「あぁ・・・はい・・・。」鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 真生版 eiga_beginner.comさんの映画レビュー(感想・評価)
あぁ・・・はい・・・。
まず鬼太郎好きとかではなくチラホラとアニメをなんとなく見たことがある程度。
たまたまこの「真生版」という名の完全版的なものが上映するということで、しかも「R15+」ということもあり「目を背けず最後まで観れるかな・・・」と少しの不安はあったのだが、他に観たい作品もなかったため鑑賞することに。(何かと小遣い稼ぎかのような後出し完全版商法はどうなのだろう・・・)
ちなみに鬼太郎誕生の物語であるということや、予告編を見たくらいで他に知識はない。
で鑑賞した結果「え・・・R15+・・・?これで・・・?」といった具合でまぁ色んな意味で期待外れもいいところだった。
もっとグロい感じのカットがふんだんに盛り込まれているものと勝手におもっていたのもあったのだったが、どうもそっちの方向性ではない「R15+」だった模様。
例えば後半の方で鬼太郎のお父さんが集団リンチを受けているときも顔が腫れたり、歯が欠けたりといったことはなくキレイな顔のままで違和感。
捕まって腕を切り落とされるところも期待してたのだが邪魔が入り結局何事もなく・・・。
人間側の主人公の過去の戦争の回想シーンでも首や腕がもげているような描き方は見る限りなくリアリティに欠けていた。せっかくの「R15+」なのに・・・。
あとストーリーという点から見てもいうほどドロドログチャグチャしたものでもなく、かといって何かアッと驚くドンデン返しがあるわけでもなく、個人的には泣ける要素もなく・・・その辺も肩透かしを食らった感じ。
鬼太郎のお父さんの声(目玉の親父の方ではない)にも違和感を感じた。
なんというか今時の声優さん(声は聴いたことある人なのだが元々詳しくないこともあり名前が出てこない)を起用して新たな若い層を取り込もうとした?そんな印象を受けた。
もちろんそれが悪いというわけではないし、声は良い声をされているのだが、ただこのキャラクターではなかったのでは?と。少し爽やかすぎない?とアニメ素人的にはおもった。
むしろ人間側の主人公の声の方が声としては合っていたのでは?とも。
時代が昭和31年だったか昔のお話ということもあるのだろうけど、電車内でゲホゲホ咳き込んでいる子供がいる中、周りの大人たちが当たり前のようにスパスパとタバコを吸っているシーンとか、人間側の主人公が初めて出向いた村に着くやいなやいきなりタバコを吸いだしたかとおもうと、会話していた村人の目の前で流れるようにポイ捨てするシーンなんかは「うわぁ・・・」と引いてしまった。
きっと当時は本当にそういう時代だったのだろうけど「これはないわぁ・・・考えられないわぁ・・・」と素直におもった。
そういえばこの人間側の主人公は何かとタバコ吸いすぎってくらい吸っている。完全にニコチン中毒なのではないかとおもうほどに。
それと妖怪のボスみたいな強いキャラクターが出てくるのだけど恐怖感が全くないというか、迫力がなさすぎたのも「う~ん」と物足りなかった。
とくに後半の完全体のようなデザインはデカいだけでさらに残念なものだった。「妖怪」なのに妖怪っぽくないというか、もっと日本古来のオドロオドロしいものであってほしかった。
後半では他にもトラ柄のチャンチャンコが誕生した瞬間や鬼太郎がどのように生まれたのかなどが描かれていた。
鬼太郎誕生の瞬間はエンドロール後にあるのだが、赤ん坊で母親のお墓の土の中から出てくるのだが、妖怪族だからなのか土とか飲み込まずよく窒息せず出てこれたなぁと感心した。
どうせなら窒息しかけるのを見かねて人間側の主人公が助けるみたいな感じの方が・・・いや何でもない。
でもあのラストの終わり方は個人的には良かったとおもった。優しく抱きしめるカットとかわかりやすく「ここから始まる鬼太郎の物語」って感じで。命の恩人だね。
結局鬼太郎のお父さんの奥さんを連れて二人で逃げた人間側の主人公の人はラストで鬼太郎を抱きかかえてどうしたのだろう?
ある程度までは育てたのか?それとも妖怪の森的なところにかえしたのか。
それに鬼太郎のお父さんは目玉の親父として蘇った?っていうことなんだろうけど、それから人間側の主人公とは再会したのだろうか?調べてないのでわからないけど再会してるといいなぁなんて。
ねずみ小僧的なのは要所要所で出てくるんだけど、レギュラー的な他の一反木綿とかこなきジジイとか、砂かけババアといった妖怪は出てこず。猫娘は出てきていたけどセリフはほぼなかったような。
そうそう、入場の際に入場特典を貰った。何やら鑑賞後に開封してほしいと書いてある「描き下ろしビジュアルカード」のようで、おそらくネタバレ要素のある何かが入っているのだろうが、これを書いているこの時点でもまだ見てはいない。
というか「第1弾」と書いてあるということは「第2弾」や「第3弾」と続くのだろうか?
鑑賞スクリーンが200席を超えるところだったが、平日でもないのに鑑賞者数としては20名もおらずスカスカ状態だった。
本作は鬼太郎誕生の物語ではあるんだけど、同時に目玉の親父の誕生物語でもあるといえる。
本作を鑑賞して損をしたなどとは全くおもってはいないが、ちょっと期待しすぎていたのかもしれない。
わざわざ「R15+」になって再上映&予告編の中でも鬼太郎のお父さんが言っていた「何を見ても逃げるでないぞ」ってセリフは、鑑賞者に対しての語りでもあるのかと期待しちゃっていたんだけど・・・ねぇ?
血が足りぬ・・・血が・・・・。
※決してグロ映画やグロシーンが好きというわけではなくむしろどちらかといえば苦手な人なのだけどそれでもそう感じた。