「原作と映画」遠い山なみの光 rikakkumaさんの映画レビュー(感想・評価)
原作と映画
原作、既読。
カズオイシグロ原作、石川慶脚本監督。
監督の映像化の力量が光る。
製作プロダクションに分福(是枝裕和監督)の名前も。
原作は読み易い文学作品。日本語訳も良く、巧みな会話が良い。
大胆な脚本の再構成も見事!
映画はミステリアスに、時にホラーチックに。
悦子の記憶が多層的である事を、原作よりもハッキリと描いている。
背景に戦後の貧しさと混沌、被曝の後ろめたさが流れている。
皆が、ナガサキから立ち直って行こうと希望を持って歩み始める清々しさ。繰り返し観る度に味わい深くなってくる。
映画のプログラムの最後の方にある。広瀬すずの白、吉田羊の黄、二階堂ふみの赤、それぞれが持つ花も象徴的。
広瀬すずの嗚咽、涙が弾ける。逆光の中で。
何とも美しい。映画史に残る名場面では。
「宝島」での慟哭と忍び泣きも見事だった。
異なる涙もそれぞれ良かった。
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