「りんご取り放題」遠い山なみの光 ぷにゃぷにゃさんの映画レビュー(感想・評価)
りんご取り放題
原作はかなり昔に読んだが、あまり覚えていない。川のあたりが暗く、不穏な雰囲気だったことだけ、うっすら記憶している。カズオ・イシグロの小説は一貫して、影のような暗さと、痛みや悲しみなどが感じられ、異国で育つ上で体験したことが反映されているのでは、と想像する。
イギリスの家や庭などはすごく素敵で、この背景で撮影されると、ほんと映画に没入できる。庭に生ってるリンゴをもぎ放題。いいなー。ジャムにコンポートにパイ、うわー最高じゃん。母と娘で食事しているところも、お料理がおいしそうで、映画の中に入って一緒に食べたくなった。室内の設えも素敵で、花瓶に花をさすシーンなど、さりげなくおしゃれだった。吉田羊さんがこの家の中で、ものすごく自然で、30年住んでるかのように溶け込んでいた。滑らかな英語も素晴らしい!
終戦後8年の長崎は、こんなにキレイだったのかな。復興はみんなでがんばっただろうが、ずいぶん小綺麗。若い悦子も、いい色でいい布地の服を、とっかえひっかえ着る、素敵な若奥様。なんでこんないい暮らしができてるんだ。まぼろし〜? 河原で暮らす佐知子も、建物はボロいが、けっこういい服を着てる。それに、茶器や花瓶などが高級そうで、ほんとこの人どうやって金稼いでるの、と思った。長崎の話は、なんだか現実感が薄めだった。あと、夜の河原で、あんなに早く走れないんじゃないかな。暗くて転ぶよね。昼間に撮影して、色を整えたんだろうな。
原作に謎が多いのだろうが、映画で解説しているように思えた。でも、謎はそのままでもいいんじゃないかな。わかりやすくするのが良いとも限らない。それに、別にイシグロの小説じゃなくてもいいのではないだろうか。なんでか自分でもよくわからないが、鑑賞後なんとなくモヤモヤしている。
ぷにゃぷにゃさん
コメントへの返信を頂き有難うございます。
原作は敢えて曖昧にしている、それがまたカズオイシグロさんの作風、なのでしょうかね。
本作のキャストを重ねながら、読み進めたいと思います 📙 いつ入手出来るやら。
ご覧になってらしたのですか?
私もイギリスの家、庭、調度、料理、
とても好きでした。
〉吉田羊が30年前から住んでいたように。
溶け込んでいる。
本当にお化粧っ気もなく、英語が流暢で1番リアリズムを
感じさせる存在でしたね。
なかなかの問題作で、石川慶監督の企みで
複雑になった感じでしたね。
長崎はマボロシなのかも。
ぷにゃぷにゃさん
ご覧になられたのですね 🎥
ぷにゃぷにゃさんが投稿されたレビューから、吉田羊さんへの敬意と、原作を読まれているからこそ感じられたであろうモヤモヤがしっかりと伝わってきました。
図書館に予約した本作の原作、未だ順番がきていませんし、教えて頂いた図書館の書架に在ったはずの「 クララとお日さま 」、どなたかが先に借りられたようで、借りることがが出来ませんでした 📙 💦💦
コメントありがとうございます。石川監督は原作小説を上手に読んでいてそれをうまく映画で表現していて「読み巧者」かつ「表現巧者」だと思うのですが、原作小説の読みに関しては私のとは違うなあと再読した後も思っています。
過去レビューを幾つか読んでフォローさせていただきました
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