「令和版「たけしの挑戦状」を叩きつけられた感覚」Broken Rage ソビエト蓮舫さんの映画レビュー(感想・評価)
令和版「たけしの挑戦状」を叩きつけられた感覚
好きな作品が、いっぱいある北野映画。
新作が出るたびに期待値が上がり、ワクワクする。
30年前辺りの、学生の頃に観た作品群が、
やっぱり一番好きな時期であり、
次はまた、そうした作品に再び出会えるんじゃないかと思い、
最低でも一度は観ておこうか、という気になる映画監督。
初のアマゾンプライム配信作。
おおっ、今回「も」やっぱり、つまらんかった!
でも、もうそれでいいとすら思う。
たけしの映画は、観る前が一番、胸が高鳴る。
遠足の前日が、一番楽しいように。
むしろ、あれだけ素晴らしい作品の数々を、生み出してきた天才が、
自覚的に、視聴者を満足させる気が毛頭無い、
あえて、しょうもない映画を作ってきた、
という部分に、
北野武からの、何らかのメッセージが、
込められているような気がしてならない。
映画を映画館ではなく、配信なんぞで観るような、
畜生どものお前らには
「この程度で十分だ」
とでも、言われてるかのように。
ガツンとゲンコツを、食らわされたような感覚になる。
つまりこれは、たけしから我々に叩きつけられた、
令和版「たけしの挑戦状」
なのではないか。
映画の宣伝に登場する、北野武の口からは、
アマゾンプライムビデオに、ネガティヴなワードは一切、出てこなかったが、
作品を観た限りでは、ネガティヴなものしか、感じなかった。
ただ、正確には、配信媒体に対してではなく、
配信視聴者に対して、ネガティヴな塊をぶつけてきたように感じた。
その一方で、新たな媒体からの出品という事で、
監督の創作意欲は以前よりも、増したように感じる。
だったら良いことじゃないか。
期待するポジティブ要素は、そこになる。次の作品も、やはりワクワクしながら待ちたい。
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