サンセット・サンライズ : 特集
【宮藤官九郎ワールド全力全開!面白さハンパねえ!】
「ふてほど」の次はコレ!菅田将暉&岸善幸監督と組ん
だ“移住エンタテインメント”が、爆笑! 感動! 空腹!
【映画.comが推す、初“泣き笑い”は圧倒的にこの映画】
次に観る作品を探しにきた“あなた”へ。
それがこの「サンセット・サンライズ」(1月17日公開)だ。
見どころはなんといっても、菅田将暉主演、宮藤官九郎脚本、岸善幸監督という“良作だとはっきり予感できるコラボレーション”。もっというと、「ふてほど」(「不適切にもほどがある!」)の次は絶対にコレ! 宮藤官九郎好きにはたまらない、“1月の超絶オススメ作”である。
観れば爆笑! 感動! そして耐え難いほどの空腹が襲いかかってくる“移住エンタテインメント”――劇中の登場人物よろしく「面白さハンパねえ~!」と叫んでしまう本作の魅力を、わかりやすく・詳細に紹介していこう。
【魅力を一気に紹介】ただの移住がこんな面白くなる!?
抱腹絶倒、涙腺爆発!2025年スタートにイチオシの一本
[新年初・泣き笑いに推すワケ①:脚本は宮藤官九郎]
ギャラクシー賞3クール連続受賞、流行語大賞受賞…今、なおさらアツい男が全力投球で放つ“移住エンタテインメント”が、社会を大きく動かす!
本作の魅力のひとつは、“宮藤官九郎脚本”だ。
宮藤官九郎といえば、2024年は「不適切にもほどがある!」「季節のない街」「新宿野戦病院」「終りに見た街」でギャラクシー賞に輝き、「ふてほど」が流行語大賞を獲得するなど“今、史上最大級にノリにノッている男”であり、新作をもっとも待望される男。
ユーモラスな物語を創出し、さらに“その時代の雰囲気”を的確に突く彼が、次に放つのはなんと“移住”だった!
舞台は、新型コロナウイルスのパンデミックに見舞われていた2020年。東京の大企業に勤める釣り好きの晋作(菅田将暉)は、リモートワークを機に、大好きな釣りが楽しめる三陸の、4LDK・家賃6万円の神物件に一目惚れし、気楽な“お試し移住”をスタート。
仕事の合間に海へ通い釣り三昧、新鮮な海の幸を堪能する日々を過ごすが、東京から来た“よそ者”の晋作に、コロナ感染を恐れる町の人たちは気が気でない。ひと癖もふた癖もある地元民の“距離感ゼロ”の交流にとまどいながらも、持ち前のポジティブな性格でいつしか溶け込んでいく晋作。だったが、その先にはまさかの人生が待っていた――!?
[新年初・泣き笑いに推すワケ②:キャスト&スタッフが“観たすぎる”]
主演に菅田将暉、監督に岸善幸(「正欲」「あゝ、荒野」) ユーモアたっぷりの極上ひと時…映画館で味わえば、骨の髄まで“いい気分”
宮藤官九郎脚本にかかれば、単なる移住が“こんなに面白くなる?”と驚くほど魅力的になる……わけだが、今回、才能のコラボレーションによって、更なる魅力が加わっている。
主演には菅田将暉。映画.comの“人物情報”ページのcheck-in数=ユーザーのお気に入り登録数で、全人物でNo.1となる数字を叩き出している、超人気俳優だ。
そして監督は傑作「あゝ、荒野」(菅田将暉、ヤン・イクチュン主演)や「正欲」などで知られ、重厚な演出が特徴の岸善幸が務め、ユーモラスな宮藤官九郎脚本と異色コラボレーションを果たしている。
映画館で堪能してほしい“極上のひと時”。笑いだけでなく感動も大いにあり、2025年の初・泣き笑いにぴったりで、きっと失敗しないとオススメする――その根拠を、次の項目で解説していこう。
【やっぱ最高】私達が大好きな“宮藤官九郎ワールド”
が全部入り!さらに豪華タッグで化学反応ハンパねえ!
宮藤官九郎ワールド、全開!さらに豪華スタッフ・キャストとのタッグで“ハンパねえ化学反応”が起きている。
[①:会話劇の妙がハンパねえ!]
とてつもない“魔法のような面白さ”…普通のボタンの掛け違えも、この映画にかかれば天下一品!
独特のセリフ回しとテンポの会話劇の面白さが、宮藤官九郎作品の真骨頂! 「池袋ウエストゲートパーク」「不適切にもほどがある!」などが代表格だが、本作では菅田将暉らのこれまた絶妙な演技力や、岸監督の洗練された演出と融合し、魅力が増しに増しているように感じる。
序盤から象徴的なシーンがあり、コロナ禍でソーシャルディスタンスを保ちたい主人公・晋作たちが、目の前にいるのに電話で会話し始める……“ソーシャルディスタンスのおかしみ”を表現するパターンはもう出尽くしたと思っていたが、まだこんなに面白いパターンがあったか、と衝撃を受けるほど。
また「田舎の年寄りはイメージで生きている」など、共感性が高く、思わずクスッと笑ってしまうセリフの多さなど、本当に唸るくらい見事で、魔法のような言葉の数々にどんどん作品が好きになっていく――!
[②:キャラの魅力がハンパねえ!]
尋常じゃなくヘンテコな人々が、5人、6人、7人、8人…と無限に出てくる! 井上真央、三宅健、竹原ピストルら、1人たりとも忘れられない強烈存在感が出ずっぱり!
身近にいそうだけど絶対にいない、尋常じゃなくヘンテコで独特な人が、1人じゃなく大量に登場することも、本作を大好きになっていく魅力のひとつ。以下の面々が、忘れられない強烈な存在感を放っている。
「この人をこういうキャラで起用するか!」と驚くような、しかしピタリとハマっているキャスティングが最高だ(特に三宅健が印象深い! 地方の元ヤンキー!? でも居酒屋とかパチンコ屋にいるよねこういう人、と納得する)。
[③:時代とリンクし感動を呼ぶ物語がハンパねぇ!]
世間の人々が注目すべき問題や課題を、鮮やかに浮き彫りにし、感動を与える…この“新たな人生の幸せ”を、あなたはどう思いますか?
これまでの作品で、宮藤官九郎は「震災と再生と家族愛」「次のパンデミックと人々の奮闘」など、重要なテーマを数多く描いてきた。
本作もただスカッと笑えるだけでなく、「今、世間のみんなが注目する問題や課題に切り込む」ことが、ひときわ大きな魅力となっている。
そしてそのテーマとは「新たな“人生の幸せ”」「喪失と再生」。まさかの展開とまさかの感情が、物語の出口であなたを待っている……このあたりは記事最後のレビューで詳細に語っているので、ぜひご一読を!
[これは新たな宮藤官九郎ワールド:グルメの魅力がハンパねえ!]
今までにない良さ…食を“こんなにおいしそう”に描くのは、意外にも初めて!
宮藤官九郎自身が食にあまり興味がないそうで、実は、彼の作品では食べ物の存在感はそこまで大きく描かれてこなかった。
しかし本作「サンセット・サンライズ」では、1人の登場人物(シーンによっては主演)と言えるほど、食が存在感を放っているのだ。予告編でもその片鱗はバッチリ確認できるので、チラッと観ればお腹がグ~と鳴ること間違いなし……これは今までの宮藤官九郎作品にない“良さ”!
全開の“ワールド”が豪華キャスト・スタッフと化学反応をみせ、グルメという今までにない武器も手に入れた、宮藤官九郎の“現時点での最高傑作”(もちろん異論は認める)と言える超良作――ぜひ映画館で、たらふく堪能していただければと思う!
【実際に観てみた】ポップコーンを買わないでください
観終わった後、刺身や酒が1億倍、おいしくなります。
記事の最後に、「面白そうだけど観に行くか迷っている」という人に、ダメ押しとなる映画.com編集部による鑑賞レビューをお届け。迷っているなら映画館へ。その選択はきっと後悔させないだろう。
●この映画にポップコーンとコーラは合わないかもしれない。あえて何も飲み食いせず、じっと欲望を溜めながら、味わってみるのも一興
グルメの数々が本当においしそうで、脳髄をとことん刺激された。新鮮な魚の刺身、大粒の殻付きの牡蠣、切り込み(イカの塩辛)と白ワインの意外なマリアージュ、目もくらむ海鮮丼などなど、菅田将暉のあまりにもいい食べっぷりも手伝い、強烈な「食いてえ」が押し寄せてくる……!
しかし筆者は試写だったので、何も買わなかった。これが逆によかったかもしれない。じっと映画と向き合ったことで、飢餓感がたまりにたまり、鑑賞後に矢も盾もたまらず居酒屋へ駆け込んだ。
ビールと刺身盛り合わせを注文し、卓に到着するなりワサビ醤油でいただくと、意識が飛びそうになるくらいうまかった――。魚介と酒のおいしさが通常の10倍、20倍、いや1億倍にも感じられたわけだ。
「サンセット・サンライズ」レビューなのに、冒頭から「映画を観た後に居酒屋に行った」ことを語りたい、それくらい“おいしい映画”なのである。
もちろんフードを買って映画館に貢献することも重要だし、ポップコーンとコーラが映画鑑賞のスタンダード。だが、この作品にはあえて酒と魚を合わせることを強くオススメしたい!
●しみじみと、そして深い感動が押し寄せた…「喪失と再生」「人生の幸せ」が脈々と流れる、奥深いテーマ。「大切な人を忘れずにいることと、残された者が前を向くことは矛盾しない」
コメディにとことん笑わせられ、菅田将暉の人たらしっぷりを味わい尽くしたかと思えば、あるセリフが心にズバッと突き刺さった。
「大切な人を忘れずにいることと、残された者が前を向くことは矛盾しない」。中村雅俊演じる関野章男が、ふとつぶやく言葉である。
中村雅俊は、出演にあたり自身の役どころを「東日本大震災で被害を受けた南三陸の町で、井上真央さん演じる娘の百香と共同生活をしている漁師です。そんな百香にも愛する人が現れ、戸惑いながらも応援する毎日を送るという優しい親父」と説明している。
もうこれだけで、章男という人物だけでなく、本作の多層的な感情がとてもよく想像できると思う。だから、多くの説明はいらないだろう。
震災とコロナ、喪失と再生、そして新たな人生の幸せ。サンセット、サンライズ。重要で、しかし説教臭さのない軽快な話法で、自然と筆者を“途方もない情動”へといざなってくれる――宮城県出身で「あまちゃん」を手がけた宮藤官九郎だからこそ、このテーマを扱うことに納得感と説得力がある。ほかのクリエイターだったら、こうはいかないだろう。
さらに岸監督の卓越した画作りにより、画面全体に詩的なニュアンスが付与され、軽やかさだけでない不思議な心地よさと余韻がすうっと尾を引く。ゆえに本作には他の映画にはない力が宿っていると言えるのだ。
●最後に、記事のまとめ
以上、「サンセット・サンライズ」(1月17日公開)の特集をお届けした。
現時点での菅田将暉×岸善幸監督×宮藤官九郎の“最高傑作”といっても過言ではない珠玉の一作。2025年の幕開けに、映画館初めに、初泣き笑いに――なにはともあれ劇場で鑑賞すれば、「行ってよかった」と感じ入るはずだ。