「どこまでが」遠い山なみの光 nakadakanさんの映画レビュー(感想・評価)
どこまでが
主人公の回想ということで、妊娠中の主人公と、出産後に娘を育てる主人公が混在しているような感じかと解釈していますが、どこまでが事実でどこまでが夢なのかは分かりにくかったです。
死んだ娘に対する罪悪感が現れていると思いますが、殺人事件の新聞記事とか猫のくだりとかは事実だったのか、罪悪感を示唆しているのか。
明るさの中にも暗い影がつきまとう主人公の様子や、被爆した母子の生きづらさ、娘への罪悪感などは、やはり戦争の影響が色濃く理不尽でやるせないです。
回想シーンについては、主人公が下の娘に語っているものを映像で観ているということだとは思いますが。
映像を見ているこちらとしては、あの箱を見たタイミングで明確に二人が同一人物だと分かるのですが、話として聞いている下の娘も同じように分かったらしいというのは、やや違和感がありました。
箱の外観について細かく話していたとか、中身も見て察することが出来たという感じかも知れませんが。
また、主人公が意図的に嘘をついているのか、それとも辛い記憶が改ざんされているのか、下の娘に対して思い出話として話しているのか、あくまで夢の話として話しているのか、それも分かりにくかったです。
下の娘が主人公に対して、娘の死について主人公は悪くないということを言いますが、主人公の辛い過去や罪悪感は理解できるものの、娘の死の原因がよく分からなかったので、この場面もモヤっとするものがありました。
個人的には、序盤から友人役の二階堂ふみの演技が妙にわざとらしいため(そういう演出だと思いますが)、この友人は妄想なのではないか、途中からは二人が同一人物なのではないか、という点に注目し過ぎてしまったような気がするので、全体の印象がぼやけてしまったかもしれません。
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