サンセット・サンライズのレビュー・感想・評価
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爽やかな東北応援映画…
震災、コロナ、過疎化、地方移住、空き家対策、再婚…様々な社会問題をクドカンらしく重苦しくなく描く。終盤まで心地良く見ていたが、急に恋愛モードとなりもたつき、テンポ悪くラストは蛇足だった。出てくる魚料理や郷土料理はどれも美味しそうで、行ってみたい気持ちになった。
意外と菅田くんの役どころが好きになれなかった
東北に移住してきて、安い家賃、美味しい魚、趣味の釣りができることに
テンション上がりまくりの若者、という役だからだけど
何だかうるさい
物語が進むにつれて、テンション上がるシーンは減るからいいんだけど
竹原ピストルが店主の居酒屋でのやりとりは
笑いどころなんだと思うけど、何だか長い、テンポが悪い?
震災とコロナを扱っているから、
あまりコメディに走れないのかもしれないけど
でも、震災やコロナのことを忘れないという意味では
よかったと思う
あとサプライズ?としては
あのおじいさん役、ビートきよしだったのか、、、
クドカンの東北モノ、好き!
クドカン作品のちょっとした会話とか大好きで、今回も喜んで市場で牡蠣を買う主人公の事を「地元ならスーパーのほうが安いの知ってるべ」って言うのとかリモートでパソコンの操作教えてるのとか、話すたびにマスク離しちゃうおじさんとか、いるいるー!って感じで。
菅田くんの釣竿捌きが上手い!釣り好きそうだもんな、彼。そんな事を思いながらぼんやり見てて、ラストはほっこりしました。
方言を話したい。魚が食べたい。山菜が食べたい。
当方東北出身ですが、つられて方言が出そうでした。
山菜採りに行きたいなぁ。お祖父ちゃん、キノコの場所最後まで教えてくれなかったなぁ。田舎を思い出しながら観ました。
田舎都会あるある等、様々なそれぞれのあるあるがコミカルに描かれ、しかし芯は至極真面目な考えさせられる映画でした。見終わった今、何とも言えない感情です。
沢山の要素を、自然な脚本にまとめ上げていた🐟️
所謂コロナ騒動と何か東北の人々がバカに描かれている気がして、初めはどう楽しんだら良いのか分かりませんでしたが、地方の空き家問題が主題の1つだと分かると、面白く感じ始めました。他にも311や主人公の移住と釣り、ヒロインとの恋愛要素を入れて、良くまとめ上げたなぁと思いました。ラストはアカペラでポエムな感じでした。実際の過疎化対策は、行政が大量の外国人移民をぶっ込んで来るだけの様な気がします。
エンディングは私が観てきた映画の中では最高の名場面
面白かった。
凄く良かった。
菅田将暉さん、やっぱり凄いな。
この映画の役は、個性も特技も無い普通の人の役だからこそ凄いと思った。
ヒロインは井上真央さん。やっぱり真央ちゃんも良い。NHKドラマ「少年寅次郎」の母親役の時に素晴らしいと思ったけど、ホントに良い俳優だと思います。
中村雅俊さんと小日向文世さんが、同じ映画に出演しているというのも善きです。同じ場面で共演はしていないけれどね。
脇役も皆良かった。
エンディングは私が観てきたこの何十年かの映画で最高の名場面だと思いました。
名作です。
傑作です。
流石にクドカンさん。
心地良い
人が人を想い、そこで生きる人々との距離の縮め方がとても好きです。そして脇を固める池脇千鶴さんの少しやさぐれた感じの演技と、最後の言葉はとても沁みる。
人との触れ合いの大切さと人を思いやる心の大切さが心地良い物語。
たまに見ればいいんだよ
海辺の町に魅了された
東京の会社員のはなし
と
ひとことでいえばそうですが
魅了されるまでの時間を
共有できるのが
心地よし
ときはコロナ感染が
広まっていったあの年
ソーシャルディスタンスや
都会からの旅行者への
スプレーのシーン
今では、笑って見れる
感染防止対策の数々も、
あの頃は皆真剣
初期の頃、
北陸では感染者の家に石が
投げ込まれ、
そこの家族は引越ししたと
聞いたことあります
嘘みたいですが実話
しかも、
震災が絡む土地が舞台
そんな状況で異界の人間が
暮らして、馴染んでいく様が
なんとも・・
そんななかで
本作でぐっときて
受けとったのは3つ
ひとつ目は、
茂子さんが縁側で西尾に
言ってた
「東京にいっても何も
することがない。例え津波がきても
ここでの暮らしがいい」
この土地が好きって
感情はわかるような気がします
海辺で、
薄暮の紫が海面に伸びる
吸い込まれそうな瞬間を
見たことがあれば。
本当に美しいものを見た時
心がもっていかれます
それが日常ならなおさら
2つ目は、
生き残った者が
前を向いて生きるっていうことが
どういうことなのか
百香が車の中でMDから
亡くなった子供の声を聞いて
自分のやるせなさに泣いていた
ひきづらずに生きていくのは
できないかもしれないけど
なにかのキッカケで
自分がしたいように動き出すしか
ないんだろうと
正解はないのだろう
この作品のスゴイところは
震災の復旧と空家問題の解決の
方法が同じやり方でいったら
いいのではという啓示
全く新しく作り変えるのではなく、
思い出はそのままに保ちながら
生まれ変わっていく
そんなやり方があっても
いいのではというのが
心の持ち方が再生される家に重なって
糸口がみえていいなと。
3つ目は、
芋煮会でのケン
不用意に触れないとしても
忘れずにたまに見てくれればいいんだよ
って
回答は、なかなか奥ゆかしい
たくさんあった出来事が
エンドの朝日と歌声で
つつまれて・・
おすすめ
難しい題材を見事に着地させた秀作だったとは‥気になっている人は是非‥
(完全ネタバレなので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
今作の映画『サンセット・サンライズ』は、結論から言うと、難しい題材を見事に着地させた秀作だと思われました。
今作は新型コロナと、東日本大震災での東北での津波被害とが、描かれています。
そのどちらもそれぞれ被害者が存在し、簡単に扱える題材ではないことは容易に理解出来ます。
まず新型コロナに関して、東京の大手企業に勤める釣りが趣味の主人公・西尾晋作(菅田将暉さん)は、コロナ禍でリモートワークが推奨される中、宮城県南三陸の宇田濱町で空き家が安く貸し出されている事を知り、宇田濱町に移って来ます。
そして、自分の家の空き家を貸し出そうとしていた町役場職員の関野百香(井上真央さん)は、いきなり東京から空き家に乗り込んで来た主人公・西尾晋作に対して、コロナ禍でのソーシャルディスタンスと2週間の隔離を要求します。
2025年の今から見れば、2020年当時の関野百香のコロナに対する対応は過剰で滑稽にも見えます。
しかしながら当時の日本のソーシャルディスタンスやマスクや手洗いなどのコロナ対策は、一方でアメリカでは累計120万人以上の死者を出す中、日本の死者は約7万4千人に累計で留まり、一定の対策の成果があったと言えます。
ただ、当時の緊急事態宣言などの日本の対策は、飲食店やエンタメ産業などをはじめとして多大な負の影響を及ぼし、コロナ禍での日本の厳しい対策に批判があったことも事実です。
なので、今でも賛否が分かれ分断を呼ぶコロナ禍での人々の描き方は、かなり困難だと思われるのです。
しかし今作では、例えばパチンコ店で亡くなった村山茂子(白川和子さん)の葬儀に東京からやって来た(主人公・西尾晋作が務める会社の)大津誠一郎 社長(小日向文世さん)が、コロナ陰性のPCR検査結果をまるで印籠のように示して現れる場面など、滑稽さと対策の重要さとの間を辛うじて渡り切って、双方の分断の間を取り持つ表現になっていたと思われました。
そしてもう一つの難しい題材は、東日本大震災での東北での津波被害の描写です。
今作の東日本大震災での東北での津波被害の描写で、個人的に一番の驚きは、関野百香が部屋から海を見た時に思わずつぶやいた「綺麗‥」とのセリフでした。
関野百香は、映画の終盤ではっきりと分かるのですが、自身の夫と子供2人を津波で失っています。
つまり、自身の夫と子供2人を津波で飲み込んだ海を見た関野百香に、ともすれば肯定的な意味を、あるいは作為性を感じさせかねない「綺麗‥」とのセリフを言わせることは、かなり困難だと思われたのです。
しかしこの関野百香のセリフによって、かつて津波の前までの日常では自然と感じられていた海の美しさと、自身の夫と子供2人(そして津波によってのみ込まれた多くの町の住民)の魂が海を美しくさせているとの感情が、現在の喪失した百香の日常の心情と重層的に結びついて伝わり、本当に素晴らしくも美しい表現のセリフだと思われました。
このセリフは宮城県出身の宮藤官九郎さんだからこそ書けた、深さある脚本表現と思われました。
今作は、コロナ禍と東日本大震災での津波被害を主に扱っていましたが、主人公・西尾晋作の勤める会社と、百香が務める宇田濱町役場が、共同で行う、町の空き家リフォーム事業についても扱われます。
この、町の空き家リフォーム事業に関しても、例えばパチンコ店で亡くなった村山茂子の遺影を最後に悲しそうに見つめる西尾晋作の表情によって、この映画が賛否の間を深く取り持とうとしていると伝わって来ました。
ところで、新型コロナも東日本大震災での津波も(あるいは空き家リフォーム事業も)、実は根底で共通点があるように思われています。
それは、そこに人が判断する度合いや時間の猶予が与えられていた(いる)点だと思われます。
仮に、新型コロナの被害が感染した人の大半が死亡したり重症化したのであれば、人々は一致団結して厳しい対策に賛同したと思われます。
ところが実際の新型コロナは、日本の2020年5月の感染広がり当初でも致死率は70歳以上で25.5%も69歳以下では1.3%で、治療法が見えて来た2020年8月の致死率は70歳以上で8.1%も69歳以下では0.2%であり、もちろん放置すればアメリカのように120万人以上の累計死者が出たように厳密な対策は必要だったとは思われますが、対策に対して賛否が起こったのは、人や年齢によって被害の度合いに幅があったことも大きな要因だったと思われます。
東日本大震災での津波も、被害に遭った人の家族や友人などに今も重い感情を抱かせている理由には、地震発生から津波の到達まで25分以上の猶予があったこともあると思われます。
もちろん、その間に高台に逃げられなかった被害者には、仕事を直ちに離れることが出来なかった、集団で避難を考えていたが奥地にまで予想外の津波がやって来た、動けないあるいは連絡のつかない家族を助ける為に被害あった場所に戻った、屋上に避難したがそれ以上の水位の津波がやって来てしまった‥など、被害者をとても責められない場面があり、予想外の大規模な津波がやって来た現実を忘れてはいけません。
しかしそれでもなお、その津波が到達するまでの時間の猶予が、彼らを助けられたのではないか‥との重い感情を今も多くの人に抱かせている理由ではないかと、思われるのです。
仮に、地震直後1分前後で津波がやって来ていたとすれば、失った人々への感情は消えなかったとしても、その感情は時間と共にもっと整理されていたと思われるのです。
これらの重い難しい題材を、コミカルさもある見事な紆余曲折ある作品に仕上げられたのは、あくまで当事者から遊離しない、岩手県出身の原作者の楡周平さんや、宮城県出身の脚本の宮藤官九郎さん、そして(東北・山形県出身の)岸善幸 監督の手腕が大きいと、僭越思われました。
そして何よりこの映画『サンセット・サンライズ』の素晴らしさは、作品の着地にもあったと思われます。
主人公・西尾晋作は、宇田濱町の空き家リフォーム事業が軌道に乗る中、会社の大津誠一郎 社長から、全国の空き家リフォーム事業の責任者として東京に戻って来ることを命じられます。
しかし西尾晋作は、大津誠一郎 社長の辞令を拒否し、宇田濱町に残ること、百香が好きだということを、百香に告白します。
ただ百香は、主人公・西尾晋作の告白を受け入れず、西尾晋作から離れ、夜の海岸に停めた車の中で、津波で失った夫と子供2人の声が入ったMDを聞いて涙します。
そしてその後、西尾晋作は東京に帰り、会社の責任者として、全国地域の空き家リフォーム事業を成功させて行きます。
百香も、宇田濱町役場の空き家リフォーム担当者として、町の事業を成功させて行きます。
西尾晋作は、百香への告白の直後、百香の義理の父である関野章男(中村雅俊さん)に、自身が描いたサンセット・サンライズの画を見せています。
そこには、海に夕日が沈む海岸で(おそらく西尾晋作と百香と思われる)男女2人が手をつなぐ画が描かれていました。
しかし西尾晋作は、その画をその後に改変して、男女2人と子供2人が手をつなぐ画に描き替えて、西尾晋作が暮らし、かつては百香と夫と子供2人が暮らしていた、空き家リフォームされた家にその画を飾って東京に帰ります。
そして百香は、西尾晋作が描き直した、男女2人と子供2人が手をつなぐ画を、自身がかつて夫と子供2人で暮らしたリフォームされた家で見ることになります。
月日は流れて、「モモちゃんの幸せを祈る会」のメンバーの一人だった山城進一郎(山本浩司さん)が宇田濱町の町長に選出されます。
その山城進一郎 町長の挨拶の司会を担当していた百香のスマホの元に、西尾晋作が宇田濱町に以前やって来た時と同じ連続の西尾晋作からのメッセージが届き、百香がかつての夫と子供と暮らした家であり、西尾晋作が以前過ごした家で、百香と西尾晋作は再開し、百香は笑顔で西尾晋作を迎え入れます。
その後、西尾晋作は、百香の義理であり夫の父である関野章男の養子になり、それぞれの自分の選択によってこうなったとの趣旨の話をして、映画は閉じられます。
この今作の着地は、個人的にはここ数年の邦画の中で図抜けて素晴らしい作品の着地に思われました。
その理由は以下だったと思われます。
西尾晋作と百香とが分かれた後に、西尾晋作は会社を、百香は役場で宇田濱町を、空き家リフォーム事業を通じて、それぞれ社会的に救います。
つまり、西尾晋作も百香も、(自分自身でなく先に)周りや世界を救って行ったと言えるのです。
また、山城進一郎 町長の選出の描写は、宇田濱町の未来が明るいことも示唆しています。
なぜなら、他の「モモちゃんの幸せを祈る会」の、(もちろん熱い想いと誠実さはありながら)すぐ感情的になる倉部健介(ケン/竹原ピストルさん)と高森武(タケ/三宅健さん)や、町役場の情報を流すなどどこか斜めから物事を見ている平畑耕作(好井まさおさん)との間で、
町長になった山城進一郎は、熱い想いを持ちながら周囲への関係性と理解が深い、忍耐と誠実さを持ち合わせていた人物だと、感じさせていたからです。
そんな山城進一郎が町長ならば、宇田濱町内の人々の様々なもめごとや問題を、深い理解と関係性の中で解決して行くだろう、宇田濱町の未来は大丈夫だと、伝わる場面だったと思われます。
そして、主人公・西尾晋作は、男女2人のサンセット・サンライズの画を、男女2人と子供2人の画に修正します。
このことは、西尾晋作が、百香を、外見上で見えている1人の女性として一方的に見るのではなく、夫と子供2人の喪失した内面もそれまでの時間も、そのまま感じ理解したからこその、サンセット・サンライズの画の描き直しだったと思われるのです。
そして百香は、西尾晋作の、男女2人と子供2人の画によって、自身の喪失感も含めて、自身の存在が、内面にある夫と子供2人の存在と共に、そのまま肯定されたと感じたと思われるのです。
百香の最後の西尾晋作への笑顔は、その感情を現わしていたと思われるのです。
主人公・西尾晋作も、百香も、会社や宇田濱町を、空き家リフォームを通して救って行った後の再会でした。
その行動と日常の月日は、2人の周り含めた喪失と距離を積み重ね変えて行ったと思われます。
最後の西尾晋作の、関野章男の養子になる選択は、1観客からすると、西尾晋作が、百香と関野章男のことを考えての選択と思われなくもないです。
しかし、それぞれ自分のことを考えての選択との西尾晋作の言葉(解釈の変更)は、それぞれに自由意志の余白を持った上の相手とを関わりの答えとも言え、実は今作を貫いていた人との関係性の到達した答えだったと思われました。
会社を、町を、それぞれ救って来た西尾晋作と百香とが、最後に自分を救い、そのことが大切な人を救っている、感銘を受ける見事な映画の着地だったと思われました。
今作の映画『サンセット・サンライズ』は、難しい題材をしかもコミカルに描くという、題材の難易度の高さからの紆余曲折の展開は傑作となるには余りにも難し過ぎると思われ、私的は僭越今回の点数になりましたが、一方で早くも2025年の代表作の1つになる予感がしていて、見事な秀作であると一方では僭越思われました。
特に作品の最後を閉じる着地までの流れは、ここ数年の邦画でトップクラスの素晴らしさだったと僭越思われています。
そして、主人公・西尾晋作を演じた菅田将暉さんをはじめとして全ての俳優の皆さんが素晴らしかったと思われながら、特に関野百香を演じた井上真央さんは図抜けて素晴らしかったと、僭越思われました。
今作の映画『サンセット・サンライズ』を本当に面白く心動かされて観ました。
(なんだか書き始めるとレビューが長くなってしまいました‥失礼しました‥)
コロナ禍の日々を振り返った
とてもおすすめされたことと、レビュー数が多くて評価が高かったこともあり、仕事終わりにレイトショーへ。
(間に合わなさそうで、めちゃくちゃ走った)
久しぶりに邦画を映画館で観た!
あらすじも調べずとりあえず映画館に突撃。
菅田将暉は素朴な一般人を演じるも、そのスタイルの良さで登場からやっぱりすごいなと思いました。
コロナ禍はこんな感じだったなと懐かしく思いました。当時は得体の知れない、目に見えない恐怖で毎日を過ごしていましたが、それを懐かしいと思う日が来るなんて。
晋作の素直で朗らかな性格と南三陸の拳で👊の御三方、やり取りを見ていてニコニコしてしまいました。
(あの雰囲気に怖気付かず飛び込める晋作が素晴らしいですが)
お刺身美味しそう!海や川、山、豊かな自然。
気づかずにいたけど、日本のほとんどはこんな風景。
地震のことも詳しく話すわけでなく、しかし住民の心から離れることはない感じがとてもリアルと思いました。
「地震なんて正直どうでもいい」(正確ではないですが)そんな率直な晋作の言葉はナイフにもなりがちですが、そんな意味はないことしか伝わってこない感情がこもって聞こえました。
地震、過疎、コロナ、空家、様々な問題が詰め込まれた作品ですが、映画館でも笑いが聞こえてくるほど温かいストーリーになっているのはすごいことではないでしょうか。
とても爽やかで、自分についても考えさせられる映画だったと思います。
久しぶりに映画館でポップコーンを食べました🍿
あんなにサイズ大きいのね!
こんなに食べれないよ〜て思っていましたが、序盤で完食笑
仕事終わり好きな映画観て、ポップコーンをたくさん食べて、とても素敵な時間でした。
三陸
震災から10年、コロナ禍に起きる
ヒューマンコメディ。笑いと涙。
都会から来た人はあのような扱いを
受けたのを思い出した。懐かしい。
コメディとシリアスが上手に組み込まれていて
気仙沼の魅力満載。芋煮の違いも良いよね。
沢山の方々に観て欲しい作品。
見終わった後に旨い魚とお酒が欲しくなります。
笑って泣いて、笑って泣く
宮藤官九郎脚本というところに惹かれて観ている。
岸善幸は「正欲」の監督だったんだね。
役者の情報も、菅田将暉さん、井上真央さんくらいしか認識せずに見たら、
三宅健さんがアイドルオーラ完全に消してて、しゃべるまで全然わからんかった。
しゃべったら「学校へ行こう」で聞きなれた声だった。
居酒屋の四人衆面白かった。なんやねん守る会ってww
東日本大震災から9年経って、新型コロナで地方が首都圏を恐れすぎる2020年3月から物語が始まる。
ミミズのアニエスベーから、クドカンらしい笑いがそこここにあって爆笑しつつ、
田舎もんの閉鎖性、自虐、筒抜けな噂とか、懐かしくてその感じ知りすぎてて嫌だなーとか、思った。
でも隣のしげこさん?と西尾さんの交流とか、ちょっといいなって思う。
パチンコ屋への出退勤を、車で送るとか、悪くないじゃんって思う。
ももかとあきおが実の親子ではなく、長男の妻で、夫の父であるっていうのは、思い至らなかったなー。ずっとフツーに実の娘だと思ってたもん。
ラブストーリーになる予想をしていなくて、西尾がももかのマスク外した顔に見とれたところから、あれあれ恋の予感なの?と思って俄然楽しくなったけど、夫と子と夫の母を一気になくした傷って、想像を超えるなあと、西尾の恋路が険しくって切なくなった。
河原の芋煮会(よかった)、東京への異動辞令をいったん断る(ここで2021年だったよね)などして、そのまま一緒になれるかと思ったけど、さらに2年間を置いた描写が、地に足ついた人の決断だなーと思って、観てた。
最終的に、西尾はあきおの養子になって、ももかも関野のまま、3人で暮らしてるのかももかの夫が立てた家に、彼氏である元西尾と住んでるのかわからんかったけど、多分小日向さんの会社辞めて海の男になったってことよね。
法律婚ではない決着も、なかなかいいなと思った。
タコの干物(だよね?)をずっとしがんでる(関西弁でかみしめる的な意味)おじいとか、
とちゅうまで誰かわからんかった池脇千鶴さんとか、熊としめじとか、社長から逃げるオンライン飲み会とか、タコと西尾の戦いとか、面白かった。
そして、結構泣いた。どこから泣いてたかは全然覚えてないけど。
大きな悲しみと、穏やかな日々の積み重ねと
登場人物も風景も食べ物も、すべて素敵で、私も【おもてなしハラスメント】の会に混ぜてもらいたくなってしまいました。
そんな素敵なお話、素敵な光景の中にも、ぽつんと暗い震災の影…セリフにもあったけれど、あの時あの場にいなかった人間は、どうしたらいいのか分からなくなる。
それでも、「悲しんでる人のことはただ、見守ればいい」そして、「それぞれがやりたいようにやったら、こうなりました!」というエンディング。
見守るまなざしのあたたかさに、じーんと感動しました。
作中に登場した絵(2人の男女が、太陽に向かって歩いている絵)に、子どもたちが描き足されていたのも、悲しみを抱える百香を丸ごと大切にしたいという晋作の思いが伝わってきて、本当に素敵な映画でした。
暮らしていく
とても意義のある作品だった。
地方再生の話でもあり、3.11の話でもあり、コロナ禍の話でもあり、在り方の話でもあった。
こうやって書くと何本柱なんだと思うのだけれど、見事に融和していく。
方言の力なんだろうか、それとも空気感なのか、震災を扱った話は数々あれど、本音を聞いたような気にもなってる。人の生活に根付いた話だから、そんな感想を抱いたのかもしれない。
コロナ禍のテレワークが推奨され、釣り好きの若者は海辺の街の格安物件に移住する。どうやらこの若者は実家暮らしの窮屈さもあったみたいだ。移住したのは東北のある町。海岸の岩肌に津波で削られた後が残る漁港だ。
2週間の隔離生活とか、当時に生まれた制度や風潮への強烈な風刺を体験し、住民との交流が始まる。
他所者がお隣さんになるまでのアプローチはお年寄りから。他人でも友達や顔見知りになってしまえば怖くもなくなるって事なのかもしれない。
都会から見れば娯楽はないに等しいだろう。でもその代わりに暮らしがあった。
隣人と交流し、話を聞きまた聞いてもらい、持ちつ持たれつが当たり前で、日々の糧は海と山が与えてくれる。そんな暮らし方が描かれる。
彼の思い付きが本社のビジネスモデルに起用され、本格的な移住プロジェクトも立ち上がる。
空き家となる家に入居者を入れるのにも大変で、1番は変化に臆病な心情だ。
現状維持ならば何も解決しない代わりに、新たな厄介事は生まれない。
そんな壁を溶かすのにも、彼が先に移住していた事は有利に働く。
かくして、社長が言う「三者一両得」の完成だ。
優れた人物設定だとホント感心する。
主演の菅田氏に至っては、脚本家・宮藤官九郎の代弁者であり、なんなら生き写しじゃないのかと思えてしまう。原作は読んではいないのだけれど、この作品には脚本家の声が色濃く反映しているようにも思う。
父親がカルパッチョを食べる時に「ほら、食わず嫌いなんだから」とかは、地方の価値観に言及してるようにも思うし、そういった意味では池脇さんはめちゃくちゃいい仕事してた。
「見てくれてればいい」って言葉から始まる竹原氏の独白は胸に響いた。この前に「被災者ってしてもらって当たり前みたいな風潮あるじゃないですか?」って台詞を西尾の同僚が言うのだけれど、その台詞と相まって彼の台詞に真があるように聞こえる。逆に彼女のたった一言の台詞が、震災復興に絡む利権を生んでるのも享受してるのも被災者達ではないとも聞こえてきた。
強烈だったのは「どうでもいい!」だ。
…確かに、と思えてしまう。
シンプルに暮らしていきたいだけなんだ、と。
それが実現できたら、こんなに幸せな事はない。好きな事を楽しめて隣に愛する人さえいれば、その他の事はオマケじゃないのか?と。
オマケに目が眩んで、1番大切な事を見失ってはいないのか?と。
震災と絡めるとややこしい事が覆い被さってはくるけども、日々の暮らしの事を思うとまさにと思える。
人の欲には際限がないし、上を望めばキリがない。都会に住んでるって事は、否応なしに競争社会に叩き込まれるって事でもある。周りと比べる事が1番安易な確認方法でもあるからだ。
少なくとも作中にある田舎暮らしには競争ではなく調和があるようにも思う。
実際は知らないけれど!
最後にくる収まり方も好きだったなぁ。
画一化されないといく、枠組みに縛られないというか、普通を意識しないというか。アレが丁度いいんだと思う。そしてその期間は西尾とモモにとっては日の出の前の助走期間なんだろうなぁと思う。
鑑賞中、ずっとタイトルの事を考えてた。
「サンセット、サンライズ」
つまりは再生って事なのか、と。一度沈んだ太陽もまた昇ってくるのだと。沈むのも当たり前だし、時間が経って昇ってくるのも当たり前だ、と。
夜という時間の長い短いはあるにせよ、いつか昇ってくるんだよ、と。朝日に始まりだったり、希望を感じる人は多いだろうから、サンライズが後に来るのかなって。
とまあ、色んな事を投影できるけれど、自身の中でしっくりくるのは「それでも地球は回る」って事だった。
地球の営みと調和して生きていけばいいんじゃないかと。生きてく上で必要なものは、全部揃ってるんだから、みたいな事かなぁ。
不便ではあってもね。
田舎に行こう入門編みたいな話かなと思ってたのだけれど、とても深い話であったように思う。
結末。
釣りバカ日誌を現代版でやったら。。。的なお話。
もしくは『〇〇から移住してみた』的なお話。
なんだろう?それ以上は何とも言えないお話。特に印象も残らず、刺さる言葉もなく。。。
ただ芋煮会のくだりは「あぁ。茶番が始まるのか」と思いつつ見てたらグダグダな展開からバッサリ切れ、何事もなくって言うか分からんうちに時間が経った場面へと。。。
なんだか起伏のない振り幅の少ないシリアスにもコメディにもなりきれないものをただ見せられたような気分になった。
結末もね、なんだかモヤッとした感じでした。
東北6県言えないです、はい。
いまだから苦笑いしつつも楽しく鑑賞できる
コロナ禍の話しと
震災から12年も経過したいまも癒えない傷。
重々しくなりそうな部分があるものの
竹原ピストルの不器用だけど井上真央への熱い想い
キラキラを完全に消し去った三宅健
よっぽど美味しいものを撮影で食べたのか
ふっくらした菅田将暉(健康的で良き)
中村雅俊とは一見分からないくらい完全な漁師姿
なんだか令和の釣りキチ三平実写版か?と思った(笑)
寅さんとか、釣りバカ日誌とかの懐かしい感じも良き。
笑って泣けて考えさせられるいい作品だと思いました。
みてよかったです。
悪くはなかったが
面白かったけど、ちょっと惜しい気がします。
横浜流星さんの「正体」は、リアリティが無くツッコミどころが沢山あるものの、テーマがはっきりしていたので、感動を求める人に勧められる映画と言えました。(私は感動はしなかったんですが、横浜流星さんの演技に感心しました)
それに対して本作は、どういう映画かを説明するのが案外難しいです。クドカンの脚本で、コメディには違いないです。内容を要約すると、
釣り好きのサラリーマンがリモートをきっかけに東京から三陸にお試し移住し、そこで、
①東北の人々の素朴な温かさに触れて、疲れた心が癒された、ではないし、
②憧れの釣り三昧の田舎暮らしを始めたが、田舎には田舎の抱える問題があることを知り…でもないし、
③運命的な出会いがあった、でも彼女には悲しい過去が…やっぱりこれになるんでしょうか。
それにしては、ちょっと品が無いんですよね。もっとハートフルコメディにした方が良かったと思います。いかにもクドカンらしい笑いが散りばめられているんですが、「モモちゃんの幸せを祈る会」や池脇千鶴さんのおばちゃんキャラが暑苦しくてうっとうしいです。逆にもっとギャグ寄りの作品だったら許せるんですが。
お薦めポイントも勿論あります。三陸の海の解放感、美味しそうな魚料理の数々、菅田将暉さんの釣り竿さばきはサマになっていて、井上真央さんは綺麗でした。
ただ、本作を観て、三陸に旅行に行きたいとは思っても、住んでみたいとは思わないですね。お父さんと茂子さん以外の人物があまり魅力的には描けて無かったです。
脚本と演出がかみ合っていなかったかも。
2/4追記
本作は東北応援のつもりで鑑賞しました。上記レビューに、本作を観ても三陸に住んでみたいとは思わないと書きましたが、私が三陸に魅力を感じないという意味ではありません。というのもクドカンは宮城県栗原郡(現栗原市)出身、母の実家の近くです。上記レビューを書いた後で、岸監督が父と同じ山形県出身、そして原作者の楡周平さんは私と同じ岩手県一関市の出身とわかり、ご縁があるなと思ったので、ちょっと追記します。
これ観た方は言葉の意味が分かったでしょうか。
私は6歳まで一関に居たので、「そろそろ帰(け)っか?」は分かったんですが、「おだづなよ(調子に乗るなよ)は分かりませんでした。言われた事が無いし。
津軽弁で有名な「け!」「く!」は面白いですが、沿岸部では使うのかな、場所によって違うのでしょうが、親戚は「食べらい」と言います。疑問文みたいに語尾が上がります。一般的に宮城県の言葉使いはのんびりして柔らかく、中村雅俊さんのが本物です。
祈る会のメンバーの話し方がきついのが違和感でした。だから、もっと人間を優しく描いて欲しかったなあと思ったのでした。
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