「せめて、一反木綿やぬりかべを〜」鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 真生版 しっぽさんの映画レビュー(感想・評価)
せめて、一反木綿やぬりかべを〜
絶賛レビューが多いですね。
前バージョンからずっと観に行きたかったのになかなか機会がなくて、今回ようやく真生版を観に行くことが出来ました。
鬼太郎が生まれる前の話なので正直言って何でもありですよね。
見終わった感想としてはこんなこともあったのかな?あってもいいよな?絶賛まではいかないなぁ?悪くないけど良くもないというのが正直なところです。
最近のキラキラしたゲゲゲのファンシー鬼太郎より完全に大人向けに振り切った犬神家の鬼太郎に。
そこは評価に値するところなのに、なぜだか感情移入出来ず見終わってしまいました。
ずっとダークな世界観のせいかずっと怖くないのです。
人って見えないものに恐怖し、想像からくる産物とミックスしてより恐怖するものなんだと思うのですが、ずっと見えてるんですよね。得体が知れているから怖くない。そしてお決まりのバトルシーン。
ゲゲゲの鬼太郎の神回のひとつに『ゆうれい電車』があると思うのですが、そっちのほうが私は怖く感情が揺さぶられました。
思い上がった人間がどの世界でも大きい顔をして生きています。弱者の気持ちを踏みにじりながら。そんな人たちが妖怪と関わったらどうなるのか。
『この世界に住んでいるのは人間だけではない』『目に見えるものだけが世界の全てではない』と教えてくれた神回でした。
今後の鬼太郎を作っていく上で大きなヒントがある回だと思うのですが。
最初は『面白くなりそうだな!』と思い、中盤以降は『頼む、面白くなってくれ!』と思いながら観ていて、終盤には『せめて一反木綿やぬりかべを見せて〜おねが〜い!』と終わってしまった感じです。
コメントする