劇場公開日 2025年9月5日

「謎が謎を残したまま…」遠い山なみの光 ginさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 謎が謎を残したまま…

2025年9月27日
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鑑賞方法:映画館

怖い

知的

難しい

イギリスに帰化したノーベル賞作家カズオ・イシグロの処女作の映画化。

原作未読もあって、娘に語る回想に紛れ込む嘘に、最後の最後に気付かされる不穏さ。
しかし長崎の被爆が体験者にもたらした傷は、たしかに一筋縄のものではないはず。

それにしても彼女の周囲の男の無頓着さ、頑迷さは如何ともし難い。

あと二階堂ふみ演じる佐知子が娘から取り上げた子猫を川に沈めるシーンは、鬼気迫って出来れば見たくなかった。こういう役、彼女は上手い。

広瀬すずは、今年になって「ゆきてかへらぬ」
本作、「宝島」とあいついで文芸作品で大正、昭和の大人の女を演じ心境著しい。本格的な女優の途を登り始めていると言えるだろう。今後が楽しみである。

「遠い山なみの光」という表題がいかにも読書心を誘い、原作を読んでからもう一度噛み締めながら映画を見直したい気持ちになった。

gin
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