「不思議なファンタジー」最後の乗客 邦画野郎さんの映画レビュー(感想・評価)
不思議なファンタジー
予告で見て気になったのと、なぜかこの作品、劇場のクーポンの割引対象外で「定価で見せるほどそんなに面白いの?クソつまらなかったらただじゃおかねーぞ!」って感じで見に行きましたが個人的には短編の割に見終わった後にそれなりの満足感がある作品でした。
ま、ネタバレ的なところはセリフを思い返していくとすぐわかってしまう感じではありましたが、視点や角度を変えるといろんな見方ができて、あの世界は娘が見てた夢なのか、娘が父に会いに行ったのか、実は父が娘に会いに行ったのか、父が娘を「まだ死ぬには早い!」と助けに来たのか、娘以外は実は全員わかった上であの世界線を娘のために演じたのか、そんな感じに見終わったあとにいろいろと考察を膨らますことができます。
それと娘が震災のことを忘れたいのに世間は「あの日を忘れない」とか言って、私はもう忘れたいのに私はあの日を特別の日になんかしないと言っていたところは、なるほど、被災者の家族にはそういう思いの人たちもいるんだよなということを気づかされました。
よく言いがちなあの日を忘れない、復興復興!は、もちろん大事なのだけどそればかりではない違う視点から見た寄り添いや思いやり方があるのだなと思いました。
あとは死んだ後の死後の世界とかあるのかは死んだことがないためわからないため、まあ、死んでしまったらやっぱりもうその人には会えないわけで。
自分は年齢的にもまだ近しい人が亡くなったりしてないし親も亡くなっていない。けど、今後そういった近い人が亡くなるとやはりあの時こう言っておけばよかったとか、そういうことを思う日がくるかもしれない。だからやっぱり近しい人とは何気ない話も感謝の気持ちもちゃんと言葉にして伝えておかなくちゃいけないかな、なんてそんなことを思った。
そして何よりびっくりしたのは川崎麻世に似てる主役のお父さん何か見たことあると思ったら、今話題のあの作品の方でしたね!ちょうどあちらの作品を見たばかりだったので「あー!」ってなりました(笑)
とりあえず大きなどんでん返しがあるわけではなく、自分的には泣ける感じもなかったです。あまり期待もしていなかったので。
でもなんだかなぜか不思議と悪くはない作品だよなと思いました。