最後の乗客のレビュー・感想・評価
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この映画、誰かが演劇にすれば良い
だいたいこういう映画だろうことは扱っている題材から解っていたが、どう落としどころを持っていくのかは最後の最後まで期待を持って鑑賞した。
(期待を持つというのも違うけれど…)
ほとんどワンシチュエーションの映画。
誰か演劇にしないかな?
最期の忘却
「衝撃と感動」なんて煽ってあるが、粗筋から想像した範囲はまったく超えない。
致命的なのは、みずきの「私、死んだの?」という台詞。
これにより予想は確信に変わってしまい、“誰”が“どっち”かもここでほぼ察せてしまう。
台詞としては「お父さん!?」「なんで!?」くらいで十分だったのでは。
サスガにもう一捻りあるかと思ってたのだけど…
驚いたのは、親子を拾った場所から動かず終わったこと。
車を走らせながら、会話したり寄り道したりする流れだと思ってたので、これは相当な低予算では。
演技もヒドくはないが平凡で、見どころは終盤に冨家ノリマサが見せる滋味深い声と表情くらい。
これ系の作品を観たことがなければ別だが、あまりにベタベタで逆に驚いた。
みずきはリストカットによる臨死であそこに居たのかと思ったが、そういうことでもなく。
顔を隠していた理由も結局なんだったんだろ。
タケちゃんへのお願いも結局分からず。
震災遺族に『あの日を忘れない』的なフレーズを否定させたことだけは新鮮だった。
そしてあの日から13年。
上映時間55分の自主制作作品。あの日から10年。東北の海沿いの街を舞台にした一夜の物語。忘れてはならない、風化させてはならないという強い思いの反面、その言葉にがんじがらめにされる残された者の苦しみを描く。
今まで幾度となく使われてきた手法で新しさはないけど、あの日日本にいなかった東北出身の監督の複雑でやるせない想いが伝わってきて観て良かったです。自分の名前が刻まれた慰霊碑。受け取る相手がいない手紙。あの日最後の乗客。
2011年3月11日。きっと東北の至るところであのような光景が実際にあっただろう。知らない人の車に乗せてもらった人。知らない人を自分の車に乗せた人。毎年やってくるあの日をそれぞれの想いで受け取り、生きている人の時間は進んでゆく。そしてこれはこの日本に住む限りいつかきっと自分が当事者になる話でもあると改めて思い知らされた。
救われる人がひとりでもいるのなら…
自然災害に限らず、理不尽な事件や事故に巻き込まれ、大きな喪失感を抱き続ける人は世界中にいる。その事実の受け止め方やその後の立ち直り方は人によって違うし、あるいは立ち直るという意味さえ考えることもなく打ちひしがれたままの人だってたくさんいる。
それでも他の被災当事者や関係者などの生き様を知ることで救われる人だってきっといるし、映画や小説などの物語から救われる人だってきっといる。
だからこういう映画が作られる。作った本人だって、それを見てくれる人がいることで大いに救われている。
こんな形でのオマージュなら、シャマラン監督もきっと喜ぶと思います。
多くの想いのひとつとして
毎日の積み重ねた日々に
突然訪れたことに対して
時間の経過に追いついていない
想いをひとつを垣間見ることができました
たくさんの想いがそこにあるのでしょう
その時から
ほんの少しだけでも自分の中に
取り込めたカタチをを映画で
見れて良かったです
あの日あの時あの場所で
ある夜にタクシー運転手が乗せた乗客は…
話が進むにつれて諸々察しがつくと途端にうぅっと胸が締め付けられます。
起きてしまった出来事は計り知れない痛みではありますが、本作は一人ひとりが誰かを気にして思いやっていたことが温かく、心に残りました。
鑑賞後に映画の公式サイトを見てみると、卵おにぎりのレシピが載っていました。味が気になっていたので作ってみようと思います🍙✨
手紙を書こう
タクシードライバーの男性が、夜中に不思議な若い女性と親子を乗せるが車が動かなくなり…そこで話すうちに思いもよらぬ真実が明かされ…といった物語。
題材は何かわかっていたし、そこからの夜中に現れるという若い女性…とくれば、結末は粗想像がつくし、あとはそれが誰なのか。ドライバー?娘?親子?或いはタケちゃん?…の考察になっていくと思ったが。
想像以上に胸が締め付けられる作品。
ロケーションも良いですね。ちょっと先に大きな通りがあるのに、世界の何処かに取り残されたかのような寂しさ、侘しさを感じられる場所。この雰囲気すごく好きです。
成程、東京にいた以上、完全な当事者でないワタクシなどからすれば「あの日を…」となんとなしに言ってしまいがちだが、忘れたくない人、忘れたい人、あの時自分も…と思う人もいるのだな。
改めて、当事者の本当の気持ちに寄り添うことが大切なのかなと思わされた。
そして、最後タケちゃんにお願いしたことってなんだったんだろう。鈍感な私には気付けなかっただけ?
兎に角、淋しげな雰囲気が織りなす、哀しくも温かい掘り出し物作品だった。
無理じゃない。だって、お前はまだ生きているじゃないか。
2024年映画館鑑賞91作品目
10月13日(日)イオンシネマ石巻
特別料金1600円→dポイント−300円
監督と脚本は仙台出身ニューヨーク在住の堀江貴
大どんでん返し
浜辺でのみずきの夢オチ
みずき以外の登場人物は震災によって亡くなった人たち
現場は仙台市若林区荒浜地区
この世じゃない人が怪談話するっても随分滑稽な話だけど
配役
上京後仙台に戻ってきた遠藤みずきに岩田華怜
みずきの父でタクシードライバーの遠藤に冨家ノリマサ
遠藤のタクシードライバー仲間のたけちゃんに谷田真吾
幼女のこころに畠山心
こころの母に長尾純子
足が不自由なこころの祖父に大日琳太郎
おとーさんはつらいよ
こんな事書くと怒られるかも知れないが、娘を気遣ってよかれと思った言動と娘本人の思いとが食い違うなどとは全く想定していないお父さんが、それに気付いたときには既に手遅れだった、という悲哀が震災の記憶より印象的だった。
真摯な作品に人は感動する
「侍タイムスリッパー」での好演が記憶に新しい冨家ノリマサさんが出演されているということと、東日本大震災にも触れるお話しでもあるので、宮城県民として観たくなりました。
やはりあのサイレンの音は、聞くだけで心がえぐられる思いがする。あの日あの時、家族が心配で心配で、仕方がなかった人が大勢いた中で、どのくらいの人たちが無事に再会することができただろうか。そこまで複雑な脚本ではないけれど、シンプルだからこそ伝わるものがあるし、海外で賞を獲ったのはそこが響いたんだと思います。物語を注視していれば節々にサインがたくさんあるので、私は彼女の初めの方の台詞で「あ〜そういうことか」と早々気づいてしまいましたが、一緒に行った母は驚いていました。
短編で出演者も少なく如何にもミニシアター(自主映画)の雰囲気そのままでしたが、真摯に描かれた作品に良い余韻に浸りました。娘さんの最後の顔が凄くいいですね。そして冨家ノリマサさんの笑顔にも、ますます好きになりました。
東日本大震災。。
東日本大震災がテーマで、宮城県が撮影地だったんですね。
ほぼ、予備知識無しで見に行ったので、見ていて気付いた。
最初は福島県での話かなと思っていると見た事のある駅が出てきたし。(荒井駅)
実は、この映画の予告を映画館で見ていたのを覚えていた。
一瞬見ようか考えたけど、その時は時間が合わず見る事はなかった。
その映画館とは今年3月末で閉館したチネ・ラヴィータ。
チネ・ラヴィータの単独上映から始まって、世界で様々な映画賞を受賞して日本での凱旋上映。
そして、日本全国での公開、凄い話ですね。
映画を見る前はこんな話もまったく知らなかった。
終盤、見ていた観客を裏切る事実が分かる。
この一つの裏切りで、グッと映画が良くなったと思う。
東日本大震災で亡くなった人々の無念さが見ていて伝わってきた。
震災当時、仙台で働いていた私、当時の事を思い出しましたね。
約一週間電気が止まり、都市ガスだったため一か月近くはお風呂に入れなかった。
毎日レトルト食品を食べながら、会社に行って後片付けをしてました。
しばらくして、神戸市と背中に書かれたツナギを着た人達がやってきてガスが復活した時にはホント嬉しかったのを覚えている。
私の直接の知り合いが死ぬ事は無かったけど、知り合いのご家族が亡くなったり、仕事でお世話になった工場で働いていた方が津波で亡くなったという話は何度か聞いていた。
そんな記憶もあったので、亡くなった方達の無念さを感じ、当時の事を思い出したんですね。
主演の冨家ノリマサは、前日にmovix仙台で見た『侍タイムスリッパー』にも出ていた。
この映画も自主製作との事。
監督、カメラマンも宮城県出身。
主演の女の子も元AKBで宮城県仙台市出身。
宮城県に住む人には是非見てもらいたいですね。
今年は『ぼくが生きている、ふたつの世界』も宮城が舞台だったし、宮城の映画シーンが盛り上がってますね。
東北大震災をテーマにしたファンタジー 。記憶を風化させない、そして広く世界に知らせることも映画の役目。
よくある深夜タクシーの女性客の幽霊話に端を発し、母娘の二人連れまで同乗することになるが、果たして彼女達の正体は?目的地の意味は?タクシーはどこにたどり着くのか。
震災の記憶を風化させないために製作された映画。
短上映時間で世界の人々に広く知ってもらう役割も。
その日、犠牲になった数多くの人たちには、もちろんそれぞれの想いがあったはず。
エンドロールの写真のように。
しかし、生の声、ドキュメンタリーに限らず、フィクションとしても象徴的に想いを残すことにも意味がある。
また、残された者の想いと、これからの一歩についても静かに語る。
「侍タイ」に続き、今年は冨家ノリマサの当たり年ですね。
ハシゴのついでに観るつもりがこっちがお目当て作品だったりして(笑)
最近は意味なくムダに長くて寝落ちする作品も増えてきた中で、半分の1時間でドキドキと、ウルウルと、ほっこりといろんな感情が楽しめるメチャクチャいい作品です😭
主役(だったのね)の女の子もいい感じの演技だし、冨家ノリマサさんは侍タイムスリッパーに続いてのメチャクチャいい作品に出演と今年が当たり年なのかもしれませんね😅
ギバちゃんと磯村君のハシゴついでに観たんですが、2作品のレビューを見る限りはこっちが本来の目的になるかもしれません(笑)
with伝説の男
港町の駅の終電後、不穏な女性客を乗せたタクシー運転手の話。
浜街道で大学生ぐらいの女の子を乗せ、浜町までと言われて到着すると…という噂話を聞かされた運転手が、実際に浜街道を走っていると…というストーリー。
あれから10年後の字幕で始まり東北の駅前で客待ちするタクシーということで、ちょっとお察し。
そして乗せた女の子、フードにサングラスにマスクフル装備で年齢なんかわかりませんがな(´・ω・`)
そして今度は飛び出しマダム…謝罪も礼もなしですか?
誰が?というところはあるものの、なんとなく話しはみえる訳で、そういう意外性はあんまりないし、だとしたら…のツッコミどころとか有耶無耶に流されてしまっているところは結構あったけれど、明かしてからの話しも悪くないし、なかなか面白いファンタジーだった。
いい映画だけど、kino cinema でかけるのがそもそもの間違い。
kino cinema は横浜みなとみらいと、天神にしか行った事はないけど、横浜みなとみらいに限って言うと、横浜駅から、みなとみらい線に乗り換えるんだけど、深い地下にあるからホームに行くまでが長いし、
快速では通り過ぎてしまうから、普通に乗らないといけないし、みなとみらい駅から映画館までは地味に遠い。
ここまでして、映画を見に来るのは映画マニアしかいない。天神では、あの大傑作デッドストリームもかかっていたけど、話題にならなかったもんなぁ。
一階には早く開店する本屋とスタバはあるけど、ここのスタバにはスタバwifiが無い。wifiが無い喫茶店って、クリープを入れないコーヒーと同じじゃない?( 森永乳業さん、そろそろクリープちょうだい)
ヒット作、侍タイムスリッパーを上映した、池袋シネマ・ロサではかかっているけど、横浜はkino cinemaだけど、ここは一発勝負をかけて川崎チネチッタでかけてみては如何でしょうか?
自分が殺した人達を冷蔵庫に保管して、コンプリートしたら、その死体を一軒家に組み立てるという、イカれた映画、ハウス・ジャック・ビルドをかけた映画館ですぞ?
こんなチャレンジャーが運営している映画館なら、かなり集客できる筈。この船に乗らない選択は無いぞ?
え?失敗したら?そのときゃ、俺は知らんぷり!( by.江口寿)
さて、長い前置きはさておき映画の内容だが、
映画冒頭、
あれから10年
と、テロップが表示される。
え、どれから?
俺、何か見逃した?
と、思うが、察しがいい人ならすぐに察しはつきます。
とある港町、駅付けしているタクシー運転手が客待ちで停車している。最近は地方でも、ジャパンタクシーか、プリウスのタクシーが走っているのに、主人公が乗っているのは今では見かけないフェンダーミラーのセダンタクシー。これは後の伏線となる。
主人公のタクシーの後部座席から、コーヒーが差し出される。渡したのは同僚のタクシー運転手。
同僚は、幽霊を乗せたタクシーがあるから気をつけろと進言する。んなわけねーよ?と答えた主人公がタクシーで走っていると、夜中なのにサングラスかけて、マスクをしてパーカーを被った女を発見。
この女が幽霊か?と思いながら、走るタクシー運転手。暗い道を走っていると、突然正面に女の子を連れた母親が飛び出してくる。
すんでの所で、止まったが転んで怪我をしてしまったようで、幽霊かもしれない乗客と行き先が同じだという事が分かり車を走らせようとするが、車が故障して動かなくなる。
今回は、途中で話しは飛ぶけど、タクシー運転手あるあるで客から聞かれるのは、
「 運転手さん、タクシー運転手って稼げるの?」
って、よく聞かれます。今はなくなってしまったけど、東京と横浜でタクシー運転手になるには、二種免許と地理試験が必須でした。
この地理試験が曲者で、東京中の美術館、TV局、役所、警察署、美術館、学校などの主要施設の場所と、幹線道路の名称、高速道路の名称、交差点、挙げ句の果てに交差点の並び順などを覚えなければ合格できないのです。
この地理試験に受からなくて、タクシー運転手を諦める人もいるくらいでした。
今はタクシーセンターで2日講習を受けて二種免許を取ればなれます。都内の地理に詳しくなくても、GOアプリが自動的に行き先をナビしてくれるから、問題無し!トーシロの俺でも月100万は売り上げがあったんだよ?
あと、タクシー紹介会社だけど、ジョブイントルダクション、youtubeでタクシー屋さんと検索して、野口さんに相談しましょう。とことん、つきあってくれます。
もう一つ、タクシー紹介会社があるけど、これから貶すので名称は自粛しますが、ここはタクシーで稼げるテクニックを教えてくれるという事で、行ってみたら、そのテクニックというのが、
曲がり角にある一本道の手前で停車して客が来るまで動かない!
って、ドヤ顔で発言して悦に得ているのを見て心のシャッターががらがら音を立てて降りました。
あとねー、
「 運転手さん、幽霊とか怖い経験ありますか?」
ってのも、よく聞かれます。
そのお客様は団体で、早朝に渋谷から移転する前の築地に行くお客様で寿司食いに行くって言っていたので、
空気読んで、お風呂場に沈んだまま一週間が経っていたご遺体を引き上げた時に腕を掴んだら、皮がずるっと剥けた話しをしました。さぞかし、食欲がなくなったに違いない。けけけけけけけけ。
話しは戻るが、停車中に幽霊だと、思っていた女は実は自分の娘だった事が分かるのだが、こんな偶然あり得ないよ?って、思うでしょ?
あるんだよ?それが。俺がタクシー運転手をやっていた時に遠くへお客様を送った帰り、弟が住んでいる区を通りかかった時に、
ふと道路を見るとチャリで自宅に帰る弟を発見して、携帯に電話して呼び止めて、弟の携帯でジャパンタクシーをバックに記念写真を撮りました。これって天文学的な確率だよね?
で、ころころ話しは戻るが、タクシー運転手のお父さんは何とか、冒頭でコーヒーをくれた同僚のタクシー運転手に来てもらう。車を見てもらうが、どこも故障しているところは無いと言われる。
運転手は、飛び出してきた母親に聞かれる。
「 運転手さん、貴方が最後に乗せたお客さんは誰ですか?」
運転手は営業記録を見る。最後に乗せた客?最後に乗せた客は...。
と、ここからは演劇集団キャラメルボックスの芝居でやりそうな感動する展開が待っています。シネフィルだったら、察しがいいから途中で気づきますけどね。いい話しですよ?
惜しい点は、父親特製の卵焼きが入っているおにぎりを食べる描写が無い所。ここは、山口馬木也に、おにぎりを食べて欲しかった( 違う映画だし)
あと、卵焼き入りのおにぎりって字面を聞いてもあまり美味しそうに思えない。卵焼きおにぎりのアドバイザーは2人もいたんだから、ちゃんと考えよーぜ?
卵焼きはおにぎりに添えるもの、左手は添えるだけ。
50分の上映時間だし、上映している劇場も多いから、お時間がある方は是非鑑賞することをお勧めします。うん、この映画はいい映画だ!
誠実で前を向いた映画
これほどしっかりと「アレ」についての映画だとは知らなかった… 正直、そこについてはある程度知った上で観たかったです。
そのうえで、「アレ」にまつわる人々の想いのようなものをキチンと回収する映画のようには感じた。
ただ少々説明過多だし、もう少し言葉にしなくても伝わるようなやり方があったんじゃないかとは思う。
すべてを台詞で説明することで、なんというか「揮発する想い」みたいなものがあるんじゃないかという…
個人的には、舞台の方が映える物語のような印象を受けたが、誠実で前を向いた映画だった。
わずか55分の小さな自主映画
深夜のタクシーで偶然重なりあう乗客たちの人生と目的地で彼らを待ち受ける予想外の出来事を描いたヒューマン・ミステリー。
との事なんですが、どんな話か開始数分で分かると思います。
この映画と似たような話を聞いた事があります。
ネタバレになるので詳しく書きませんが、個人的には特に響かなかった。
映画館のポスターで知って、世界の映画賞席捲と書いてあるし楽しみにしてたんだけどな…
もっと違う、もっと凄い、のを期待してた。
60点ぐらい。
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