する感じではなく見た側に委ねられる感じがある作品かなと思いました。
なんとなく親と子、家族、つながりみたいなものを考えさせられる感じがしました。
被害者家族の悲しみの視点なんかは昨年の石原さとみの「ミッシング」を彷彿させる、というかそれをさらに酷くさせたような描写でしたね。それとは逆に加害者側の家族の視点、そして今まで母に振り回されてきた主人公。
後半に明らかになる少女の実態。
どんな親でも親は親、どんな子供も子供は子供、ただそれだけでは成り立たないこともある、血のつながりがなくても何というか絆のようなもの、救いがあることもある、なんとなくこのような要素が物語の全体として散りばめられていると考えました。
しかし主人公はなんで暴力沙汰で逮捕されたのか、植木鉢を壊してるのは誰なのか、そのあたりは詳しく描かれなかったのでよくわかりませんでした。
ま、そういうことがありながらも日常は続いていくということを表現したいから最後のカットはああなったのかな?なんて思いました。
深く考え、胸を打たれ、いろいろと感じることのできる作品です。
作品としてはとても重いものだと思います。
ぜひおすすめです!
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